第50話【 フォルトとの約束(17)】
レミーラがダンジョンボスである女王蟻を討伐すると、突如として目の前に巨大な球体が姿を表した。ドラッグは懐かしそうな顔をして手で触れて撫でていた。
「これが迷宮攻略の証の迷宮の魔核だ。ここに俺とそうだな。レミーラの血を登録しておくか・・・」
「登録ってなんですか?」
「あぁ、未制覇のダンジョンボスを倒すと迷宮を冒険者ギルドの管轄にできる。ここでいうならポートフォリオンとエデンの街の冒険者ギルドが管理する事になる。俺も未制覇のダンジョン攻略はこれで2回目だな」
「やっぱり迷宮攻略はそれだけ難しいって事なんだよな・・・」
ドラッグの説明を聴いてキーンとリーナは迷宮攻略の難しさを身をもって知った。
俺がいた高難度の大迷宮・ラビュリンティスの他にも未制覇な迷宮は多い為に今回は浅い階層であった為に制覇するのも楽だったという。
少なくとも構難度となると30階層~40階層から魔物や魔獣のレベルの上がる上にダンジョンボス以外にもフロアボスと喚ばれる魔物や魔獣を倒さなければ次の階層に進むことも出来ない仕組みになっているというのだ。
ただその分魔物や魔獣が落とすアイテムも品質が高くなり高額で取り引きされるというのだ。
先ほど食っていた大蟻の甲殻等も防具に材料として売れるらしいのだ。
そして、レミーラが倒した女王蟻は宝石を落とすが宝箱などにもこういった宝石類や魔法の鞄等が入っている事もあるが罠は勿論だが、宝箱に擬態する【ギミック】と喚ばれる魔物がいる為に注意が必要だというのだ。
ドラッグとレミーラは親指をナイフで少し斬り、目の前の巨大な球体に押し付けると魔力が溜まった宝玉が浮き初めて巨大な球体に吸い込まれるといきなり光輝き始めたのだ。
すると、辺り一面に魔石や宝石類や金貨が溢れていたのだ。
「これが迷宮攻略で得られる財宝とかだな。 今回は高難度の大迷宮・ラビュリンティスの女王蟻がダンジョンボスって事だから・・・。フォルトやゴリガンと相談しねぇとな・・・」
「ど、ドラッグの旦那これは全部集めて持って帰れば良いんですか!?」
「渡した魔法の鞄に回収して魔石とか魔物や魔獣の甲殻や革とか牙は冒険者ギルドでも買い取ってくれるからな・・・」
「そりゃどこも攻略ダンジョンの所有権を欲しがる訳か。今回はエデンの街とポートフォリオンの昇級試験にも活用できるしな・・・」
前にドラッグが来た時はゴリガンの巣穴でろくなものがなかったらしいが今回は大当たりであるというのだ。
少なくとも昇級試験も無事に全員合格であり、後はゴリガンとフォルトにこの件を伝えればドラッグの試験官としての仕事は終わりだ。
だが、暫くはポートフォリオン滞在するというのだ。
新迷宮の詳しい詳細や出てくる魔物や魔獣の強さに合わせて昇級試験階級の基準選考も考えなくてはならいないというのだ。
前にブロンテスが現れた洞窟もただの魔物・サイクロプス達の縄張りであれば注意喚起とギルドへの報告で良いがそちらからはオルティガンが調査に行っている為に大丈夫だというのだ。
ドラッグがゴブリンの巣穴以外に攻略した迷宮攻略をした際にオルティガンとセルマとはパーティーを臨時で組んでいた為に実力はドラッグのお墨付きの冒険者であるからだ。
一通りの説明を終えるとドラッグは落ちている金貨や宝石類の回収を指示するとレミーラに女王蟻の輝く瞳を手渡すとキーンとリーナに向き合った。
「2人とも良く頑張ったな。褒美にその魔法が付与された【付属魔法印】の武器はくれてやるし、二人ともこれでフェンナト王国に推薦状も貰えるぞ?」
「・・・それなんだけどドラッグさん。親父と相談させてくれないかな?」
「ドラッグさんの話を聞いてたら色々と考えちゃって・・・」
キーンとリーナが俯くとドラッグは2人の頭に手を置いた。
「・・・そうか。まぁ、決まったら冒険者ギルドに来い。暫くは滞在してそれからエデンの街に戻るつもりだからな・・・」
ドラッグ自身も昇級試験官としての活動はこれが初めてであり書類やらギルドマスターとの会議やらで当分は忙しくなるとため息を着いたのだ。
少なくともゴリガンがポートフォリオンに到着するまではゆっくりするつもりだと話すと自分も戦利品の回収を始め全て回収し終えると地上に出て日の光を身体に浴びて、ガーベラが設置した転移魔法の魔法陣まで移動をし始めたのであった。
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