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第181話【神々の神託(1)】



 怪物化したトビアスを無事に倒して安心して眠ってしまったリザーナを介抱していると、ずっと王座に座っているグランディア王国の現国王であるザボン王が気になったのか。

 

ドラッグが崩れた瓦礫を足場にして駆け上がり側に立った。

 

「何でグランディア王国がエリクサーを求めてたかと思えば特にくたばってんじゃねぇかよ?」

 

「多分、アルムニス。いや、ストラスが傀儡として操っとったんやろうな。全く生気が感じられへんわ」

 

 おそらくはザボン王が危篤であり、トビアスは追うになるために大きな功績が欲しかったのだろうとメルディアは推測した。どの国でも王族の後継者争いはあり、トビアスは異世界から来た【勇者の力】を受け継いでいたが、その力で王としての権威を奮うのにタイジェネバーンだけでは足りないと思っていたのだろう。

 

 危篤の王を救い、トビアスは王子の地位を護る為にストラスの悪魔の囁きに誘い込まれてしまったというのがメルディアの見解だ。

 

 国の事に興味はないが王子と王、そして国を影から支えていた大司祭がいなくなったグランディア王国がどうなるかなど見当が着く。

 

 次の王になるために貴族連中がその玉座に座るために争うのだろう。

 

「まぁ、グランディア王国がどうなろうとアタシは知ったこっちゃねぇし、ここにいると面倒な事に巻き込まれる可能性もある。早いところ離れようぜ?」

 

「エレーナのいう通りだな。ルイ王女とレオーネも救出できたし、ベラドーナも無事だしな。ガーベラから圧縮転移魔法陣盤ポータブル・ワープ・ゲート貰ってるからガルーシャ大洞窟近くに安全な場所があるからそこで話そう。リザーナも寝てるしな・・・」

 

 ドラッグは腕の中で眠るリザーナの顔をみてため息を吐く。確かにリザーナがこんな状態だし、安全な場所でゆっくりと休ませてやりたい。ドラッグは圧縮転移魔法陣盤ポータブル・ワープ・ゲートを発動されると森の中に瞬間移動したようだ。

 

 すると、何も聞いていないベラドーナとレオーネがドラッグ近寄った。

 

「待て ドラッグ。今『ガルーシャ大洞窟』と聴こえたが? 」

 

「もしかして攻略するつもりなの?」

 

「ラビュリンティスに挑むのに30階層以上の迷宮(ダンジョン)を5つ踏破しなくてな。んで、どうにもガルーシャ大洞窟も異世界の知識を着けてる可能性があるから戦力が多い方が助かるんだよ」


すると、レオーネはルイに視線を向けて難しい顔をする。

 

「ルイ様がいる。危険な場所につれていくわけには・・・」

 

 そういえば肝心のルイ王女はどこにいるのか見渡すと手に暖かい感触があり見てみるとルイ王女の姿があった。心配した様子でリザーナの顔を見守っていた。


「あの私ルイっていいます。リザーナちゃんとは友達です」

 

「ああ、リザーナから聴いてるよ。リザーナはそのうち目を覚ます。慣れない事をしたからな」

 

「リザーナちゃんの呪いの事は聴いてたから女魔王リリスの過去のお伽噺とか文献を調べたりして役に立ちたかったんだけどリザーナちゃん里を追い出されちゃって・・・。それからずっと会えなかったんだ。私の事覚えててくれて嬉しかった」

 

「そうだったのか。なら、目を覚ましたら相手をしてやってくれ。きっと喜ぶだろうしな ルイちゃんを助けたいってリザーナもいってたしな・・・」

 

 腕の中でぐっすり眠ってしまっているリザーナは今どんな気持ちなのだろうか。全く目覚める気配はなく熟睡している。

 

 取りあえずはドラッグのいう安全な場所までいって今後の事を話し合ったらいいのではないかと意見を出すとレオーネとベラドーナは互いに顔を見合わせて同意してくれた。

 

 ドラッグも冒険者として色々と仕事がふられるようになって少し息抜きがしたいという事でディオスの依頼を受けたと言っていたが、肝心のディオスからレヴィアタンの試練以降は信託がない。

 

 取りあえずわかっている事はガルーシャ大洞窟に挑むだけでどういった場所なのか全く知らないのでメルディアに説明を要求した。

 

 少なくともリザーナが寝ている間に難しい話し合いは済ませておいた方がいいと胡座をかいてリザーナを乗せる。

 

 メルディアはガルーシャ大洞窟に入ったことないために知らないというのだ。そもそもグランディア王国の悪政を嫌い近づかなかった為にダンジョンの存在を知らなかった。代わりにレオーネとベラドーナに詰め寄られていたドラッグが話してくれた。

 

 ガルーシャ大洞窟は元々はドワーフの人工的な兵器開発をしていた場所であり、ある日を境にダンジョンになり知らず知らずのうちに迷宮(ダンジョン)に成長してしまったのだ。


ドラッグは以前オルティガンとセルマと攻略を試みたが30階層の階層主を倒せずに断念したというのだ。

 

 ダンジョン内では基本的にゴーレムやリビング・アーマーが多かったらしいがディオスからの話では大きな変化がある可能性があるらしいために調査依頼を受けたというのだ。


 ドラッグがため息を吐くと、ディオスからの信託が聴こえてきたが何やら騒がしい様子であった。

 

『ドラッグ!ミックス遅れてスマン!テメェら帰れ!!』

 

『いや、そういうわけには行きませんよ!?』

 

『そうだぞ!我々にも話す機会を与えろ!』

 

『だあぁああー!うるせぇ!黙れ!ドラッグらに信託下ろした所だぞ!?このくそ女神ども!!』

 

 薬神・ディオスが荒れていたのは天界の神々が自分の神殿に集まっているからだ。ギャーギャーとうるさい神託を神の言葉として現していいのかわからないが確かに喧したかった。

 

  すると、鍛冶神・ガルスがガルーシャ大洞窟と異世界の繋がりについてわかったことがある為に神託をおろした事と女神達はお礼の為にこの場にいることを説明してくれた。


 初めての事で困惑するベラドーナ、レオーネ、ルイは唖然とした様子であった。かなり喧しい中でもリザーナはぐっすりと眠っている。

 



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