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第172話【顔合わせ】



 グランディア王国には教会の前に儀式のようのコロシアムリングがあり、国内に数ヶ所存在する。


場所によっての立場が変わり少女達の処遇も大きく変わってくるのだ。13歳の歳に儀式として同い年の娘と闘いそこからどうなるかは闘った勝ち続けた回数によって地位を確立できるシステムである。

 

 そして、グランディア王国で一番大きなコロシアムの地下には許嫁や妻を助け出す為に剣闘士になった者達が幽閉されていた。その場所に派手な格好をし、鼻の高い金髪の男の姿があった。

 

この王国の王子・トビアスは護衛を2人連れて暗い通路を通り抜けようとした際に剣闘士の男達から憎悪の目で睨み付けられながら罵詈雑言の中彼は悠々と歩いていく。

 

トビアスは強制懐柔(フォース・テイム)の使い手の魔物使い(テイマー)として才能があり、これまでも多くの剣闘士を強制懐柔(フォース・テイム)よって操った魔物や魔獣に始末してきた実績があり自信があるからだ。

 

今は強気な態度であるけんであるが自らが操る魔獣の前に必ず最後は許嫁や惚れて愛した女を諦めて命乞いする様は嘲笑って殺すのが趣味という最低な男であった。

 

 その男が狙っているのは最近入ってきたばかりの敗戦国の獣人の剣士・レオーネである。


この獣人が命を掛けてでも守りたい者こそジーニアス王国の王女であるルイであるからだ。トビアスはお淑やかや笑顔の良い彼女を気に入り側室にしたいと思っている。

 

 だが、レオーネは他の剣闘士とは比べ物にならない程強く他の強制懐柔(フォース・テイム)の使い手の者が操れる魔物や魔獣では相手にならない。正直にいえば邪魔な存在であるのだ。

 

 どうしてもルイを側室に迎え入れたいトビアスは父でありこのグランディア王国の国王であるザボンにレオーネを撃ち取った魔物や魔獣を献上した街や村を支援する事を発表しやる気にさせている。

 

 少なくともこのあ辺りの魔物や魔獣は差が激しいが大司教・アルムニスが作る魔物や魔獣を凶暴化させる薬を使えば大抵の魔物や魔獣は強くなる為に数を集めさせる為に男衆の命と引き換えに魔物や魔獣の数を一気に増やして倒してしまおうと考えていた。


 そして最奥の鉄格子の前にたどり着くと護衛にランタンで灯りをつけさせた。

 

 鉄格子の中にボロボロの姿になりながらも闘志を失っていない鋭い目付きをした獅子の獣人・レオーネの姿があり、その眼光でトビアスを睨み付ける。

 

「いい加減僕の護衛として使える気に無かったかな?そうすればルイ共々幸せになれるんだぞ?」

 

「ほざくな若造が。貴様ごときがルイ様に釣り合う筈がなかろう。幸せな日々など貴様の気まぐれで簡単に失うだろう?そんな者にルイ様は任せられん。それに我は小物に従う気は毛頭無い 」

 

 堂々した言葉で言い返したが、トビアスはこの場にいるのは北の武力国家であるアドディア帝国に滅ぼされこのグランディア王国に流れ着いた敗戦国であるという紛れもない事実であり祖国を護れなかった武人が何をいうかと嘲笑った。

 

 ジーニアス王国も異世界の勇者の血筋があるがグランディア王国のようにしっかりと受け継がれていなかった為に滅ぼされたとバカにしたようにいう。

 

 トビアスは|強異世界の勇者が持っていた制懐柔フォース・テイムを使いこなしており勇者の力を維持し続けているグランディア王国のやり方が正しいと言い放つと鉄格子に蹴りを入れる。

 

  ジッと鋭い眼光で睨むだけのレオーネを説得するのは無駄と判断すると実力行使でルイを自分の物にすると言い残して去っていく。レオーネは静かに目を閉じてルイの身の安全を案じるのであった。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

  一方でゴブリン達のおかげで無事にグランディア王国の中央都市にたどり着いたが、どこも肌を露出した格好で闘う少女達に歓声を挙げる者や負けた少女らの競りを見ていた。

 

 これがメルディアらがいっていた胸糞の悪い風習かと呆れてしまった。自分らを見てヒソヒソと話す声が聴こえたが特に何かを仕掛けてくる様子は無いようだ。

 ここに来る途中に何人か倒させて貰った為に金がある連中は命が欲しいのだろう。

 

 問題はリザーナが探しているレオーネとルイがどの場所にいるのか検討がつかない。

 

  すると、辺りが騒がしくなってきた。その場所を見ると魔獣と護衛を連れてた男が近づいてきた。その男が連れている大型の虎の魔獣と大司教が姿を現した為に闘っていた少女達も手を止めて見つめていた。周りの声からこの国の王子と大司教であるとわかりいつでも戦えるように戦斧(バトル・アックス)を身構える。

 

 そして、自分達の前に来ると飛んでもない事を口にしたのだ。

 

「ふむ。貴様らがリザーナパーティーが中々良いではないか。僕はグランディア王国王子のトビアスだ。お前ら僕の配下にならないか?」

 

余りの出来事にあぜんとしているとメルディアがお断りだと周りを飛び回る虫を払うように手を払った。それに激怒すると虎の魔獣に襲い掛かるように指示を出した。

 

 だが、虎の魔獣はこちらに襲い掛かってこようとはしなかった。何事かとトビアスは虎の魔獣を見ると唸り声を挙げるだけで飛び掛かろうとはしたようだが、先にエレーナの尻尾によって捕らえれてしまっていた。



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