表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

189/216

第189話【ゴーレム製造神殿ダンジョン】



【迷宮の王】のスキルはダンジョンの心臓である迷宮の魔核(ダンジョン・コア)に直接命令を下せるスキルである。それは迷宮(ダンジョン)に取っても利益があるからだ。

 

 少なくともアステリオスから訊いていた話と今回のガルーシャ大洞窟は条件が一致している事が多過ぎる。

 周りを見渡してゴーレム達の目である魔石を発見してそれを握り潰した。

 

「これでゴーレム達はここにはやってこない。目を潰したからな」

 

「ゴーレムは魔力感知で攻撃を仕掛けてくるんじゃねぇのか?」

 

「いや、この神殿内にある魔石の微弱な魔力でこちらの位置を把握しているようだな。どうにもガルーシャ大洞窟は完成された迷宮(ダンジョン)になりつつある」

 

「完成された迷宮(ダンジョン)ってどういう意味や?」

 

「ここでゴーレムの研究をしてその結果迷宮(ダンジョン)になった。そして異世界の知識を得たことで求めていた理想のゴーレムが製造できる場所になってるんだ。普通なら冒険者を呼び込むために色々と浅い階層を使って人をおびき寄せてダンジョンの養分にする。そうすることでダンジョンボスの力になるからな」

 

 ガルーシャ大洞窟ではモンスターウェポンの研究をゴーレムでしていた。つまりはゴーレム製作で兵器開発を取り込んでいたが何らかの原因で迷宮(ダンジョン)になったというならその製造者や研究者の誰かが魔物や魔獣になりダンジョンボスになった可能性が高い。

 

 少なくとも半分は人間であるミノタウロスであるために人間を魔物や魔獣に変える術はいくらでもある。

 トビアスのように身体に大量の魔力を含んだブラッドクリスタルを取り込んだり、悪魔と契約するなどいくつか候補はある。

 

 恐らくは錬金術で生物兵器を産み出した際に誤ってなってしまったと考えるのが妥当だろう。厄介なのは異世界の製造技術の知恵をえた事でこの神殿を作り出してしまったと言うことだ。

 

「こうなると普通のフィールドダンジョンよりも難易度は高くなるし、機械兵との遭遇率は高くなる安全に休憩できる場所もないだろうな・・・」


「え~っと、つまりはあの機械兵達を作ってる神殿がダンジョンって事?」


「雑に纏めるとそんな感じだ。権力者にとっちゃ命令に忠実で都合のいい感情の無い機械兵を持てば権力に対抗する力を制圧できる。権力に対抗できるのは民衆の力だが、それ上回る圧倒的な力で押さえ付けられる」


「つまりはこのダンジョン自体がその権力者(ダンジョンボス)にとっての理想の形って事になるのか?」


ダンジョンボスが地上出る目的がないとスタンピードは起こらない。少なくとも俺は地上に出たいが為にスタンピードを起こしていた。


元々ラビュリンティスから溢れた魔物や魔獣が島に出ていたみたいだが、ここはそうではない。


既に目的を果たしている迷宮(ダンジョン)である。恐らくはガルーシャ大洞窟はストラスの軍門に下っている可能性が高いと伝えた。


ドラッグが何故そう言い切れるのか訊ねきたが、目の前からストラスが呼び出した黄金の甲冑(ゴールデン・ナイツ)が来ていたからだ。ここから呼び出していたなら。恐らくはこのゴーレム製造工場も魔界皇帝・ベリアルの軍隊として利用させる為に存在している。


ストラスが許可を出せば、機械兵達はグランディア王国周辺を蹂躙するだろう。


「機械兵とは別に黄金の甲冑(ゴールデンナイツ)もいるならリリスの力がいる。俺が戦斧(バトル・アックス)なると戦力が落ちるが大丈夫か?」


「何か弱点とか無いのか?」


「魔鉄で身体が出来ているから魔法の攻撃や魔力強化も無効にされるだろうな」


「と、いう事はルイちゃんカッコいいところを私に見せろって事だね?」


「そうなるが、油断するなよ?メルディア、エレーナはサポート頼む。レオーネ達はルイを護衛してくれ。それから空中にも意識を向けてくれ飛行型のゴーレムが偵察として場所を教えてる可能性がある」


そう伝えると、再びリザーナに唇を奪われて戦斧(バトル・アックス)になる襲い掛かってきた黄金の甲冑(ゴールデン・ナイツ)を魔力に分解して吸収していく。


もしも、俺がゴーレムを作る上で絶対に欲しいのは偵察型のゴーレムだ。敵の場所を把握して数で攻め込める事が出来るのは大きなメリットになる。


何よりもこれだけ巨大な神殿内部に製造場を作っているのであれば軍事利用に使える。恐らくはここのダンジョンボスはかなりの探求心がありストラスの誘いに乗り魔獣になったのではないだろうか。

 

リザーナが襲い掛かってくるゴーレム達を暴食の戦斧(グラトニー・アックス)で次々と魔力にしていき吸収していく。安全地帯を探しつつ神殿内を探索する。


暫く奥に進んでいると機械兵の部品を組み立てている製造ラインがあった。これだけ製造されていれば国の一つや二つ滅亡まで追い詰めるのは容易い事だろう。

すると、広い場所を見つけてそこで一息着こうと、ドラッグがいい近づくと上からカマキリの姿をしたゴーレムが二体落ちてきた。


『侵入者発見!侵入者発見!排除セヨ!排除セヨ!』


「ご、ゴーレムが喋った?ど、どうなってんだ?」


「ドラッグ、異世界の知識でこうなったんじゃないかしら?」


「取りあえずぶっ壊してやる!」


リザーナが前に出るとカマキリのゴーレムは合体して4本の鎌を高速回転されて突撃してきたが、リザーナは斧刃を伸ばしてそれを粉砕して見せた。かなり戦い慣れしてきている様子だ。

すると、奥に扉があり開けると、中は巨大な図書館であった。




良かったらいいね・ブックマーク宜しくお願いいたします。


誤字脱字等の報告も承ってます。何卒宜しくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ