第55話【 地上に出るまでにため込んだモノ(3)】
魔物使いのリザーナは冒険者としては駆け出しであり、依頼成功をした事がない冒険者であるが使い魔にミックスとエレーナが加わった事で稼ぎ頭になっていたのだ。
魔核収納にため込んでいた物は全て値があるというのだ。
よく聞くとガーベラやフェローラがいるドラッグでも手を出そうとは思わない魔物や魔獣の生息圏や繁殖地には無理な事はしないのが普通の冒険者だというのだ。
大まかにいってしまえば全てを買い取って金に変えることは無理って事だろう。
この前取ってきたジャイアント・ディアーとジャイアント・トードはエレーナからは「よく狩りで取ってたから大丈夫だろ?」と言われたから取ってきたが、ジャイアント・ディアーは巨大な角と体格を活かした突進力や魔法体勢があり、ジャイアント・トードは鋭い嘴や爪で鎧を引き裂く力を持っているというのだ。
ブラックベアは大きさよって強さが違うらしいがドラッグが倒していたのを見たから狩ってきたと言い訳するとドラッグも忘れていたらしく死体をそのままにしていたからだ。
「問題児基準で考えるな!! ドラッグは魔物や魔獣を倒しても薬の材料にならない場合は放置するようなヤツだぞ!?」
「だが、ドラッグは薬剤師だろう? 薬の材料以外には興味がないのは当然ではないのか?薬を製造し、買い取りして貰えば食うには困らんだろ?」
「普通はそれを含めて冒険者ギルドを通すんだよ。解体費とか買い取り額とか計算しないと行けないからな・・・」
「・・・つまりは魔核収納にため込んでおいても全ては買い取りされず、肉の解体にも時間が掛かると俺やエレーナなら生でもいいがリザーナの食事がないのは五月蝿いからな・・・」
実際に地上で狩りをして暮らしてた蛇身も湿地帯に生息している為にジャイアント・ディアーやジャイアント・トードも水を求めて現れる為に狩りの対象になっていたらしい。
少なくとも人間の冒険者と魔物とは価値観が違いすぎる為に覚えるのは大変そうだが、余程の事がない限りは金や飯には困らないだろう。
地竜と黒い蛇だけで一生遊んで暮らせる大金が手に入るというがエルフの寿命は人間よりも長いということはそれ以上の金額を稼がなくてならないというとか?
「つまりはリザーナが死ぬまでに 地竜と黒い蛇クラスの魔物や魔獣を倒せば養う金と肉は工面できるということでいいな?」
「まぁ、エルフは長寿だからな。少なくともいくら大金でも使いきることは・・・」
「リザーナだぞ? 何が切っ掛けで借金が発生するのかわからんぞ?」
「ゴリさん酷い!!! ちゃんと返済したじゃんか~!!!」
確かに返済はしたがそれは商人の人が助けてくれたお礼に受け取った物をその場で渡した為にリザーナがトラブルの材料を運んでくる可能性はあり得るというのだ。
少なくともリザーナとエレーナならちょっとした事でも手が出そうではあるが俺自身も騎士をぶっ飛ばして掴んで咆哮を挙げた手前何も言えない。
ドラッグには迷宮から出た影響で弱くなったと言われていたが確かに地上に出た時に若干の違和感を感じていた。
ゴリガンの腕を掴んで揺さぶるリザーナを止めて用意して貰った菓子を口に入れて黙らせる。
「どっちが魔物使いかわからんぞ?」
「そもそも職業がそんな簡単に変わるものなのか? リザーナは一応は狩人だったが俺に名付けしてからすぐに変わったが・・・」
「まぁ、リザーナ自身が不思議なエルフであるからその影響もあるだろうな。少なくとも魔法が使えないエルフなんて聞いたことがねぇし・・・」
「エルフの冒険者自体この辺りでは珍しいからな・・・」
アマゾネスやリザードマンは南の大国の冒険者ギルドではギルドマスターに就任している実力者も多いのだ。
少なくともフェンナト王国よりも種族的な差別がない為に冒険者には優しい大国として知られている。
エデンやポートフォリオンに高階級冒険者が居着かない理由もフェンナト王国の王族や貴族が冒険者に横やりを入れてくる為に階級上げが他国よりも面倒な上に敬遠されているというのだ。
なら、ドラッグがいっていた様に滅ぼしてしまえばいいのではないかと尋ねるとゴリガンとフォルトはドラッグに視線を向けたが気持ちはわかるとため息を着くくらい悪政を引いているらしいのだ。
少なくとも今回の迷宮攻略踏破や高難度の大迷宮・ラビュリンティスの魔物や魔獣の素材や貴重な鉱石や財宝を持っている事は恐らくは伝わっている為に何らかの形で懐柔してくる可能性はあるというのだ。
ドラッグがいうにはミノタウロスは狂暴で人喰いだと言われている為に冒険者や騎士団を連れてこちらに向かっているだろうという。
だが、その心配事は直ぐに必要が無くなってしまった。
前に倒したブロンテスと同じ『巨人族』がフェンナト王国に宣戦布告をしてきたからだ。




