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第179話【グランディア王国コロシアム(4)】



「ドラッグ!もしかしたらさっきの『ブラッドクリスタル』かもしれないわ!!」

 

「ブラッドクリスタル…? あれか、『人間』が材料の人造魔石か。 厄介なもん造りだしやがってバカヤロウが」

 

 観客席で見守っていたベラドーナが気付きドラッグに向かって叫ぶと、ドラッグは理解した様子で舌打ちをした。


 ベラドーナのいうブラッドクリスタルについて訊ねると普通の魔鉱石から取れるものではなく、人の命を使った禁忌の錬金術から造られる代物らしい。

 

 グランディア王国は良くも悪くも人との闘いでなりなっている国であり敗者として惨めな末路を辿った者の怨念が宿った魔石というのが正しいだろう。

 

 決して人の手では扱うことが出来ない代物であり、一度怪物になってしまえば二度と理性も人として姿も取り戻す事は出来ない。

 

 

 それにトビアスは手を出してしまった。異形な怪物へと姿を変えたトビアスは目の前にいた黄金の甲冑(ゴールデン・ナイツ)を捕らえるとそのまま欲望のまま食らい付いてしまった。

 

 すると、黄金の甲冑(ゴールデン・ナイツ)の輝く甲冑を身に纏わり付き、魔方陣の中から巨大な大剣を抜き出す。こんな人でない物を造り出したアルムニスは本当に女神を信仰する大司教なのか疑ってしまう。

 

「これならば、いくら猛者であるドラッグやレオーネでも手に追えないでしょう? そして、異世界の記憶を持つミノタウロスを手に入れられる。全く天界で見守ってる『だけ』でなにもしない。できない女神を信仰させるだけここまでの成果を出せるとは・・・」

 

「アルムニス大司教。お前は俺が異世界の知識を持ったミノタウロスだといった。それを何故、知っている?」

 

「簡単な話ですよ。貴方が通り抜けてきた『裏と表の異世界』を繋げたのは私だからです。異世界から人を連れ去り生け贄にする魔族がいたというだけですよ?」

 

 突然の事実に混乱状態であった。だが、怪物かしたトビアスが奇声を挙げてコロシアム内で大暴れし始めたのだ。こんな事態では観戦どころではないと観客らは我先にと脱兎のごとく逃げていき怒号と悲鳴が響き渡る状態だった。

 

 すると、見かねたエレーナがベラドーナを抱えて観客席から飛び降りてきた。ドラッグがエレーナにメルディアからの連絡を等とまだ時間が掛かるという。

 

「ったく、厄介な事してくれたな。アルムニス!テメェやっぱり人間じゃなかった(・・・・・・・・)のか?」

 

「その通りです。私の本当の名は『ストラス』と申します。まぁ、この国にもう用はありません。目的は果たしました。ブラッドクリスタルの研究成果も得られましたし、これならば魔界皇帝・ベリアル様の兵力として利用できますしね。 ああ、ルイ王女もお連れください。彼女ももう利用価値はなくなりましたからね」 

 

 アルムニスは背中から蝙蝠の羽根をはやし、金髪だった髪色が紫色に変色していく。アルムニスは魔族であった。そして、オレをこの世界に呼び出した張本人でもある。

 

何故、呼び出されたのか色々と訊ねたい事は山ほどあるがまずは怪物とかしたトビアスをどうにかするのが先だ。アルムニス、もといストラスは魔方陣を発動させるとこの場から消え去ってしまった。

 

「クソ!取りあえずはあのアホ王子を倒すぞ!」

 

「けど、どうやって倒すんだ? アレはワタシら魔物や魔獣とは別の存在だろう?」

 

「エレーナのいう通りだ。ありゃ、魔素の集合体でできるゴースト系の魔物とは違う。人間の怨念が魔力に交わってる怪物だろうし、俺らじゃどうしようもねぇ相手だ」

 

 珍しく焦っているドラッグの表情を見てかなりまずい状態であるのはわかるがどうにかしなければならない。すると、リザーナが角を付かんで覗き込んできた。

 

「だったら私のリリスの力とミックスの力でどうにかしようよ! ミックスが武器なら何とかなるでしょ!?どうにかしてよ!?」

 

「やれる事は限られてるか。わかったよ! ドラッグ達はリザーナの援護を頼むぞ」

 

 全てを了承するとリザーナは待ってましたとばかりに唇を奪い、戦斧(バトル・アックス)へと姿を変えた。リザーナもリリスモードの装備になり、事情を知らないドラッグらは唖然としていたが場数を踏んでいるだけあり受け入れるのも早く怪物とかしたトビアスへの立ち向かっていく。

 

「ふふん。この姿になったリザーナ様はサイキョーなのだ!!」

 

『調子に乗るな! 少なくとも厄介な相手なのは変わらねぇんだから用心しろよ?』

 

「大丈夫だよ!私に何かあってもミックスがちゃんと護ってくれるでしょ?信頼してるよ♪」

 

 簡単に要ってくれるが護る方はかなりしんどい事を話してもリザーナの頭では理解できないだろうし、こうなったらとことん護りきってやろうじゃないかと吹っ切れしまった。

 

  トビアスは巨大な大剣を振りかざしてきたが、リザーナはリリスの飛行能力の扱いになれてきてた為にこれを回避する。そして、上空から戦斧(オレ)を振りかざして思い切り叩き付けた。

 

「よーし、ミックスいくよー!!!【暴食の戦斧(グラトニー・アックス)】ッ!!!」

 

  クロニアス王国のダンジョンでオーガキングを魔力として吸収したリリスの力でトビアスが蓄え込んだ魔力を吸いだそうするがうまく決まらなかった。

 

トビアスは空を舞うリザーナを捕らえるべく、巨大な手でリザーナを必要に追い掛け回してきた。


 すると、リザーナが回避したところを激流が通過するとトビアスに直撃して巨体な身体をコロシアムの観客席に押し倒してしまった。


 振りかえると、そこにいたのは金髪美少女を抱えたメルディアの姿があった。


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