第199話【神殿攻略・リリスの性格】
神殿内に突入すると、リリスは戦斧の柄の部分を調整し、中でも戦いやすいサイズに調整すると先攻して内部の機械兵と黄金の甲冑を次々と蹴散らしていく。
「この辺りの雑魚じゃ物足りないわ。ディオス、早く案内しなさい」
「了解です~ 」
「で、ディオス様!神として威厳が・・・」
「無理だな。神として威厳がとか以前に『俺個人の問題』でリリスに逆らえないんだ」
ディオスは手を振って無理とハッキリと言った。理由はリリスが話してくれたが、ディオスの嫁であった吸血鬼のリーナはリリスの実の娘だというのだ。
そして、【魔界皇帝】ベリアルの侵略戦争によって亡くなってしまった。毒の魔女として人間と仲良くなりたいという変わり者の吸血鬼。
そして、その吸血鬼を愛して夫婦になったのがディオスである。
何よりもディオスは薬神であるが、多種族を差別せずに助け嫁も人間は誰一人として取らなかった為に差別をしない神として受け入れられた。
「それにリーナが亡くなった時に勇者は見殺した。んで、弱すぎてベリアルに殺された。ベリアルを封印したのはリリスと俺だからな?」
「ディオスは我々を魔族同士で争わせた張本人でもあるからね。何よりもディオスは契約で逆らえない。例え神になったとしてもね」
「まぁ、結局は二人とも仲良く死んだけど、こうやってまた会えたから何があるかわからねぇもんだなぁ~神になっても不思議な事もあるもんだ」
「まぁ、そうね。そろそろ皆が描くリリス辞めてもいいかしら?」
どういう意味だとお互い顔を見合わせていたが、ディオスは少し困った表情を見せた。そういえば、性格がリザーナに似ていると言っていたと思い出した。
すると、ディオスがため息をついて側に行くと、ディオスの背に乗り出した。
リリスはディオスの背中でだらけ始めた。ディオスはリリスの変わりに戦斧を持ち、昇降機の近くまで運び全員が乗った事を確認するとスイッチを押して下降し始めた。
「ディオス~ 私、頑張ったよねぇ~ もうちょっと頑張るからねぇ」
「はいはい、わかってますよ。もうちょっとなんで頑張って下さいね?」
「で、ディオス様?そのリリス様って・・・」
「一応イメージ通りのリリスを演じてたけどこっちが素だな。 基本的に我が儘で堕落した性格だからよっぽどの事がないと自分から動かないぞ?」
ディオスは魔王の中でもリリスを信用していたのは性格を理解し、付き合いがあり少なくとも面倒見のいいミノタウロスを気に入るからだと信じていたからだ。
そして、何よりもこの地に産まれた勇者も異世界から来た勇者は【破壊の邪竜】レッドクリムゾン、【復讐者の巨人】オルガ率いる巨人の戦士達 【迷宮の支配者】ミノタウロス 【女魔王】リリス 【魔界皇帝】ベリアルを討伐したことは一度もない。
この地に召喚された勇者も選ばれた勇者も民衆を安心させるための神の傀儡でしかなかったからだ。
「で、ですが、私達のパーティーはレッドクリムゾンを封印しましたよ!?」
「何で討伐じゃなくて封印だったの疑問に思わなかったのか?勇者と聖女の力。それにガウスの爺さんが造った聖剣や様々な加護を授かった武具の類いを身に纏ってギリギリ封印できる位までしか武具も魔力も持たない」
「そ、そんな事って・・・」
「まぁ、見てろって神が選び力を与えた勇者『ごとき』じゃあ魔王にゃ勝てねぇって現実がもうすぐ見えるぞ?」
昇降機が地下に下がっていく間、ディオスの背中で甘えていたリリスであったが、目を見開いてディオスの背中から降りると、直ぐ様蝙蝠の羽を生やして昇降機から飛び下りた。
そして、近くにいた大型の機械兵相手に戦斧を振り下ろすとその場にいた敵を片っ端から蹂躙していく。
すると、奥から地響きがし巨大は黄金の鎧を纏い巨大な剣をもった魔物が姿現した。
黄金の狂戦士と呟くと持っていた巨大な剣に炎が纏わり始めた。
おそらくあれがリリスが言っていた異世界から来た勇者の魂で造られた魔剣だろう。
禍々しい魔力を纏っているのを感じ取れたが、リリスは柄の部分を肩に置くとじっと見つめてた。
少し残念そうにハズレといい意図も簡単に黄金の狂戦士の巨大な魔剣の剣身をへし折ってしまった。
そして、黄金の狂戦士の鎧に触れると黒い瘴気の魔素に変えてしまった。
そして、そのまま口に含み、自らの力にしてしまったのだ。
「リザーナが考えた【暴食の戦斧】だけど元々は私が相手を魔素に変えて吸収する技だったの。ここなら勇者の魂や魔力をもった魔剣があるからもっと私らは強くなれるわよ?」
『それいいんだが、本当に黄金の狂戦士が強いのか俺にはわからん』
「んー、じゃあ、一体だけ残すからディオス以外のメンバーで戦ってみなさい? かなり厄介な造りしてる筈だから」
リリスは目の前から来る大型の機械兵と破壊するとすると、五体のうち四体黄金の狂戦士を魔素に変えて吸収して後方にいるメルディア達に任せる為に空に飛んだ。
エレーナが先手必勝と叫びながら得意な爆発魔法を浴びせるが爆煙の中から無傷のまま突撃していく。
ベラドーナの火炎魔法も効かず、レオーネの剣撃やドラッグの煙管での鈍器攻撃でも傷一つつける事ができない。
何よりもレッドクリムゾンを一方的に痛め付けていたメルディアの大海魔法が効果がない事に戸惑いを隠せなかった。
あのメンバーでも傷一つ着ける事ができないなんて予想できなかった。
流石に不味いと思ったディオスが樹木魔法を発動させて樹木を巻き付けて拘束し、腰に着けていたショートソードを引き抜いて腹を突き刺して倒した。
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