第153話【海賊島の亡霊達】
海賊達の亡霊が住み着く島はかつては海賊の島として栄えていたのだろうと思われる後が見られた。崩壊した石積の見張り台が崩れ髑髏の旗が倒れており、酒場を兼ねていたのだろう。 廃材の下敷きになった酒樽とジョッキや食器類が散らかっていた。
辺りには黒い靄が漂っており異質な雰囲気を発している為か、リザーナも異質な雰囲気を嫌がっている様子であった。
辺りを見渡すが、船らしいものは廃港には停泊しておらず海賊船らしき姿は見られない。
すると、エレーナが奥に洞窟を発見した。
「あそこ怪しくネェか? 何か変な雰囲気が強いし・・・」
「確かになぁ~けど、この気配は・・・」
メルディアが気配に顔を顰しかめていた。その理由は直ぐに理解する事ができた。洞窟に近付こうとすると、地面から無数の人骨の魔物が姿を現した。手には錆びついた剣やナイフを手にしており敵意を向けて襲い掛かってきた。
人骨の魔物の正体はスケルトンであり、エレーナが鞭で凪払うと簡単にバラバラになってしまった。
エレーナが拍子抜けしていると、カタカタッと音を立てると再生し、再び襲い掛かってきたのだ。
メルディア曰くゾンビやスケルトンなら頭を潰せば倒せるというとエレーナは「先にいってくれよ!?」と少しだけ顔を顰しかめたが、直ぐに頭を狙って攻撃を仕掛けた。
数の暴力で攻めてくるが、弱点がわかっているためにエレーナとメルディアは頭を集中して攻撃を仕掛けていた。すると、「ア゛ァァァ~」という不気味な叫び声が洞窟から響き渡ってきたのだ。
「グールの叫び声や!!あいつらの爪は鋭くて毒があるで!!?かすっただけでもそこから腐って死ぬから攻撃受けたらかんよ!?」
「なんでンなもんがいるんだよ!?グールってゾンビの変異種だろう!?しかもこんなに・・・」
「解らへんけど。多分この瘴気が影響しとるのは確かやで?さっき倒した筈のスケルトンも復活しとるし・・・」
「だぁぁぁぁー!!!メンドクセェェェ!!!ミックス何とかしろよ!?」
「何とかしろってな!んな、事言われてもなぁ・・・」
何とかしろと言われてもそんな都合よくスケルトンやグールに効果のある魔法を覚えている訳ではない為に頭を悩ませていた。だが、リザーナはミックスなら大丈夫だから斧を振り回して敵を倒してと指示を出してきたのだ。
その指示に従ってスケルトンとグールに向かって戦斧を振り回して刃に当たると、黒い靄に変わり吸い込まれてしまったのだ。理由は詳しくは解らないが今はありがたい。少なくともスケルトンとグールに有効な攻撃手段があるのは大きい。
すると、メルディアとエレーナはスケルトンとグールを鞭と水の縄で一纏めにして一撃で始末しやすいようにしてくれた。
外に出てきたスケルトンとグールを始末するとリザーナに話を聴くと前にオーガキングを喰らった【暴食の戦斧】の効果があるというのだ。リザーナ自身も詳しくは解らないが、変化させた使い魔の武器も同じ力を得るらしいというのだ。
「魔物や魔獣って身体に魔力の源になる魔素があるじゃん?リリスの力はその魔素そのものを武器に吸い取らせて力を得るみたいなの!」
「メルディア、リザーナに何か修業つけたのか?急にリリスの力使いこなせるようになってねぇか・・・?」
「知らへんよ?というか、リザーナはんに説明されるまでウチも知らへんかったし・・・」
「それは皆が戦ってくれて私の力の源になってるからだよ? 多分、ミックスが頭の中でアステリオスと喋れるみたいに教えてくれる感じなの!」
どうやら、リザーナの中にもリリスの意識があり、使い魔が魔物や魔獣を倒す事で本来の力を取り戻しつつあるようだ。
辺りを見渡して洞窟内を探索すると、中には無数のグールやスケルトンやその変異種であるスケルトンナイトが溢れていた。明らかに様子がおかしい為に一度外に出て話し合おうとするとリザーナがそれを辞めさせた。
「多分、海賊の船長さんが人魚の宝の怨念からスケルトンキングになって迷宮みたいになっててスケルトンやグールが増えたみたいだよ?」
「何かリザーナが賢くなったみたいでアタシ嫌なんだけど?」
「大丈夫だろう?少なくともリリスが教えてくれた感じなんだろう?」
「多分、そんな感じだよ?私がそんな事わかる筈もないでしょ?」
確かにリザーナがメルディア以上に専門的な知識を持っているとは到底思えない為に女魔王・リリスがリザーナの中で助力してくれているのだろう。
お陰で海賊の船長がスケルトンキングになり、この辺りのスケルトンやグールの力の源になっている事がわかった。少なくとも洞窟内部に船を隠しており、その船の内部に元凶であるスケルトンキングと人魚の宝がそこにあるのは間違えないだろう。
少なくとも洞窟に入って欲しくないからスケルトンやグール達に襲わせたのであれば洞窟内を探索しない訳にはいかない。瘴気を漂わせる洞窟に入り込むと侵入者を感知したスケルトン達が一斉に襲い掛かってきた。
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