第159話【レヴィアタンの試練】
リザーナが食べ終わり口元を拭き、いつもの定位置にリザーナを置き、レヴィアタンに作って貰った海中トンネルに向かって歩き始めていた所だ。海の中を進んでいた為に海底の上から見る光景は幻想的な景色が拡がっていた。 リザーナは見惚れていたが、進むに連れ強力な魔力を放つ場所に近づいているのが肌で感じる事ができる程だ。海中を進んでいくと目当ての【海底神殿】の姿を見ることができた。
「どうやらあそこみたいだな。レヴィアタンの試練が待ち受けている海底神殿は・・・」
「なんかミックスがブッ壊した遺跡に似てるよな気がするけど気のせいだよね?」
「俺のせいにするな。お前が指示しただろう?」
リザーナの指摘され、良く海底神殿を見てみると、地上に出てきた時に壊してしまった遺跡と似たような模様が入っていたのだ。崩壊していない神殿を見たのは初めてであった。神殿の巨大な扉に手をおき、押し開ける。
中は広々とした広間と謎めいた像が二つ佇んでいたのだ。
二人が中に入ると、扉はゴゴゴッと音を立てて閉まってしまった。試練を突破しなれば出ないという事だろう。広間にある謎の石像は悪趣味であった。一つはミノタウロスの頭とエルフの体を持つ像。そして、エルフの頭とミノタウロスの体を持つ像が神秘的な謎を語りかけるように佇んでいた。この謎を解けば良いのだろう。すると、リザーナが何かに気が付いた。
「ミックス。あそこの壁に何か書いてあるよ?」
「ある程度は文字は読めるようになったが暗号とかじゃなければいいが・・・」
壁に刻まれた言葉は試練の扉を開くにはただ【使い魔と主が心を通わせる必要がある】と書かれてあるだけである。これがヒントなのだろうが先に進む扉も見当たらない無い状態だ。それにこういった謎解きが得意であろうメルディアが不在でリザーナと二人だけだ。これは致命的に不利だろう。
仕方無く無い頭を使い、じっと壁の言葉の意味を深く考え込んでいた。すると、リザーナが角を掴み始めた。
「ん?どうした?リザーナ?何かわかったか?」
「わかった!!私とミックスが子作りしてどっちかに似た子が正解だよ!」
リザーナを下ろして拳骨を落とし、一人で考える事にした。そもそもそんな内容を試練の謎にしていた意味が違ってくるからだ。おそらくはレヴィアタンの試練はモンスターウェポンの力と関わっている筈だ。ミノタウロスの頭とエルフの体を持つ像とエルフの頭とミノタウロスの体を持つ像のどちらかが正解なのは間違えないと思うが・・・。
頭を悩ませていると復活したリザーナが膝を叩いてきた。
「ミックスって『ミノタウロス』について何処まで理解してるの?」
「あ?どういう事だ?」
「子作りは私的には良いんだけどね?謎解きならエルフとミノタウロスが関係してると思うんだけど・・・?」
二つの石像を見るとエルフとミノタウロスが交じった異質な形をしている。確かにエルフとミノタウロスが関係してるというリザーナの考えは間違ってないかも知れない。
・・・だが、リザーナは普通のエルフよりもタガが外れているのは間違いではない。エルフとミノタウロスなのか。それとも俺とリザーナなのか、そこが問題であると伝えるとリザーナは難しい顔をした。
すると、リザーナがボソッと呟き始めた。
「私らって付き合い長いけどお互いの事全然知らないんだね。何かちょっと変だよね?」
「そうはいっても俺は異世界の人間だった頃の記憶を知らないんだ。 俺だって自分の事がわからねぇよ」
「そこじゃない?お互いの事を知ってないのに理解しあってるっていえるのかな?本当に協力しているのか試されてるんじゃないのかな?」
「・・・そういわれると何ともいえんな。リザーナの事情はい知っているがリリスの呪いから始まったようなもんだからな」
良く考えてみれば俺は異世界の人間であり、その食べ物を料理する知識はアステリオスとの契約で思い出させてもらったようなものだ。【ミノタウロス】つまりはアステリオスについて知らない。つまりはアステリオス自身の過去を知る必要があるのだろうか。そもそもの話だが、この試練の意図が何なのか理解できない。
いや、俺自身はミノタウロスの事を知らないがアステリオス自身はどうなのだろうか。すると、リザーナがアステリオスと話したいと言い始めたのだ。
『俺は構わんぞ?おそらくは俺の『過去』が関連している可能性はあるしな。エルフの小娘とは話してみたいと思っていたからな』
『アステリオス、いいのか?』
『構わん。知られても過去は誰にも変えることはできんからな。少しの間、身体を返して貰うぞ?俺とてモンスターウェポンには興味があるからな』
そう言われ、アステリオスに意識を返すと、リザーナの前で座り込み自らの過去について話し始めたのであった。
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