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第162話【女魔王・リリスの力】

  

 部屋に海水が突如として入り込んできた事でリザーナは冷静さを失っていた。リザーナは泳げないからだ。慌てた様子で戦斧(バトル・アックス)の柄を振り、元に戻るように騒ぎ始めた。だが、戦斧(バトル・アックス)から元の姿に戻る原理がわかっていない為にこちらから元に戻る事が出来ない状態であった。慌ててリザーナの頭に直接声を掛けるがこの状態なら大地魔法で足場を作って上に上がるのが良いだろうとリザーナに提案する。

 

 だが、リザーナは魔法が使えないと何度も発動させようとするが一向に地面が浮かび上がってこない。既に小柄なリザーナの腰まで浸かっていた。海水が入り込んできた場所を見ると壁に亀裂が入る音が四方から聴こえると更に海水が入り込んできた。

 

「うわぁあぁあん!!!ミックスどうにかしてよぉぉ~!!!」

 

『クソッ!!全然戻れん!!!リザーナ自身でどうにかしろってことなのか!!?リザーナ!!いいから大地魔法で足場と穴を塞げ!!!」

 

「無理ぃいぃいい!!!泳げないも~~ん!!!うわぁあぁあん!!!ミックス~~!!!どうにかしてよぉ~!!!!」

 

 リザーナ一人では対処しきれない自体に錯乱状態に堕ちてしまっていた。こういう時にメルディアやエレーナがいれば良かったのだが、試練はリザーナを追い詰めていた。戦斧(バトル・アックス)になってしまえばリザーナを助け出すことも出来ないただの「武器」に成り下がってしまう。一緒にいても肝心な時に助け出せなきゃ意味がないだろう。


 戦斧(バトル・アックス)になった俺に必死に助けを求めるが元に戻ることが出来なければ助け出せない。リザーナに魔力を流し込む事は出来るがそれを操るリザーナ自身がパニック状態では魔法も使えない。

 

 頭上に巨大な大蜥蜴が巨大な目玉でこちらの様子を伺っている状況で最悪だ。何か打開できる策はないかと思考し続ける。

 

  海水もドンドンと入ってくる為に時間に猶予はない。

 

どうしたらリザーナを助け出せるか、考えていると脳裏に声が聞こえてきた。

 

『我に魔力を流し込むのだ。それで此奴は助かるぞ?』

 

『誰だ!?我に魔力を流し込むってどういう意味だ!?』

 

『我はリリス。主には魔力を通して直接話している』 

 

 声の主はリザーナがアルテミスから受けた呪いである女魔王・リリスであった。リリスはここでリザーナに死なれるのは自分にとっても都合が悪いためにこちらに協力をする気になったという。考えている時間も無いためにリリスに言われるがまま魔力を流し込むとリザーナの身体に魔力が纏わり始めた。

 

 すると、リザーナの衣服は露出度の高いサキュバスのような服装に身体にはミノタウロスの角とサキュバスの翼が生えてきたのだ。


突然の出来事にリザーナは困惑していた。だが、本人の意思とは別に翼を使い海水から抜け出すと巨大な蜥蜴に向かっていくと、戦斧(バトル・アックス)の刃を巨大化させて当てると魔素にして吸収してしまったのだ。巨大な大蜥蜴を倒した為か上に魔法陣が出現した。


「ミックス、なにがどうなってるの!?」

 

『わからんが、まだ試練が続く可能性はあるな・・・』


「もう嫌だよぉ~お風呂入りたいよぉ~海水でベタベタするし最悪だよぉぉ~」


『あのなぁ~ もうちょっと危機感持てよな?仮にも冒険者なんだからな?お前も・・・』


能天気なリザーナに呆れていると宝物の間の様は場所に辿り着いた。そして再び中央に紅色に光輝く宝玉が姿を表した。


「また触ったら海水と魔獣が現れるの?」


『わからん。とりあえずは俺でつついてみろ』


似たような部屋の造りであった為に警戒して中央に紅色に光輝く宝玉を斧刃に当てさせる。だが、触れた途端に宝玉がさらに強く神々しく輝き始めた。


目を閉じてしまっていたせいで気がつくのが遅れたが、どうにも紅色に輝く宝玉は戦斧(オレ)斧頭(からだ)に付属されていた。良くみれば似たような凹みが2つもあった為に同じようある三角形に凹みがあり、他の幻獣神の試練で獲る宝玉を嵌め込む場所だと察した。

今も戦斧(バトル・アックス)のままで戻ることが出来ない状態が続いていた。リザーナも似たようにサキュバス化したままである。


「ねぇ~ミックス。この試練ってこれで終わりなの?」


「わからん。とりあえずはこの紅色の宝玉が試練を突破した証か何かなら外に出られるはず・・・ん?」


奥に魔法陣が床に描かれた場所を発見し、リザーナに慎重に進むように忠告したがリザーナは「出口だー!!」と走って魔法陣に飛び乗ってしまった。気が付くと人魚の国に着いており、姿も元に戻っていたのだ。


辺りを見渡すとリザーナがいない事に気が付いた。慌ててメルディアらの方に視線を振り向くとエレーナとメルディアに半べそかきながら試練での出来事を話している様子だった。

だが、リザーナの話を訊いていたレヴィアタンは怪訝な顔を見せたのだ。


「待って。部屋に海水が入ってきたといったな?我はその様な試練を創っておらんぞ?」


「でっかい炎を吐き出す蜥蜴の部屋で海水が入ってきたもん!!!」


「ああ、間違いないぞ?途中でリリスが力を貸してくれたから何とかなったが、モンスターウェポンも解けなかったぞ?」


「んんん?我はそのような規則など設定した覚えはないが・・・」


試練を創造したレヴィアタン本人も知らないという事で首を傾げていた。すると、脳裏に呼ぶ声が聞こえてきた。声の主は薬神・ディオスであった。


 

 

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