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第107話【異世界が作ったと思われる城】



クロニアス王国の米や醤油は日本と同じものであり、これは同じく日本から来た人物の知識が伝わっていた。クロニアス王国で取れる食材を使って料理を振る舞った所、エルザとルディにも好評であった為にクロニアス王国の名産品として売りに出す提案を考えている事を話すとクロニアス王国の王様らに会える事になったのだ。


翌朝、騎士団長であり、エルザの旦那であるアレックスが冒険者ギルドに訪れて迎えに来た際に朝食を御馳走したのだが、好評であった。


朝食を終え、エルザとアレックスの案内され、クロニアス城に向かったが普通の城というよりも日本にある城の作りに似ている感じしたのだ。


アレックスはクロニアス城に出向くのは好きではないと話すとそれはそう言う作りになっているから仕方ないと説明をした。


すると、肩車されて話を聴いていたリザーナが訊ねてきた。


「どういう事?ミックスはこのお城の構造の意図がわかるの?」


「まぁ、知識としてたまたましてただけだが、この城は攻め込まれた時に護りやすいように作られているんだ。城の周りや国の周りにも水路があったろ?」


「んん?ミックス殿は建築にも詳しいのか?昔この地にいた建築家の者が設計図を持って作り直したのが今のクロニアス城だ」


恐らくは日本から来た転生者か転移者の仕業だろうとは思っていた。少なくともわざと段差の歩幅を広くしたり、狭くしたりしており疲れてた所で関所が何ヵ所もあった。


実際にクロニアス王国の場所は攻め込みにくい場所に建国されており、もしも他国との戦争が起こったとしても護る事に優れた王国であると説明する。


あくまでもこれは武装した人間にも一部の魔物や魔獣にも効果はあるな。アレックスが出向くのがしんどいと感じされる事が一番の証拠だろう。


「俺がしんどいって事が証拠ってどういう意味だ?」


「この中で甲冑を装備しているのはアレックスだけだろ?仮に戦争が起こったとして相手も当然武装している。重い盾や鎧を纏ってな。今は剣だけだが、更に装備品は増えて動き辛くなるだろ?そこであの門が役に立つんだよ」


「あの門が?確かに見張り台として使ってはいるが・・・?」


「ただでさえ移動がしんどい場所で上から弓矢を撃たれたら避けられる自信はあるか?門を閉じられてたら開けるのにどうしても人の手は必要になるだろ?この階段は自軍の足腰を鍛えるのに向いているだろうな。 慣れておけば、苦じゃなくなるだろ?。

だが、慣れていない者は重い装備で息苦しくなるし、軽装備でも体力的にもしんどいだろ?そこを狙うんだよ」


実際に魔物であるエレーナやメルディアや俺には苦ではないがエルザや他の近衛兵達はかなり疲弊しているように見えた。


もしも、これが敵兵なら先ほどの場所から丸見えで隠れる場所も無いために弓矢や魔法攻撃などの遠距離から敵を撃退する事が出来るからだ。

それが5つもあり、階段の歩幅も平行ではないのはそう言った役目があると話すとエルザとアレックスは納得した様子であったが、リザーナに難しかったらしく、近くにいたエレーナの胸元に飛び込んでしまった。


「エレーナ~ミックスが酷いよ。難しい話するんだよ~」


「異世界の知識のお陰で美味いモノが食えるんだから文句をいうな」


「なる程な。確かにそう言われると攻めにくい作りになってるんだな。こりゃ、王国の訓練も見直す必要もあるな」


「まぁ、あくまでも攻め込まれたらの話だがな。借りに戦争になったとしてもクロニアス王国を攻められるのは北側の門だけだろ?そこを重点的に護れば後は勝手に自滅するだろ?」


少なくともそう思ったのはロック・ゴーレムやトロールがいる渓谷地帯がある為に並みの騎士団では討伐するのは難しいし、冒険者ギルドでは度々渓谷から離れてしまう『はぐれトロールの討伐依頼』があるからだ。


少なくともトロールは人喰いで人間が集まる場所に来るだろう。今はキラーラビットやホーンラビットを討伐している冒険者が狙いになるだろうが、戦争になれば人の多い北門にトロールが現れて可能性が高いのだ。


少なくともトロールと一国を相手にするのは至難だろうし、その前に北にある港街を制圧して拠点にしなければ攻め込むのも難しいだろうと思ったからだ。

万が一に備えての作りやトロールの生態を上手く活かして作られた護る事に長けた王国であるのだ。

しかも、食料も国内で作れる為に兵糧の心配もないだろう。


仮に港街を取れたとしても魔物や魔獣がいる海を航海しながら物資を運ぶにしても食べ物であれば腐ってしまう可能性がある為に護りに徹していれば落とされる事は先ずないだろう。

ただ一つ弱点があるとすれば、上からの奇襲だろう飛行能力があったりする魔物や魔獣には弱いのだ。


魔法で結界を張れれば大丈夫だろうが、魔族相手になるとトロールも瞬殺されてしまうだろう。


「う~む。色々と考えて作られているのだな。確かにクロニアス王国は北の港の都市である『マリーナシティ』と貿易を結んでいる。あそこも侵略行為には常に警戒しているし、このしんどい階段も王を護る術だったのか」


「まぁ、これだけ山々に囲まれて魔物や魔獣も戦争の対策に使う作りはそうはないだろうし、港街を落としたとしても食糧難になれる可能性は高い。海には魔物や魔獣がいるし、そんな頻繁に食料を送っても腐ってしまうからな。ただ貿易がそのマリーナシティだけになるから今回のポートフォリオンとの貿易は悪い話ではない筈だ」


「確かにクロニアス王国としても他に貿易が出来るなら願ってもない事だろうな。それにしてもやはりこの階段には慣れんと近衛兵の体力も問題になってくるな」


「まぁ、魔物や魔獣の討伐するだけでレベルアップしても足腰にくる負担は別もだと考えた方が良いだろうなぁ。迷宮内でもスクワットとか筋トレして戦斧(バトル・アックス)の扱いを訓練したし・・・」


アレックスは文句を良いながらも息切れをしながらもまだ余力を残していたが、付き添いできた近衛兵達はバテてしまっていた。

話していると目の前にはこのクロニアス王国の王がいる王城の正門にたどり着き、頑丈そうな重い扉が開かれたのであった。

ようやくクロニアス王との対面である。


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