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第23話【 港街の都市・ポートフォリオン到着 】



 海に近い港街の都市・ポートフォリオンはエデンの街よりも高い城壁目についた。何よりも城壁周りには広い草原が広がっていたからだ。 魔物や魔獣が出る中でこれだけ見晴らしの良い草原は生まれて始めてみたからだ。


ドラッグにはただの麦畑だと言われたが、 気分が高揚していたのか脚を早足で進めようとすると、リザーナが定位置の首に飛び乗ってきたのだ。


リザーナもエデンの街から他の街に行ったことなかったためにキラキラと目を輝かせていると、城門の前にもカウボーイハットから付き出した耳に狼のような顔、そして銀色に輝く尻尾が目立つ獣人が立っていたのだ。


ドラッグが気が付いて手をあげると、牙を見せ笑みを向けてきたのだ。


「お前が港街の都市・ポートフォリオンに滞在すると聞いた時は耳を疑ったぞ? それにミノタウロスの件も本当だったのだな・・・」


「まぁな。コイツがミノタウロスのミックス。蛇身(ラミア)のエレーナ。こっちがこいつらの魔物使い(テイマー)のリザーナ。後ろにいるサキュバスがガーベラ。ドライアドとアルラウネの混合種のフェローラは俺の女。 んで、今は臨時パーティーを組んでいるぜ?」


ドラッグはこの狼の獣人が港街の都市・ポートフォリオンのギルドマスターフォルトだと紹介してくれた。


港街の都市・ポートフォリオンの城壁内部は階段のような作りになって居住区が建てられていた。

これは津波対策であり、冒険者ギルドの近くには訓練場兼避難所の広い場所があるというのだ。

冒険者ギルドで馬を借りて商人と別れた後に冒険者ギルドの扉を開けるとエデンの街のギルドよりも殺伐とした雰囲気が漂っていた。


ドラッグ曰く港街の都市・ポートフォリオンはエデンの街の冒険者達よりも多少強い程度でエデンの街まで護衛程度なら何とかこなせるレベルの冒険者が多いというのだ。


当然ながらドラッグは悪い意味で有名人であるが、ミックスやエレーナらがいる為にギルドマスター室では手狭なのでギルドの大広間で立ち話になってしまったのだ。


他の冒険者も興味があるのか聞き耳を立てるが、変な事をしてくる輩は相当なバカだろう。


階級(ランク)冒険者で実力者であるドラッグがいる上にギルドマスターフォルトと魔王・レッドクリムゾン復活について話をし始めたからだ。


「巨人族が魔族側に加わり、魔王・レッドクリムゾンの復活を企んでいるか・・・。

人間嫌いなドラッグがこのポートフォリオンの滞在する事を考えると本当だろう? お前の性格上な・・・」


「流石に頭数が足りねぇし、何よりもフェンナト王国の騎士団も籠城する可能性あるし、戦力が欲しい。

んで、このリザーナらに【肉体強化】と【武装強化】の魔力操作を教えてやって欲しい。

条件通り俺はくそ生意気なガキをシめればいいんだろ?」


港街の都市・ポートフォリオンには冒険者や聖騎士団への入隊を希望している子どもらが通っている実戦訓練学校があるそうだが、そのうちの一クラスが問題児であり、手を焼いているというのだ。


・・・といっても冒険者を引退したC~D階級(クラス)で冒険者を辞めてしまった者が指導者をしている為に実力があれば勝ててしまうのは当然であるからだ。


少なくともこれで冒険者や聖騎士団を舐められては色々と困るからだ。

本来ならばギルドマスターのフォルトがどうにかしなければならないがそれでは効果が薄い上にB階級(ランク)冒険者に依頼しようにも受けてくれる人物が見つからないのだ。


港街の都市・ポートフォリオンには階級(ランク)の高い冒険者が長くは滞在しないというデメリットのせいでもある。


少なくとも、ある程度実力者が着けば、魔獣と剣闘士が戦うコロシアムがある【グランディア王国】で剣闘士に転職したり、東の荒野地帯を抜けた先に【迷宮王国・ゴーンロマンス】という迷宮(ダンジョン)が多いことで有名な王国に近い港町へ船で向かってしまうからだ。


その為に港街の都市・ポートフォリオンの冒険者のレベルは低い為にその救済措置のために作られた学校で問題が起こった所にドラッグらが来たというのだ。


ドラッグなら生徒相手に手加減せずに戦うことも出来るし、権力者の子供であろうが問答無用で叩き潰せるからだ。


何せ、フェンナト王国の国王の顔面に蹴りを入れて痰を顔に吐きつけて護衛職(ガード)達を蹴散らしてしまったという大事件を4年前に起こした問題児であり、実力的だけでいえばA階級(クラス)の上位に組み込む程の腕っぷしがある為にピッタリな人材であるからだ。


ドラッグがその問題児達の名前を聞くと納得したような顔を見せたのだ。


リザーナらはフォルトに任せてドラッグは問題児達をどうにかする約束をし、フォルトと握手をすると掌に拳を当て音を鳴らすとどう痛め付けてやろうかと悪い顔をしていたのであった。

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