第210話【幻獣神・ジズ(3)】
グリオンが飛び去ったのを確認するとジズはホッと一息ついた。悪い男ではないが真面目すぎて融通がきなかないのが悪いところだと愚痴をいうが、女王として幻獣神としてそれはどうなのかと訊ねるがそういったことを気にせずに皆が楽しく暮らせる国で小説家になりたいと子どもようにいう。
取りあえずはクロニアス王国に事情を話してマインに来て貰う必要がある。すると、ジズは俺の戦斧に触れると幻獣神の力を勝手に授けてしまったのだ。
「試練はいいわ。ただレッドクリムゾン倒すのに30階層以上の迷宮ならカルディナ山脈にあるわよ?」
「取りあえずこれでゴーンロマンスと合わせて4つは見つけられたか・・・」
「ウフフ、それにしても面白い国を考えているのね?ルイちゃんとリザーナちゃんは・・・」
「まぁね!もしかして『クッ殺せ!貴様の○○○には屈服しないぞ!!』の作者の『ピクシー・シルバー』なの!?」
そう言えば初めてリザーナと出会った時に女エルフの間で大人気だと言っていたのを思い出した。
ちょっと待ってミノタウロスのイメージの元凶は幻獣神だったのよとため息をつく。すると、アステリオスが実際閉じ込められて若い頃は本の通りだったぞ?と言われて頭が痛くなって来た。
現に獣人であるフォルトとの恋愛話から妊娠するまでのエピソードをレミーラに聞いてメモを書いている。
ルイや他の子ども達には生々しい話だが、ここの子ども達は差別をしない為に獣人でも人間でも仲が良い子ども達は多くウザキ獣人の女の子が男の頬にキスをしたのだ。
ジズはここは私にとっての楽園だと喜んでいた。まぁ、ドラッグにディオス、レミーラとネタ提供者は多いためにルイを連れてクロニアス王国に向かうことを話すとリザーナパーティーとレオーネが行くことが決まった。
圧縮転移魔法陣盤を利用してクロニアス王国に久しぶりに訪れると丁度マインがクロニアス王国の騎士団と魔物討伐をしている所だった。
以前よりも剣術の腕前を上げているようだ。以前上げた地竜シリーズの武具一式も似合うようになっている。
魔物討伐を1通り終えひと息着くとこちらに気付いて駆け寄ってきた。
「ミックスさん!メルディアさん!エレーナさん!リザーナさんもお久し振りです!クロニアス王国にご用ですか?」
「用といえば用なんだが、マイン、確認なんだがダークエルフやアマゾネスを嫁にしたい気持ちはまだあるか?」
「そうですね。ターシャさんの話では強い男や見込みがある男にしか惚れない種族は個人的に好きですよ?」
気持ちが変わっていなくてよかった。事情をクロニアス国王にも話したいために城にいっても良いか訊ねるとマインは快く承諾してくれた。
圧縮転移魔法陣盤を利用して城の入り口に設置した為に往き来が楽になったが悪用されないように信用あるものにしか渡さずに連れてくる人間もしっかりと見極めてから連れてくるようにしているとマインは話してくれた。
クロニアス城に訪れて久しぶりに国王と王妃に挨拶をしてポートフォリオンに新たな国を建国する事と幻獣神・ジズが現在ポートフォリオンにおり同盟を結ぼうとしている事を伝えた。
クロニアス王国は友好国であるが、今回の一件にダークエルフとアマゾネスの部族が絡んでいる為にマインの嫁になる者がいる可能性があるので同盟に参加しないかという相談を持ち掛けた。
国王は息子であるマインをじっと見つめて熟考していたが、いつの間にいなかなっていたリザーナが王妃に何か話している。
すると、王妃は驚いた表情をし、マインに是非ともいってきなさいと宣言したのだ。慌ててリザーナの首根っこを掴んで何を言ったのか訊ねると王妃もジズが書く恋愛小説や官能小説のファンであることを知っていた。
国王は王妃に良いのか?と訊ねると咳払いをしてダークエルフやアマゾネス、更には幻獣神と友好的になる事は国としても悪いことではないと告げる。そして、マインの目をしっかりと見つめた。
「それにダークエルフやアマゾネスは王妃として相応しい種族です。強い男は国の王に相応しい証拠です。マインに国を継ぐ意志があるのであればそれを尊重するべきです!」
「…それを小説のネタして書かれるのを楽しみにしてるのは関係ないのだよな?」
「も、勿論です。出来れば息子の武勇伝として恋愛小説が書かれるのであればそれはそれで…」
「マイン。儂も無理には言わん。だが、いい経験になるだろう。どうだ?いってみてはミックス殿らいれば大丈夫だろう」
国王はマインの意思を尊重するといい俺達に任せてくれるといってくれたのだ。マインはターシャに言われた強い男になる為に鍛練を欠かさずにいた。
今の自分がどれほどできる限りのか試してみたいという決意を決めた。
国王からも許可が出た為に一度、ポートフォリオンいる幻獣神・ジズに会わせて迷宮に挑む為戻り次第こちらにお送りする事を約束してポートフォリオンにクロニアス王国・王子のマインを招待した。
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