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第150話【岬の洞窟に棲む怪物・カルキノス】

 

 マリーナシティの港外れにある岬の洞窟内を探索していると、陸地で一匹のカイソウウミムシがサタンシェルの群れに捕食されていた。すると、足音に気付いたサタンシェルはエレーナ達に痺れ液を噴射してきたが、メルディアが水魔法を上手く扱いそれを防いでみせると、エレーナが中の身を素早く鞭で攻撃を仕掛けると、素早く貝殻を閉じてしまった。


「コイツらの殻、滅茶苦茶硬いぞ!?メルディア、どうすりゃ良いんだ!?」


「んー、サタンシェルは結構耐久力も耐性もあるからな~うちの魔法と相性悪いねん・・・」


二人が相談していると、洞窟内にある海中からサタンシェルが姿を現して襲ってきた。痺れ液を噴射しようとした所を踏みつけると、なんなく貝殻は粉砕することができた。

そんなに硬くないと伝えるとミノタウロス基準で話していないと怒られてしまった。少なくとも三人を抱えながらできる事は特にないだろう。

リーゼとアルガーも槍と斧でサタンシェルの群れに苦戦をしており、エレーナも鞭での攻撃が効かない為にイライラした様子であった。すると、見かねたリザーナがエレーナらに声を掛けた。


「エレーナ!!面倒事はミックス任せてよ!!もう力業で行こうよ!」


「いやいや、リザーナさん!?さ、流石にこの数を力業で抜けるのは・・・」


「ミックスならいけるよ?ついでに海の幸だから食べられそうなの集めておいて」


「よし、ミックス交代だ!海の魔物だし食えるならミックスに任せた方が都合良いよな!?」


まだ食えるとは一言もいってはいないが、リザーナの言葉でエレーナは壁をつたって素早く手元からフィオーナとフィリーを抱き抱えた。確かにカイソウウミムシもサタンシェルも調理すれば食えるだろう。ここで素材をダメにするのはもったいないだろう。面倒なのでここは雷鳴魔法で良いだろ。


「【放電(スパーク)】ッ!!!」


口を開いて口から雷鳴魔法を放ち、サタンシェル達に当てた。すると、メルディアに訊ねられた。


「ミックスはん?複合魔法の雷鳴魔法の【放電(スパーク)】って相手を痺れさせるだけの魔法の筈やけど?」


といわれても、一般的な雷鳴魔法の種類や効果などの知識はない為にどう説明したら良いかわからない。ただ角や口の魔力を溜めて放出する事を覚えてから使えるようになったからだ。とりあえずは敵が倒せる魔法が放つ事ができれば問題ないだろう。

少なくとも魔物や魔獣は倒して食えるなら美味しく食べるから何も問題はない筈だ。一つ丸焼きになったサタンシェルの殻を破り中の身を食べてみると、噛み締めるごとに口の中に貝の旨味があふれ出てきた。これは調理すれば美味いだろう。


残りのに丸焼きになったサタンシェルを魔核収納(コア・ガレージ)に詰め込んでいくとカイソウウミムシが姿を現したが、同じように雷鳴魔法を当てるとその場に倒れた。カイソウウミムシっていうくらいだからワカメか昆布なのだろう。思いきって食ってみるか。カイソウウミムシの海草を取って食べてみる。ワカメと昆布が混じったような感じで美味いとは言い難い。とりあえずは魔核収納(コア・ガレージ)に詰め込んでおく。洞窟のかなり深くまで入ってきたが、特に気になる気配はない。


「奥にかなり進んだが、人魚に会える場所って目印があるのか?」


「この洞窟は半円になっています。確か、奥に海水から出ている大岩があるのでそこまでたどり着く事ができれば・・・」


リーゼも岬の洞窟内の奥まで入った事はない為に詳しい場所までは把握していないという。とりあえずはその海面から出ている大岩を目印に進めば良いだろうとそのまま奥に進むと、奥の海面から何かが近づいてきていた。

すると、海面に犬顔が現れるとアルガーとリーゼが『ケートス』という海の魔獣で群れで狩りをする為に漁師からも厄介者扱いされているというのだ。

犬顔の下の胴体はイルカという異様な姿をしているが、陸地にも上がれる為に港にも現れる事もあったらしいが、ここ最近は目撃例がなかった為にこの洞窟内で狩りをしていたのだろう。

すると、エレーナとメルディアが暴風魔法で竜巻を起こしてケートスの群れを巻き込みながら渦を巻いていく。その渦はだんだんと赤く染まっていった。陸に上がってきたケートスも地上では動きの鈍い大型犬なのでその渦に落とすだけで済んだ。

暫くしてケートスがいなくなったのを確認してエレーナとメルディアに竜巻を止めるようにいうと、ケートスの死骸が浮かび上がってきたが、そのまま流れに乗って流れていってしまった。


「ケートスは食えんからあれでええわ。皮も牙も大して金にならんしな。けど、ケートスが群れでいるなら奥に『カルキノス』がおるかも知れんな~」


「か、カルキノスですか!!?あの大型蟹の魔物が・・・」


「大昔に海賊船や貿易船を襲ったというクラーケンとシーサーペントと並ぶ魔物ですよ?それにこんな所にいるのですか!?」


「おるな。少なくともカルキノスはケートスを食うし、棲みかとしても好む環境やで?おらん方がおかしいで?」


メルディアの言い分ではその大型の蟹の怪物・カルキノスはケートスを好みこういった洞窟内で成長して巨大化するというのだ。リーゼとアルガーは互いに顔を見合わせたが、デカいだけの蟹なら食うのに困らないだろう。


更に奥に進むと、広い洞窟が広がっておりそこに数十メートルはあるであろう巨大な蟹の怪物・カルキノスの姿があったのだ。陸に上がってきて巨大な鋏を閉じたり、開いてガチガチと音を鳴らしながらこちらを威嚇してきた。リーゼ達は狼狽えていたが、メルディアはリザーナをこっちに避難させるようにいうと「任せた」と笑顔で言ってきた。


確かにデカいが【放電(スパーク)】当てたら良いだけだろうと、口を開いて放つと何も出来ずに仰向けに倒れて煙をあげるカルキノスが哀れに見えた。


漁師街では怪物級かも知れないが、デカい蟹の魔物なら的がでかくて魔法は当てやすいし、メルディアの水刃(ウォーターカッター)やエレーナの鞭でも十分倒せただろう。ただこれだけデカいとどう料理したものかとそちらに気が回ってしまった。





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