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第12【 生態系の異変(3)】



サイクロプス達の縄張りに迷い込んでしまった蛇身(ラミア)はエデンの街の周辺で見掛ける事は滅多になく、人前に出てくることない魔物として知られている。


だが、その蛇身(ラミア)は好戦的に量的に海賊がもっているようなサーベルを腰の鞘から2本抜き、自分の倍近い体格のあるサイクロプス達相手に逃げる事もせずに立ち向かっていたのである。


蛇身(ラミア)は本来、武器などは使用せずに魔法攻撃や蛇毒や半身の大木のように太い尻尾で締め付けたり叩きつけたりするのが主な戦法であるとガーベラは話した。


つまりは今、サイクロプス達と戦っている蛇身(ラミア)は本来の戦法方法とは全く違う事になる。


蛇身(ラミア)を倒すのがサイクロプス達の目的ならばここで暫くの間様子見をするのも一つの手段だとドラッグがミックスに話し掛けた瞬間蔦が緩んだ隙にリザーナはフェローラから離れて弓を引き、サイクロプスの肩に矢を突き刺したのであった。


弓矢を肩に受けたサイクロプスに気づかれてしまった。


「リザーナ!!!このバカ!!何やってんだ!!?」


「女の子一人にあんな大人数はダメでしょ!!?いくら発情期でも!!!」


怒鳴りつけるが、リザーナの言い分もわからなくはない為にそれ以上は何も言い返せない。


「・・・最近のエルフ族はサキュバスよりもエロい事になってるのかしらね」


「まぁ、リザーナのいう通りだな。流石に女一人に対して大勢はダメだな・・・」


リザーナの発言にガーベラも苦笑いし、ドラッグもリザーナの意見に賛成派だった為に蛇身(ラミア)を救出する為にサイクロプスと戦う事になってしまったのだ。


突然の事に蛇身(ラミア)は唖然としていたが、サイクロプス達はミックスらに狙いを変えて突っ込んできたのだ。


サイクロプスは合計で5匹おり、手には棍棒や大槌が振りかざして襲ってきたのだ。


だが、流石はB階級(ランク)の冒険者として認められている人物であり、ドラッグは振り下ろした棍棒に乗り、サイクロプスの大木のような腕を駆け上がり、短剣で目玉を突き刺したのであった。


仲間が殺られた事で咆哮を上げ、武器を振り下ろすが、重い一撃をなんなく回避するとガーベラは翼を拡げ、爪を鋭い鉤爪に変化させるとサイクロプスの脚を狙い斬りかかった。


身体の重心が後ろに倒れると、ドラッグは弱点である目玉に容赦なく短剣を突き刺した。


サイクロプスが咆哮を上げて最後の足掻きでドラッグを捕まえようと手で捕まえようとしてきたのだ。

だが、フェローラが蔦で手首を拘束すると、ドラッグは目玉から短剣を回収した。


あっという間に2匹のサイクロプスを倒してしまったがこちらも余裕はない。


怒らせた張本人であるリザーナは弓を放って早々に首に乗り、サイクロプスの相手をさせられているのだ。


「クソッタレが!! 舐めんなよ?怪力なら負けねぇぞ!!!」


「ミックス、頑張れ!!」


サイクロプス三匹の攻撃を防ぎながらリザーナを護って戦うのは骨が折れる。


すると、先程まで肩で息をしていた蛇身(ラミア)がサイクロプスの脚の健をサーベルで切り裂いたのだ。


だが、体力が限界であったのだろう。蛇身(ラミア)はその場に倒れてしまうと、リザーナは首から飛び降りて蛇身(ラミア)を護ろうとしたのだ。


脚を斬られたサイクロプスはまだ生きているが、リザーナは蛇身(ラミア)の肩を抱き上げたが、棍棒が向かってくるのを確認し、目を瞑ったのだ。


しかし、サイクロプスらはリザーナに攻撃を仕掛ける事をしてこなかったのだ。


身軽になった事で戦斧(バトル・アックス)を思い切り振り回せる様になった為にサイクロプス達の胴体を力ずくで斬り飛ばしたのだ。


実際に自分よりも体格がデカければ、狙いが定まりやすい為に大柄な戦斧(バトル・アックス)を力ずくで振り回せる事さえ出来ければ防具を着けていないサイクロプス適度の筋肉を斬り伏せる事は可能であった。


ドラッグは口笛を吹くとリザーナに回復薬(ポーション)の入った瓶を渡し、蛇身(ラミア)を回復させてやれと頭を撫でる。


ガーベラはサイクロプスの額の角を討伐証拠して切り裂き、フェローラとドラッグは目的である薬草採取に取り込んだのだ。


リザーナが蛇身(ラミア)回復薬(ポーション)を飲ませようとするが、弱っていても口を開けようとしない。


すると、しびれを切らせたリザーナは自らが回復薬(ポーション)を口に含んで蛇身(ラミア)の唇を奪い無理矢理飲ませたのであった。


「ぷはっ~!これならいくら抵抗しても飲むでしょ!?」


「・・・エルフってこんな感じなのか?」


ある意味で思い付いたら即行動に移すリザーナはエルフとして正しいのか疑問に思う所があるのだ。


そもそもドラックは冒険者ギルドで聞いた話ではエルフ族は博識で高貴な性格であり、弓の名手であり魔術を使いこなす種族であると教えられていたが、リザーナはそれが当てはまらないのだ。


すると、サキュバスのガーベラがドラッグとミックスの疑問に答えたのであった。


「少なくとも純粋なエルフの血だけならそうかもしれないけど、混合種だと何とも言えないわよ? その子少しサキュバスの血が入ってるし・・・」


「混合種っていうのはフェローラみたいな突然変異とは違うのか?」


ガーベラのいう混合種というのは同族同士で繋がりを持ち血を絶やさない種族がある一方で他種族と交尾して数を増やす種族との間に出来た子どもの事を指す意味でも使われるというのだ。


実際にリザーナに訪ねると母親がサキュバスで父親がエルフであるというのだ。


だが、エルフとサキュバスとの混合種にしては弱すぎるとガーベラは話した。


少なくともエルフもサキュバスも魔力量が多い為に魔法使いとしてもやっていけるし、魔力を利用した弓矢を引く事も出来ても不思議ではないというのだ。


ガーベラと話していると、弱っていた蛇身(ラミア)が目を覚ましてリザーナをじっと見つめてきたのだ。


「・・・お前、何でワタシを助けたんだ?あのサイクロプスらはワタシの故郷を滅ぼしたやつらだったんだぞ?」


「故郷を滅ぼされたの? けど、それで死んじゃっても意味ないじゃん? もう仇は取れたんだからさ?」


「違ェよ!! そのサイクロプス達は【アイツ】の子分達だよ!! 早くお前らは・・・」


「キサマら・・・我が根城でのこのような狼藉を・・・ただで済むと思うな・・・」


蛇身(ラミア)が警告したが時既に遅してあり、サイクロプスよりも巨大な身体を持つ一つ目の巨人の怪物【ブロンテス】が巨大な穴の上から姿を表し、穴に飛び込んで入ってくると地響きとともに咆哮をあげたのであった。

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