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第194話【神殿調査報告】



神殿から戻って来たメンバーはディオスをマジマジと見ていた。目当ての場所であった『昇降機』まで簡単にたどり着いていてしまったからだ。

 ディオスは懐から大雑把に書かれた紙を取り出して説明を始めた。

 

「まず昇降機までの道のりはほぼ機械兵と黄金の甲冑(ゴールデンナイツ)が多かったな」

 

「昇降機ってエレベーターってやつ?皆乗ったの?」

 

「乗ったぞ!すげぇ速かったぜ?ただ、下のが厄介だな。上に登ってこれねぇデカイのが結構いたし・・・」


「ありゃ、アドディア帝国のゴーレム兵器で間違えない。 何処で製造されてたのか天界でもわからなかったがまさか迷宮(ダンジョン)内で製造するとは魔族も考えたもんだな」

 

 天界でもアドディア帝国が魔族と手を組んで領土拡大をしていることを危険視していたが、肝心の魔族が誰でどのようにゴーレム兵器を送り込んでいたのかわからなかったらしい。実際に地上に降りて確認しなければならないほどの出来事なのだろう。

 

だが、ディオス自身は久しぶりのシチューはパンを美味そうに食べている。

 

「天界だと腹減らないからエールとか果物くらいしか娯楽ねぇんだよ。 魔族の足取り調べるついでにちょっとな~」

 

「本当に神様なの?何かドラッグの性格そのままじゃない?」

 

「ドラッグは俺の血縁だからな。魔族の女好むとか俺によく似てるわ。俺は『毒の魔女』と結婚して孕ましたりしたな」

 

「ディオス様、流石に食事中にそれはダメですよ?」


 従者であるマリアンヌが止めたがリザーナとルイは興味津々であった。ディオスの嫁は三人で一人目が毒の魔女と呼ばれた吸血鬼。二人目がハイエルフの奴隷。三人目はアマゾネスだったという。

 

 ドラッグの異種族の女好きはディオスの血筋だろうと感じてしまった。

 

 そもそも、ディオスは多種族との交流と生前は当たり前にしていたが他の人間からは理解されなかった事が多かったらしいが、そもそも周りの人間の事など病以外では興味がなかったらしい。

 ディオスはマリアンヌの殺気を感じて咳払いをして昇降機を下った場所のいる機械兵や黄金の甲冑(ゴールデンナイツ)は変異種で上にいるものよりも強いと話を変えた。

  

「厄介な場所だったな。『あの世にいけない魂』がまさか迷宮(ダンジョン)に居着いて機械兵や黄金の甲冑(ゴールデンナイツ)に憑いてるとはなぁ~」

 

「その『あの世にいけない魂』と機械兵の製造と関わりがあるのか?」

 

「あるぞ?高性能な知性型ゴーレムを造るなら人間を素材にするのが手っ取り早い。だが、魔族は魂をそういった物に憑依させる事は可能性だ。 んで、その『あの世からも弾かれた魂』っていうのはあの世からも神からも見捨てられた生物の魂だな」

 

「けど、普通はそのままレイスとかゴーストとか実態を持たない魔物になるんちゃうんか?」

 


  メルディアのいう事は間違ってないとディオスは頷く。 問題なのは『あの世からも弾かれた魂』であるというのが大きな違いだというのだ。

 レイスやゴースト、アンデッドなどは『この世に強い未練』があり魔物になる。

 

 だが、『あの世からも弾かれた魂』というのは神からも冥府からも弾かれた存在である為に別の生き物に生まれ変わる事も取り憑く事できない魂であるという。

 

 いってしまえば、神々から嫌われあの世で罪を償うことも赦されず、転移や転生を禁じられた魂であるらしい。

 

 その魂は本来であれば、冥府よりも深い深淵に封じ込められている筈だがどういう訳かこのガルーシャ大洞窟の機械兵や黄金の甲冑(ゴールデンナイツ)の機動力として利用されていると告げられた。

 

「まぁ、下級の神々が勝手に裁いて、その星の創造神って存在が最終的にきめるんだが、クズっていうのは何処にでもいるんだ。んで、他の異世界を魂を纏めて封じ込めてるわけよ」

 

「つまりはその魂を魔族に奪われてしまって逆に利用されているって事か?」

 

「おう。んで、その異世界の魂を封じ込めてる場所っていうのが裏と表の世界な訳よ。つまりはミックスの魂はそっから迷い込んだ可能性はあるな」



 ディオスの話では『勇者召喚』や『異世界の住人』を転生・転移させる際には『裏と表の世界』を利用して呼び出した世界へ召喚される。魔族はその『裏と表の世界』で彷徨っている魂を魔界から迷宮(ダンジョン)に呼び集めているのだろうと予測しているようだ。

 

 そして、そういった魂は性格や行動に難があるが、物理的に強い為に厄介だという。

 

 中には元・異世界から勇者の魂や集団召喚された魂もいるために特別な力を操る事には優れている為に機械兵や黄金の甲冑(ゴールデンナイツ)の魂に最適であるからだと告げた。


ガルーシャ大洞窟の地下は急激に強くなる為にリリスの力と魔王級の力を持つメルディア。

そして、上位冒険者級のこのメンバーと神々の力でようやく踏破できるだろうと見ていると語った。


 そうなってくるとこの地上に上位魔族がどれだけいるのか想像も着かなくなってくると頭を悩ましていた。

 

 仮に悪魔召喚の生け贄として使われている魂が『過去の勇者』であれば禍々しい魔力と独裁者のような思想を持つ魔族が多くなる為に魔界皇帝・ベリアルよりも強い魔王が誕生している事も考えなければならない。

 

だが、勇者に敗北し、封印されているベリアルはその魂を糧により強大な力を着けている可能性も捨てきれないと自身の最悪の予測にため息を吐く。


 

 

 

 


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