第200話【神殿攻略 魔王と勇者の役割り】
「これでわかったでしょ?今、貴方達はマリアンヌとルイから支援魔法で強化されている状態の筈よ?それでも倒すどころか傷一つ着ける事ができない」
「マジか、ちょっと予想より攻略難易度高かったか?」
「ディオスは魔族を舐めすぎてるし、勇者の存在事態魔族寄りなのを知らないの?」
「何それ?俺知らねぇんだけど?」
神の中でも若輩者であるディオスが知らないのも無理はないだろうとリリスはため息をついた。
そもそも魔王を討伐するというのは建前であり、実際は異世界人から得られる文化的利益のがほかの神々に取っては発展される事に貢献できるからだ。
しかし、魔王を討伐するする『だけ』に呼び出された勇者は戦闘のみであり、文化的発展よりも神々の支援によって成り立つ存在である。
何よりも神の力は強大であるために勇者や聖女という力の象徴のような称号を地上に伝えて信仰心を増やす目的もある。
だが、普通の人間の身体では到底耐えられることが不可能なである。
その為に身体を強化しやすく力を与えやすい異世界から魂を呼び寄せたり勇者召喚と称して異世界人を呼び出す方法が取られていてるというのだ。
魔王はあくまでも発展されせる能力の低い異世界人を何とかその世界での貢献に役立てる為の存在に過ぎない。
「平和な世界に勇者は必要ないでしょ?だから、私達魔王がそれぞれの世界で悪さをしているのよ。まぁ、そもそも魔族はそういった組織としては向いてないんだけどね。ガーベラみたいに人間との契約が普通だからね?」
すると、ドラッグは「俺はガーベラを呼び出したが契約はしてない」と尋ね返した。
ガーベラはサキュバスであり、夫婦の契約と身体の関係が契約として成立しているらしい。
サキュバスや吸血鬼は願いを叶える為の力を貸す対価として血や精液を求める。
だが、魔族の対価は命その物である。ここに集められているあの世からも弾かれた勇者の魂も対価として充分に価値のあるものだ。
「ああ、そういうことか。目論見誤ってたな。確かに俺らじゃ勝てないわ」
「ドラッグ。私達にもわかるように説明してくれる?」
「契約者の格差ってヤツだな。俺はガーベラと夫婦の契約をして精液を与えてる変わりに生かされてる。だが、それが魔族同士の契約だとより強い魔族に絶対服従の忠誠する事強大な力を得られるって教えてもらったことがある」
ドラッグが腕を組んで禍々しい魔力の持ち主はおそらくは上位魔族であり、魔王にも匹敵する力をもっている可能性が高いと焦りを見せた。
実際にリリスも魔力に覚えがあり、影と火炎の支配者と恐れられた火炎の悪魔・バルバゴールドだという。
影と火炎の支配者の名を聴くとドラッグ、ベラドーナ、レオーネ、ルイは難しい顔をした。
「影と火炎の支配者・バルバゴールドかぁ~ 魔族の中でも大魔族として伝えられてる伝説の悪魔やね」
「そうよ。本来ならばこんな場所にいるべき魔族じゃない。火炎魔法も強力だけどこの黄金はバルバゴールドが魂を糧に作り出しているものよ?」
「どうしますか?ディオス様。流石に魔王に近い悪魔を相手にするのは・難しいかと思われますが」
「上級悪魔の中でもトップクラスとなるとキツいかもな。俺も護りに魔力使わねぇと全員無事に帰れるとは思えんな」
元とはいえ聖女であるマリアンヌとその力を持ってるルイ。そして、薬神であるディオスが真面目に護らなければならないほどの魔族がここのダンジョンボスなのだろう。
それに黄金の狂戦士もまだいるし、それよりも強化されたものもいるかもしれない。
確かにもしも、リザーナに任せていたらおそらくパニックになってしまい戦えなかっただろう。
少なくとも今後の迷宮攻略の際に魔族が関与してくる可能性は非常に高い為にリザーナの身体を魔王仕様にする必要があったとリリスは告げる。
何よりも武骨で荒々しい魔力と腕力を持つミノタウロスをモンスターウェポンとして扱えるリザーナは自分を越える魔王にもなり得る存在であると誇らしげにいう。
「だからここは私とミックスに任せてくれるかしら?少なくともメルディアやエレーナはリザーナの支援する役割があるけど」
「まぁ、何とかやってみるわ。流石にリザーナはんやミックスはんだけに任せてぱなしは嫌やしな~」
「アタシも出来ることは全部やってリザーナ達の役に立ちたいぞ!」
二人は即座にリリスの問い掛けに返答してくれた。少なくとも二人ともリザーナを娘や妹のように可愛がっている為に危険な戦いに一人で向かわせるのに難色を見せていた。
前は常に俺がリザーナを背負い戦っていたが、今はただの戦斧に過ぎない。力を貸す事は出来ても護る為に戦うことは出来ないのだ。
もどかしいが、ミノタウロスではやれることに限界がある。ならば、モンスターウェポンとして最大限リザーナの矛として盾として立ち回り支えてやる事しか出来ない。
それぞれが思いを持ち、ガルーシャ大洞窟の中心部を向けて攻略を再開したのであった。
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