第205話【お帰りリザーナ】
ガルーシャ大洞窟は生産を停止し、リリスは暫く真っ直ぐ歩いていくと目の前には活動を停止しした魔導ボイラーがあった。
柄を握り締めて戦斧で破壊すると元のミノタウロスの身体に戻してくれた。
「特に身体には違和感はねぇがあの必殺技は何なんだ?」
「簡単に言えばサキュバスは精液。吸血鬼血で服従の契約をするんだけど今回の場合は使い魔の血と魔力を混ぜ合わせる事で力を増幅させる事できる応用技みたいなものよ。戦斧の混血自身はただの武器強化って感じね」
「つまりはリザーナの魔力と俺の魔力が混ぜ合わさって強力になった感じか?」
「まぁ、アレだけの力があれば普通に振るって当てるだけでも強力だしね。大地魔法や暴風魔法。火炎魔法や雷鳴魔法とか組み合わせれば自然災害級の破壊力は保証するわ?」
リリスはそういうと宝物の間を指差した。ここでお別れだといい、身体をリザーナに返すというのだ。
ただ最後にまた次があったらプリンが食べてみたいとリクエストを受けた為にその時は必ず作って食べさせてやるというと微笑んだ。
すると、リザーナの心臓部分が光輝き始め、身体を少しだけ宙に浮き、光が収まると地面を落ちそうになるところを受け止めた。
リザーナは目を見開くとおはようと気の抜けた声を出してきた。こっちがどれだけ心配したか気も知らないでいい性格をしていると呆れてしまった。
それはエレーナとメルディアも同じだったようで近付いてリザーナの頬をつねった。
「ワタシらに相談なしに勝手しやってぇ~心配したんだぞ?コラァ~」
「ウチもやで?一言ぐらい声掛けても良かったやん?」
「ごめんにゃはい…」
リザーナも何も言わずに勝手に実行したことを素直に謝った。だが、奥の豪華な装飾がされた巨大な扉に気が付くと「お宝!」と飛び起きエレーナに抱き移るとエレーナに向かうように指示を出す。
すると、後方で戦いを見守っていたディオス達も近付いてきて労いの言葉を掛けてくれた。
「何かさっきまで妖艶な魔王だったのにいつも通りのリザーナになったな」
「まぁな。だが、リザーナは我が儘な方が俺は気が楽出井いよ」
「完璧な主従関係できてるな。てか、結構魔力吸い込んだみたいだが身体は平気なのか?」
「レヴィアタンの宝玉のお陰で何とかな。先に試練を攻略しておいて良かったよ・・・」
レヴィアタンの試練で手に入れた宝玉は幻獣神・レヴィアタンの世界を滅ぼす火炎の力の一部が宿っている。影と火炎の支配者・バルバゴールドの火炎魔法もこれのお陰で魔力として吸い込む事ができたのだ。
リザーナが騒ぎ早く来るように声を出した。
この何も考えてない能天気な感じがいつものリザーナが帰ってきたなと実感し、宝物の間に足を踏み入れた。
中は黄金や宝石類で埋め尽くされていた。ドラックとディオスは兵器開発に関連する物を物色していたが、迷宮を初めて踏破した。ルイとレオーネは部屋を見渡しベラドーナもドラックと踏破したダンジョンよりも褒美がいいと愚痴をいっていた。
魔核収納に黄金や宝石類を次々にし舞い込んでいくとリザーナが迷宮踏破の証であるコインを見つけた。
リザーナがコインを手に取ると台座が動き始めて地下に続く階段が姿を現した。
どうするか話し合う前にリザーナはお宝を全て魔核収納に収納したら向かうと即断した。
「お前なぁ~ここ魔族が利用してた迷宮なんだぞ?もっと危機感をもって・・・」
「大丈夫だよ。武器になっても私の事は絶対に護ってくれるんでしょ?エレーナにメルディアがいるから私は寂しくないもん」
「まぁ、リリスも悪くなったが俺には我が儘なエルフの世話が性に合っているみたいだわ・・・」
「フフン。そこはお母さんに似たんだよ!後でディオス様の面白い話聞かせてあげるね!」
すると、ディオスがそれを耳にしてリザーナに何を話すのか訊ねると結構ディオスはやらかしていたようで話題がたくさんあるようだ。
「リーファンのヤツ娘に何教えてるんだよ・・・」
「そう言えば、ママとの間に子どもいないの?」
「あー、頑張ったんだけどな?エルフは妊娠しにくい体質だからな。出来なかったんだよ」
「私のお父さんより夜の営みは上手だったのにて嘆いてたよ?私産まれてからお父さんが不能気味で欲求不満で良くはなして知ったよ?」
「おい、エルフ族大丈夫か?それともリザーナの家庭が特殊なのか?」
リザーナの爆弾発言にディオスは吹き出してマリアンヌが頭を押さえながらため息を着いていた。ドラックも自分と関わりのある人物なので魔族や魔物相手でも満足させられる遺伝を受け継いでるんだなと呟くとベラドーナが頭を叩いた。ルイはレオーネに耳を塞がれて聞こえていなかったようだ。
すべての財宝を手に入れて地下に続く階段を下っていくとモンスターウェポンの研究記録と神々の地についての研究資料などがあり、奥にはおそらくはこの大洞窟で研究をしていたのであろうガルーシャの遺体が椅子に座ったまま放置されていた。
ディオスが魔法でガルーシャを弔うとテーブルの上に置かれていた本を手に取ると魔族と契約するまでの日誌であった。取りあえずはいったん全て魔核収納に纏めて入れ懐かしきポートフォリオンに向かって転移したのであった。
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