表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/216

第29話【 目論見 】



俺はガーベラに料理の基本を伝授して貰い、食事の最中にドラッグが試験官を勤める冒険者の昇級試験について訊ねた。


元々、迷宮(ダンジョン)には魔物が作ったばかりの産まれた若い迷宮(ダンジョン)から何度も冒険者を送り込んで探索し、迷宮名(ダンジョンめい)を付けられる場所が無数に存在している。


だが、このフェンナント王国周辺で何度も冒険者を送り込んで探索している迷宮名(ダンジョンめい)・【ゴブリンの巣穴】しか存在していない。

そして、肝心の昇級試験官を勤める冒険者が不足している為に中々行う事が出来ないというのだ。


何よりもこの攻略済みの【ゴブリンの巣穴】は攻略難易度が入ってみないとわからないという面倒な迷宮(ダンジョン)であるからだ。


理由は出現する魔物であるゴブリンの存在である。 ゴブリンは小柄で知性は低いが武器の使い方などは直ぐに覚えるし、才能があれば魔法も使ってくるというのだ。


中でも厄介なのはゴブリンは変異種が産まれやすい為に数の繁殖力が増す可能性があるというのだ。


普段は他種族の雌を孕ませて数を増やすがキングやクイーンといった上位ゴブリンが誕生すれば都市を滅ぼせる程の大軍勢で迷宮(ダンジョン)内から溢れ出てくる事態に陥るらしい。


だが、港街の都市・ポートフォリオンの冒険者ギルドにゴブリンが女を連れ去ったと言う報告は入っていない為にC~D階級(クラス)の冒険者でも討伐は可能であるにはあるが、ドラッグには苦い思い出があるからだ。当時、ドラッグがまだ一人だった頃にB階級(ランク)昇級試験の時に俺と合わせて同じC~D階級(クラス)の冒険者が6チームいてフォルトが試験官だった時の事である。


最初こそはゴブリン達は弱くて異変はないと思ったが、奥に進むに連れてゴリガン達は強くなり、先行していたパーティーと殿をしていたパーティーが殺られてしまい、最終的に生き残ったのはドラッグとフォルトともう1チーム以外は全滅した経験がある場所であると話したのだ。


今回もどうなるのか解らないと、ドラッグは予想するがおそらくは多くの死傷者が出てしまうだろう。

俺らは昇級試験を受けなくて良いのだろうか? 不安ならリザーナも昇級試験に参加してドラッグの手助けが出きるだろう。


だが、前のブロンテスの1件でドラッグ既にゴリガンにはリザーナらにはB階級(ランク)クラスの実力があると見ている為に【肉体強化】と【武装強化】の魔力操作を習得し、2人のギルドマスターの承認の書類がいるというのだ。


本来ならば、同じB階級(ランク)のオルティガンかセルマのどちらかに依頼しようと貰おうと思ったらしい。


しかし、魔族の手下になった巨人族のブロンテスが現れた洞窟の調査を依頼しているからだ。


少なくとも【ブロンテス】の1件やミノタウロスが高難度の大迷宮・ラビュリンティスから財宝を持って出てきて人の言葉や常識を身に付けてようとしているのが不思議な状況であるからだ。


そして、ドラッグはミノタウロスが伝説級の怪物でありその棲みかとして知られている高難度の大迷宮・ラビュリンティスは攻略した冒険者も国もいない。


唯一わかっているのは莫大な財宝を怪物・ミノタウロスが守護しており怪力と突進であらゆるものを破壊する。


武器である大柄な戦斧(バトル・アックス)で大盾をも粉砕し、魔法も効果がないまさに迷宮の怪物の守護者に相応しい強さであるというのだ。


ゴリガンから話をきいたらしく、ダリル伯爵の騎士をぶっ飛ばして咆哮あげ、気絶させた件も既に情報は入手済みであるという。


・・・ 喧嘩売ってきたのはあいつらだぞ?売られた喧嘩は買うのが魔物として当然だろ?それに思っていた程強くなかった印象だった。


つまりは高難度の大迷宮・ラビュリンティスのダンジョンボスのミノタウロスに敵う騎士がいないのと冒険者がいない。



多分、迷宮内のが【肉体強化】と【武装強化】の魔力操作が上手くできるだろうというのだ。


そうなれば、ドラッグらでも手出し出来ないというのだ。


俺自身が弱くなったのは迷宮から地上に出て体内に取り込める魔力濃度が減ったのが原因の可能性が高いというのだ。


「それにミノタウロスと蛇身(ラミア)を使い魔にしてるのにB階級(ランク)以下はあり得ないしな。

まぁ、あのバカ王はミックスが持ってる財宝を狙うかも知れないだろうがな・・・」


「流石に買いかぶりすぎではないか?1国の騎士や冒険者を相手にするのは俺でも・・・」


そうなったら、ドラッグらも加担するってフェンナント王国の冒険者ギルドに伝えてあるから大丈夫だと笑ったのだ。


少なくともフェンナト王国周辺には国を囲むように冒険者ギルドが五つあり【ポーン】【ビショップ】【ナイト】【ルーク】【クイーン】と存在しておりフェンナト王国が【キング】の駒として扱われているそうだ。


ドラッグはそのうちの4つの冒険者ギルドで問題を起こしている為に本気で滅ぼそうと思えばできるというのだ。


戦いたくない冒険者のオルティガンとセルマがナイトの冒険者ギルドからエデンの冒険者ギルドに拠点を移住した為にA階級(クラス)レベルの冒険者がフェンナント王国には存在しなくなったからだ。


せいぜい、金やコネで成り上がった成金冒険者でC~D階級(クラス)の冒険者レベルなので普通に何とでもなるというのだ。


それに魔王・レッドクリムゾンが復活したら復活した際の生命エネルギーが必要になる。


大量の人間の魂をエネルギーとして奪う為に真っ先に近くに大量の人間がいるフェンナント王国が狙われるのは明白である。


それに貴重な魔石も上位悪魔クラスになれば作るのは容易である為に魔王・レッドクリムゾンが復活してもおかしくないという見解だった。


ならば、何故魔族はレッドクリムゾンを復活させないのかと尋ねると人差し指で頭を叩いて、てパッと開いたのだ。


つまりは知性があまり高くない魔王ゆえに復活させるのに躊躇しているのかもしくはただの暴れる【だけ】のドラゴンに興味がないかも知れないというのだ。


ただ復活させればその破壊力はバカに出来ない為にB階級(ランク)の実力の頭数をフェンナント王国以外で増やしたいという目論見があるからだと目的を語った。


その頭数に自分等も含まれていると話すと、エレーナがドラッグの串焼きを横取りし、リザーナは知らぬ間にスープを飲み干していたのだ。

いつも読んでいただきありがとうございます。いいね・ブックマーク等もよろしくお願いいたします。


誤字脱字報告も受け付けています。何卒よろしくお願いいたします


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ