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第141話【レッドホーンブル】



風呂から上がったリザーナらを軽く説教したが、マインは元々エルザみたいなタイプが好きだったらしく、アマゾネスの女性はターシャみたいな姉御肌なタイプが多いとメルディアから狩りの時に教えてもらっていたらしく「将来のお嫁さんはアマゾネスみたいに強い女性」という思想は前からあったらしい。


先に出てきた男性陣に飲み物を出してアレックスに謝罪をするが「妻を褒められて嬉しくない旦那はいないだろう?」と冗談交じりに笑ってくれた。少し遅れて女性陣も上がって出てくると、ターシャとキーナは迷宮(ダンジョン)でまさか、風呂に入れるとは思っていなかったとスッキリした表情をしていた。 エレーナとリザーナは腹が減ったというので入浴している間にホーンブルの赤身肉をステーキサイズ切り分けておき、特大の鉄板を用意しておいてた。ハケで鉄板に油をひき、強火で鉄板を熱しておき、その間にステーキ肉に塩胡椒を振り掛けて焼いていく。目の前で焼ける肉を見るのは格別だろう。


焼き加減はリザーナが好きなミディアムレアで焼いている。 反対の面も同じように焼いていく。特に人数がいる時はこれが楽だろうと作っておいたのだ。一気に何枚も焼ける為にこういった時に便利だろうと思っていたが役に立っている。 人数分の皿とナイフとフォークを魔核収納(コア・ガレージ)から取り出して焼きがあったものを皿に乗せていく。


「とりあえずは塩胡椒で食べてみろ。その後、ステーキ醤油出してや・・・」


「ミックス、ステーキ切って~」


「あぁ、そうだった。悪い。リザーナはナイフ使えないんだったな。ちょっと待ってろ」


「ウチが切るからミックスはんは料理集中してくれや~」


リザーナはスプーンやフォークは使う事は出きるが、ナイフで肉を切り分けたりする事が出来ない。理由は詳しくはわかってはいないが恐らくはリリスの呪いのせいだろう。


前に試しにナイフでステーキを切らせてみた事があったが、柔らかいステーキ肉をまるで岩に斬りかかっているかのように切ることができなかったのだ。他のものが代わりに切ると何ともないステーキ肉でありすんなりと切る事ができたという事が以前あったからだ。


流石に大人数分を作るとそういった手間を掛けてやる事が出来ない為に試行錯誤しながら試している状態である。メルディアがそういったサポートをしてくれる事でこちらもかなり助かっていた。エレーナはステーキを食べながらこの先にいる階層主(フロアボス)は何がいるのか訊ねてきた。


「そこは何ともいえんへんな。迷宮(ダンジョン)踏破して魔物や魔獣が変わったり、新たに階層主(フロアボス)が出現した事は報告にあらへんし、ウチも経験はあらへんしな」


「どうする?とりあえずは30階層まで見たら戻る方針でいいか?アレックス、ターシャ」


「そうだね。確かにキーンとキーナにも迷宮(ダンジョン)経験をさせられたしワタシはいいよ?」


「俺もだな。今後の迷宮(ダンジョン)管理にも関わってくるからな。早めに報告はした方がいいだろう」


二人から了承を得ると休憩後に29階層と30階層を突破後に地上に帰還する事が決定した。特にターシャ達はマリーナシティでの迷宮(ダンジョン)踏破はドラッグが一度経験しておいた方がいいと言われてた為にキーンとリーナはやる気であった。 元々、ギガルはマリーナシティ出身のリザードマンらしく迷宮(ダンジョン)の事も知っているらしいが踏破した事はないというのだ。ギガルからマリーナシティの情報を聞きながら食事を取ることができたのであった。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


休憩を終え、29階層の扉を開くと、そこにはホーンブルよりも一回り程大柄な身体と紅い角をはやした牡牛の魔獣の姿があった。直ぐにこちらに気が付くと前足をあげて咆哮を轟かせるとこちらに向かっていきなり突進をしてきたのだ。ターシャがホーンブルの変異種であるどう猛な牛の魔獣である【レッドホーンブル】であるというのだ。


レッドホーンブルは岩石や草木などを食べて身体を巨大化させる魔獣であり、好んだ場所を見つけるとそこを縄張りにする習性があり、その場所に棲む魔物や魔獣、人間などを角で突き刺して殺してしまったり、巨体を活かした突進攻撃を仕掛けてくるというのだ。角の紅い色が濃い程、他の牝のホーンブルから好意を持たれる為に他の生き物の血を角で染めようとする本能があるというのだ。


「なんだ。期待してたけどやっぱ、ホーンブルの変異種かよ・・・」


「ミックスは~ん仕事やで~受け止めて~」


既に見たことがあるホーンブルの変異種であった為に興味を失くしたエレーナとメルディアは距離を取ると目の前に突進してくるレッドホーンブルの角が目に入り、それを両手で受け止めて壁にぶん投げるが、レッドホーンブルは意外にもタフであった。起き上がり、首を振ると、蹄で地面を蹴ると、再び突進してきたのだ。

このままでは時間が掛かると思い、魔核収納(コア・ガレージ)から戦斧(バトル・アックス)を取り出してレッドホーンブルの頭に刃を斬りつけると咆哮をあげてその場に倒れた。


暫くすると、宝箱が現れて石を投げて安全を確認すると、中から矢が飛び出てきた。咄嗟に戦斧(バトル・アックス)で防ぐとカンッと音を立てて地面に転がり、ついでに宝箱を戦斧(バトル・アックス)で粉砕した。


「中にまで罠があるのかよ。これ下手にリザーナに開けさせる訳には行かないぞ?」


「折角、階層主(フロアボス)倒してこれだとハズレ感強いな」


巨体のレッドホーンブルをあっという間に倒してしまったのでターシャらは苦笑いするしかなかった。レッドホーンブルは早期に発見して討伐しなければ群れを作り、高階級(ランク)冒険者パーティーを複数集めても討伐するのは難しいと言われている魔獣であった為に興味を失くした二人はミックスのが強いのを知っている為に全てを任せたのだと苦笑いするしかなかった。もしも、ミックスがただの魔物であれば並みに冒険者では太刀打ちする事は出来ないと改めて思ったからだ。

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