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第124話【最後の最後でリザーナに全部持ってかれた】



クロニアス王国の迷宮(ダンジョン)最下層の部屋の中は今まで同じ洞窟にあるような広間の作りであったが、広さが倍以上あった。


そして、その中央には筋肉質で黒い皮膚の身体を持ち、下唇から突き出すイノシシのような二本の牙をはやし、こめかみから角がはえているオーガキングの姿があった。


「やっぱり、オーガキングはおるわな。昔、クロニアス王国を滅ぼそうとした魔族の手先やった魔物やしな・・・」


「メルディアの昔ってどの辺りぐらいなの?」


「そりゃ、クロニアス王国を『滅ぼそうとした魔族の手先』で大体予想が着くだろう。異世界の勇者と冒険してた頃の話だろ?」


「まぁな~ けど、オーガキングはオーガとは強さも桁違いやで?」


メルディア曰く20階層から出てきたオーガはまだ人数を集めれば騎士団でも冒険者で討伐する事は可能性である。


だが、オーガキングは強固な盾を持つ騎士を盾ごと肉塊にする怪力を持ち、熟練の魔導士(マジシャン)の魔法を超える魔力量で焼き殺してしまう火炎魔法の使い手であり、その肉体には高い再生能力を持つ為にまさに怪物であるというのだ。


メルディアもオーガキングに純潔を奪われしまいそして、女性としての幸せの一つを奪った種族でもある。


話を聴いているだけで心から怒りが沸いてくるが、オーガキングは蓄えられた髭を触りながら美女たちの品定めをしているようにも見えた。


そうなれば、邪魔なミノタウロスで自分であるを亡き者にしようと攻撃を仕掛けてくるのは当然の事であった。


自分よりも巨大な身体を持つオーガキングが金砕棒を振り下ろしてくる。それを受け止めるべく、戦斧(バトル・アックス)で受け止めた。


だが、体格で勝るオーガキングの怪力は桁違いであった。


「グヌッ・・・ッ!!!え、エレーナ!!リザーナを頼む!!」


「了解!!メルディア、ミックスが抑え込んでる内に・・・」


「ちゃう!!リザーナはん!ミックスはんから早よ離れ!!右手が本命や!!!【火炎弾(ファイヤ・ボム)】がくるで!!!」


「クソッ!!!【グレイト・ウォール】!!!」


オーガキングとの間に土壁を盛り上げると、そこに放たれた【火炎弾(ファイヤ・ボム)】により粉々になり、衝撃波によって身体を吹き飛ばされた。 ミノタウロスになってから魔法の威力で吹き飛ばされたのは始めてであった。


すると、アステリオスの声が脳に響いた。


『どうやら、対・レッドクリムゾンの挑戦権に選ばれたダンジョンボスは軒並み強化された見たいだな。少なくとも並みのオーガキングよりも強いな』


『んなもん、戦ってる俺らが一番わかってる。どうすればいい?』


『倒す以外の手段はないだろう。だが、やつの高い再生能力も不死の力に近いだろう。少なくとも高火力の【パワーアックス】や【大地の大爆砕斧アースド・ビッグバン・クラッシャー】でも再生するだろうな』


『それ、倒す術あるのかよ?不死ならどう倒せってんだよ!?』


実際問題ダンジョンボスであろうレッドクリムゾンに辿り着くまでに不死の力を持つ飛竜(ワイバーン)と巨人族を相手にしなければならない。


つまりは不死の力に対抗する力がなければレッドクリムゾンがいる大迷宮・ラビュリンティスに挑戦する力はないと迷宮(ダンジョン)から選別されているということだ。


エレーナの鞭攻撃や爆発魔法を受けてかすり傷や火傷をしても直ぐに再生してしまい、メルディアの水刃(ウォーターカッター)や水弾を受けても倒れないダンジョンの番人の怪物に相応しい力を持っている。


少なくとも、不死の能力抜きであればこちらのが勝っているが倒せなければいずれは魔力も体力が尽きてやられてしまうだろう。


遠距離から石弾(ストーン・バレット)でオーガキングを攻撃するが貫通した場所も直ぐ様再生して治ってしまう為に活路が見えてこない。


この中で一番機敏性のあるエレーナに抱えられたリザーナは現状を見ていたが、途中から何やら様子がおかしかった。


すると、リザーナはこちらに飛び降りてきたのだ。慌てて受け止めると飛んでもない事を言い始めたのだ。


「ミックス!キスして!!多分それで勝てる!」


「お前な!こんな状況下で何を・・・言って?り、リザーナ大丈夫か?」


「さっきから身体もおかしくて。ミックス、お願いキスして・・・」


「状況考えろ!このバカエロフ・・・ムグッ!?」


顔を近付けて怒鳴りつけようとするといきなりリザーナに唇を奪われてしまい、吸いつけられて抗えず気がつけば唇を許してしまった。


だが、次の瞬間、ミックスの身体に変化が起き、手に持っていた戦斧(バトル・アックス)に身体が吸い込まれいき、ミックス自身が戦斧(バトル・アックス)になり、リザーナがそれを手に持ちオーガキングに向き直った。


非力である筈のリザーナが、大きな|戦斧|バトル・アックス》を軽々と振り回すと先ほどまで

ミックスが使っていた【岩弾(ストーン・バレット)】放つとオーガキングは傷をおってしまったが、再生が出来ずに痛みからか雄叫びをあげた。


「エレーナ!メルディア!少しだけ時間ちょうだい!!多分倒せるから!!」


「何か良くわかんねぇけど、そういうことならませろ!!」


「後で事情訊くからな?取りあえずはいう通りするわ!」


「ありがとう!よーし、ミックスいくよー!!!【暴食の戦斧(グラトニー・アックス)】ッ!!!」


リザーナは戦斧(バトル・アックス)になったミックスを使いこなし、オーガキングの隙を狙い、斧刃を身体を当てるとオーガキングは黒紫の煙になると戦斧(バトル・アックス)の斧頭にある宝玉に吸い込まれしまった。


オーガキングは抵抗を見せたが、リザーナは更に魔力を流し込むと一気に吸い込まれしまった。


気が付くとオーガキングは吸い取られてしまい、リザーナは戦斧(ミックス)を高らかに持ち上げて勝利宣言をしたのだ。

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