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第144話【マリーナシティ到着】

 

 クロニアス王国の北門から見えるほどの距離であり、クロニアス王国の玄関口の港街、第二のクロニアス王国の都市とも言われている。


マリーナシティはリザードマンや獣人が多く暮らしている港街であり、同じ港街であるポートフォリオンよりも冒険者として必要な知識や職業に合わせた指導に力を入れている為に優秀な冒険者が多く在籍している。


中でも教会と協力し、孤児院も開いており子どもらが望めば冒険者としての訓練や字の読み書きと計算などを教えてくれるというのだ。そういった取り組みをマリーナシティ全体で取り組んでいると出身であるギガルが教えてくれたのだ。


確かに行き交う冒険者や商人もポートフォリオンで見た時よりも護衛が軽装備ある所を見ると本当に魔物や魔獣が寄り付かない場所なのだろう。全くといっていいほど気配を感じない。ポートフォリオンの冒険者ギルドが定期的にこの辺りを巡回し、魔物や魔獣を討伐している事もあり、広大な小麦畑やトウモロコシ畑も見られ農業も盛んなようだ。


トウモロコシがあれば、焼きトウモロコシやトウモロコシの天ぷら、ポップコーン等も出来だろう。ギガルの話ではポートフォリオンとは違い比較的穏やかな気候な為に作物も育てやすい環境だというのだ。


そして、目の前にはマリーナシティの城壁が()え立ち、石を加工して作られた煉瓦の防壁で高さも差程無い作りをしている。


マリーナシティの門に近づくと槍を持ったリザードマン達が冒険者カードを確認し、門を潜り抜けると、目の前には広大な海原が広がっていた。街は斜面を利用した建造物が多く、上り坂や下り坂が多いが、リザーナマンや獣人らが荷馬車等を引いて人間が協力しあっている街であった。


ますると、事情を知っているリザードマンの一人が別のリザードマンと警備を交代して冒険者ギルドまで案内してくれるというので、その後に続いた。マリーナシティの西側の高い建物は教会でその隣に冒険者ギルドがあり、そこを下った建物が冒険者養成場所と宿舎が完備されていると警備兵のリザードマンが教えてくれた。


「冒険者ギルドから門に着いたら案内するように通達がされていましたので、ガスパールさんもお会いするのを楽しみにされていましたよ」


「何や?ガスパール半の癖は治っとらんのか?そりゃ、解りやすいからしゃーないか~」


メルディアがいう『癖』とは獣人族で獣よりの者は尻尾や耳に感情表現が出やすいというのだ。楽しみにしているのであれば尻尾や耳を動かしたり、逆に憂鬱な時は耳が垂れたりするので解りやすいというのだ。


フォルトやゴリガンのように人間に近い獣人よりも肌や嗅覚が優れている為に危険察知能力もあるらしい。 特にガスパールはメルディアが育てた中でも格闘術はスバ抜けていたというのだ。冒険者ギルドの巨大な門まで案内してくれたリザードマンはしっかりと敬礼をして門兵の任務に戻る事を伝えて駆け足で去っていった。


しっかりと敬礼をしたり今まであった門兵や騎士団よりも規律や役割をしっかりと分担しているようだ。扉を開けると先程のまでガヤガヤと騒がしかった酒場がシーンとしてこちらを見つめていた。


すると、リザーナが前に立ち、無い胸をふんぞり返らし高らかに名乗りを上げた。


「リザーナパーティーのリザーナだよ!ガスパールって人いる~?」


「ギルドマスターお客様ですね?ギルマス、お客様ですよ~?」


すると、そんな様子を上から見ていた獣人は高らか笑いながら階段から降りてきた。その人物越そ、フォルトとの兄であり、このギルドマスターであるガスパールであった。


白く長い髪に人狼族特有の狼の顔をしており、鍛え抜かれた肉体に合う皮鎧と中に鎖帷子(くさひかたびら)と手首を守る手製のブレスレットを装備し、黒の長いズホンから尻尾が出ており、足は素足であった。


ガスパールはメルディアを見るとお久しぶりです。メルディア様と頭を下げたのであった。


「久しぶりやなぁ~カーラと世界回るんや無かったんか?」


「流石に全ては回れませんでした。これでも二人の子の親ですよ?」


弟子の成長した姿にメルディアは嬉しそうにしていた。前に地上に出た時にはゴリガンとフォルトに拳骨を落としていた事を思うとこのガスパールという獣人は優秀な人材なのだろう。メルディアと一通り話終えると、改めてこちらに自己紹介をしてくれたのだ。


「俺がこのマリーナシティのギルドマスターガスパールだ。メルディア様には昔鍛えて貰った。フォルトが世話になったようだな。俺で良ければ力を貸すぞ?」


「よろしく!尻尾モフモフしてもいいの!?メルディア!!」


「えぇで~ ガスパールは尻尾モフモフされるの好きやったよなぁ~」


「えっ?ちょ、ちょっと!?メルディア様!?」


リザーナとエレーナがメルディアの許可を得てガスパールの尻尾を触ろうとしたので慌てて止めると二人とも不貞腐れた顔をこちらに向けてきた。


流石に失礼だろうと注意すると二人は頬を膨らませた。ホッと息を吐くと、フォルトから事情をあらかじめ送って貰いこのマリーナシティに来た理由も理解している為にガスパールは奥にある広い応接室に案内してくれると行ってくれた。


キーンらはここの受付で迷宮(ダンジョン)探索の手続きをする為にここで別れる事に無かったが、当分の間はマリーナシティを拠点に迷宮(ダンジョン)攻略をする為にまたあえるだろう。


ガスパールは海竜神・レヴィアタンに詳しい人物を紹介してくれるというので着いていくと広い応接室に二人のリザードマンの姿があったのだ。






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