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第46話【フォルトとの約束(13)】



ドラッグが戻ってきた事で群れの指揮を取っていた中隊長大蟻(ジェネラルアント)の三匹が他の大蟻アント達を押し退けてた。狙いはドラッグ、ミックス、レミーラのであったが向こうから来てくれるならとミックスとレミーラは簡単に倒してしまったがドラッグはキーンとリーナに冒険者として経験値を稼がせいからとターシャとギガルと場所を入れ替わった。


だが、それでも狙いはドラッグであった為にそれに腹を立てたリーナはドラッグから貰った風魔法が付与された【付属魔法印エンチャント】のナックルダスターを使いこなす切っ掛けになったのだ。


リーナは中隊長大蟻(ジェネラルアント)の顔面に風の大砲(エア・ハンマー)を撃ち込む事に成功したのだ。 だが、威力が弱った為に中隊長大蟻(ジェネラルアント)を怒らせる結果になってしまったのだ。


「何してるんだよ!!? リーナ!!!」


「うるさい!!ならアンタがその剣を使いこなして早く倒しちゃいなさいよ!!?」


「2人とも喧嘩してる場合じゃあないよ!?ったく、世話の掛かる子らだね・・・」


「んじゃ、大蟻(アント)は俺らでやっとくからキーンとリーナはそのパーティーで中隊長大蟻(ジェネラルアント)を倒すのが課題な~」


ドラッグの課題に2人は戸惑いを隠せなかったが冒険者である以上いつもドラッグのような強い冒険者が側にいて護ってくれるとは限らないと実感したからだ。


いざという時に自分の身も仲間も護れない冒険者にはなりたくない。


少なくともドラッグは多少の無茶振りはするだろうが、中隊長大蟻(ジェネラルアント)一匹ならこのパーティーで倒せると判断したのだろう。


ミックスが大方の大蟻(アント)戦斧(バトル・アックス)で片付けるとドラッグらと合流して戦闘に加わったのだ。


リザーナはエレーナが護っているから大丈夫だろう。


ドラッグはミックスを見ると次の階層が一番広く群れを率いている女王蟻(クイーンアント)つまりはダンジョンボスがいるというのだ。


先に先行として確認してた為にここに群れを指揮を取っていた中隊長大蟻(ジェネラルアント)達が集まってきてしまって先ほどまで奥の方でガーベラと戦っていたというのだ。


「ったく、火炎弾(ファイヤ・ボム)!!!」


「おし、魔力溜まったぞ!!火炎の咆哮(フレア・ブレス)!!!!」


「おぉ、火魔法が使えるようになってるじゃんか?」


「形に拘り過ぎるのも悪いからな。自分らしいやり方で戦うのが一番強ェって事を忘れたな」


お互いに目の前の大蟻(アント)達を火魔法で倒してしまったが、ミックスは直ぐに魔力切れになって連続で放出することが出来ないと嘆くと、魔物なら魔石を食べて魔力量を増やしてみるのはどうかというのだ。


人間の冒険者は魔石を冒険者ギルドで買い取りされるものである。


だが、魔物使い(テイマー)の使い魔の魔力上げるに昔は使われていたと聴いた事があるというのだ。


そもそも魔物使い(テイマー)に職業が変わること事態が稀有な事であるからだ。


少なくともドラッグはフェローラに名付けをした時に薬剤師から職業変更はされなかったというのだ。


1つ考えられるのはリザーナとドラッグでは職業の適性レベルの差がありすぎるのが原因ではないかと尋ねた。


「まぁ、確かに薬剤師として完全回復薬(フル・ポーション)の製造が出来るから可能性の1つとしては考えられるな・・・」


「少なくとも狩人が弓矢を放てないのに良く冒険者ギルドも容認したな・・・」


「その辺は結構いい加減だからな。金払って冒険者カードさえ作りゃ適性職が表示されて後は腕次第で何とでもなるからな・・・」


「・・・使い魔になって弱くなるという事はあるのか? 少なくともリザーナに名付けをされてから微妙に違和感があるが・・・」


その辺りは流石のドラッグでも魔物や魔獣でない為に名付けをしたフェローラに訪ねるのがいいだろうといいキーンらの方を見つめていた。


他のパーティーとは違って急造ではあるがしっかりと連携が取れていた。


だが、中隊長大蟻(ジェネラルアント)で普通の大蟻(アント)よりも甲殻が硬いのだ。


アマゾネスのターシャの鎖攻撃もコツを掴んだリーナの風魔法も余り効いているようには見えなかった。


ギガルは職業は治癒術師(ヒーラー)であるがリザードマン特有の爪や尻尾を活かした近接格闘も得意でありキーンとリーナの実戦不足をうまく支えていた。


すると、ドラッグはキーンを煽るような言葉をいったが、集中して火をどうしたいのか頭の中でイメージして剣に魔力を込めろと助言をしたのだ。


キーンは少しだけしかめっ面な表情を見せたがリーナに出来たなら自分にも出来ると言い聞かせているように深く深呼吸をして剣の柄をしっかりと握りしてドラッグに助言された通りに剣を振利下ろすと剣身に炎が纏わりそのまま中隊長大蟻(ジェネラルアント)を一刀両断してしまったのだ。


全ての中隊長大蟻(ジェネラルアント)が倒されてしまった事で残った大蟻(アント)達は1つの穴に慌てた様子で戻っていたのだ。


群れを率いてるダンジョンボスである女王蟻(クイーンアント)を護る為に集まっているのだろう。


キーンは中隊長大蟻(ジェネラルアント)を倒した実感がないのか情けなく口を開けてドラッグ見つめていたが、ターシャが抱き着いて褒めると頬をあかくしていたのだ。


その姿をみてリーナが茶化すと頬を染めたまま悪態を着いたがギガルも微笑み2人の頭を撫でていた。


ドラッグは何も言わずにキーンとリーナを見ていたが同じ姉妹とはまるで違う2人を見て複雑な気持ちになっていた。


だが、そんな余裕は無さそうだ。


逃げ出した大蟻(アント)達が逃げていった通路から怒りに満ちた独特な金切り声が迷宮(ダンジョン)内に響き渡ると振動で上や壁が土と土煙が降り注いできたからだ。

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