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第134話【競売するだけの資金があるのか?】


クロニアス王国の場内には他国との交流場として広い敷地が用意されている。元々、他国との貿易交流を望んでいるクロニアス王の意思を取り入れて外交場になっている北側は場内への出入りは出来ないが、その変わりに外交場として広い庭とそれに合わせた建物が建築されている。


特にクロニアス王国の迷宮(ダンジョン)はエルザらが30階層を突破して以来の快挙であり、ダンジョン産の鉱石や宝石類は魔素を取り込んで成長する為に貴重であり、貴族や王族など買い手はいくらでもいるというわけだ。


「取りあえずどうしたらいいんだ。エルザ」


「さぁね。こっちも始めての経験だからね」


「こういう時はメルディアに任せよう!メルディアならいい案あるよね?」


「リザーナはん? ウチ、便利屋やないねんけどなぁ~ ?まぁ、取りあえずはミスリルリザードの革二枚とミスリル鉱石からやればええちゃう?」


メルディアはリザーナからの無茶振りに呆れながらも的確な意見を提案してきたのだ。


おそらく、ここにいる貴族や王族の使いはダンジョン産のミスリル鉱石・金塊・宝石類を何としても買収したいと思っていると考えており、先に物を見せて買取りの金額を決めて貰った方が良いと睨んでいるようだ。


メルディアの指示通りに魔核収納(コア・ガレージ)からミスリルリザードの革二枚とミスリル鉱石をあるだけ取り出すと、集まっていた貴族や王族の使いから驚きの声が上がる。


ミスリル鉱石は魔素が豊富な鉱山の奥深くの洞窟内に出来たり、孤島にある鉱山に稀にできる為に出回る事が少ない為に貴重な鉱石である。それが山のように積み上げられて光輝いている為に驚きの声が上がっても仕方のないことだろう。


メルディアは反対側に宝石類やオーガキングを倒してダンジョン踏破した際に持ち帰った金貨や銀貨、装飾された王冠やネックレス、ナイフやブレスレット等を取り出す様に指示され、その通りに出した。


「この際、余ってる地竜(アース・ドラゴン)の血とか肝とかも売るか?」


「せやねぇ。見たところ個人的に来とる人もおるし、魔獣や魔物の素材も並べたらエエやろう」


「てか、何も考えずにポンポン入れてたけどミックスの魔核収納(コア・ガレージ)って便利だよな・・・」


「まだ余裕あるから平気だぞ?それにこうやって売れば金になるしな」


実際に魔核収納(コア・ガレージ)は何故かわからないが出来たものでありアステリオスもスキルとして認定してくれたが使える理由は不明であった。元々、体内の異空間に収納可能であり、時間経過等を気にしなくても良いのは勇者固有スキルの【アイテムボックス】に似ているとメルディアに言われたことがある。


異世界人特有のスキルに類似してはいるが、魔法形式がまるで違うために別のスキルともメルディアは考えているらしいが調べて貰っても解らず仕舞いであった。結論をいってしまえば、アステリオスを食った本体に【アイテムボックス】のスキルを持っておりそれが身体に適合したものに変異したという事だろう。


ミスリル鉱石や金塊、宝石類は直ぐに値が付いて管轄の冒険者ギルドの職員らが手分けして受け渡しの箱に積めていた。

特に金塊は重いので苦労していたので手伝うと驚かれたしまった。すると、二人の女性が魔物や魔獣の素材を見つめて探している様子であったが目当てのものがなかった為か肩を落として溜め息ついていた。一人は猫耳の黒髪の少女でもう一人は金髪の美女であった。


気になったリザーナが声を掛けると、クロニアス王国の薬剤師でありアロマなどを製作している金髪の美女がニンフ。その助手ある猫耳の少女が魔導師(マジシャン)のアリエスと自己紹介をしてくれた。


「ごめんなさいね?クロニアス迷宮(ダンジョン)に『ロックタートル』がいたなら【亀石(タートルストーン)】があるかと思って・・・」


「タートルストーンってなに???」


「亀の甲羅の模様が入った石の事ですニャ。薬剤の材料で必要でロックタートルがいたニャらあるかと思って・・・」


「あぁ~、ロックタートルレベルやと流石に【亀石(タートルストーン)】はドロップせぇへんよ?」


メルディア曰く、【亀石(タートルストーン)】は千年亀(サウザンドタートル)の卵が永い年月を掛けて土の中で化石になったものであり滅多に手に入れる事は難しい鉱石であるというのだ。


ニンフはクロニアスではまだ駆け出しの薬剤師であり、回復薬(ポーション)作りなどが出来ないためにアロマ作りで雑貨屋の生計を立てているというのだ。少なくとも一人前の薬剤師になる為に回復薬(ポーション)作りをしているが中々成功しないと溜め息をついた。


【薬剤師】と言えば、真っ先にドラッグの顔が思い浮かんだが、クロニアス王国からポートフォリオンまで行くのは可能であるが、あくまでも自力で作れる力をつけたいという感じに見えた。どうしたものかと考えていると、貴族らが騒ぎ始めていた。何事かと思い視線を向けると、バイコーンを連れたドラッグの姿がそこにあったのだ。

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