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第100話【そして、旅立ちへ!】



専用に作った迷宮(ダンジョン)で修行をしていたエレーナは新たに習得した【擬態化】と【隠密】のスキルを使って驚かせようとしたらしく成功して喜んでいた。どれだけ強くなったのか鑑定スキルで見ているとかなりレベルが上がっていた。


名:エレーナ


種族:【蛇身(ラミア)】 レベル:206


筋力+2350


敏捷+4269


体力+3200


魔力+ 2977


器用+2500


知能+450


幸運+ 150


【獲得スキル一覧】


【熱感知】・【危険察知】・【火炎耐性】【鞭技の極み】・【暴風魔法】・【火炎魔法】・【爆発魔法】・【擬態化】・【隠密】・【罠解除の極み】


かなりレベルアップしていた事にも驚いたが、覚えてきたスキルも使えるものが多い為に迷宮(ダンジョン)踏破する為には罠の解除ができるのはありがたい。特にリザーナ辺りが引っ掛かる可能性は充分にあり得る事なので助かる。


「強くなったな。所でいつまで絡み付いてるんだ?」


「腹減ったから酒と旨いものをくれるまでだな!!」


「そういえば、何かでかくなかったか?」


「あぁ、迷宮(ダンジョン)でレベルアップしたし蛇身(ラミア)は下半身を脱皮させる事で身体が伸びるんだ。ワタシは胸もでかくなったぞ?」


「ただの長い布じゃはち切れそうだな。飯作ったら新しいの作ってやるよ」


前にチューブトップをリザーナに勧められたが小さすぎて文句を言っていたが、鍛冶スキルでサイズ調整の出来る付与魔法を掛けて作ればエレーナも息苦しく無くなるだろう。


ドラッグの屋敷に向かうと庭先にドラッグらがいたのだ。リザーナとメルディア以外は疲れきった表情をして座り込んでいた。


すると、こちらに気が付いたリザーナが駆け寄ってきた。


「ミックス!!ただいま!!お腹空いたから何か作って!!早く!!」


「わかったわかった。直ぐにフライドポテトとハンバーグを作ってやるから待ってろ」


「ミックスは~ん。エールもキンキンに冷えたの頼むな~ 」


「わかったわかった。ったく、また調達しないと直ぐに無くなるな・・・」


やはり三人集まると賑やかになるが、それ以上にメルディアともに調査に向かっていたあのドラッグが疲れきってガーベラとフェローラから心配されるのを初めてみた。


魔核収納(コア・ガレージ)から魔道コンロと長テーブルを取り出して調理を始めるとエレーナとリザーナがじっとその様子を見つめてくる。


余程腹が減っているのかハンバーグとフライドポテトが出来上がるまで離れてくれなかった。出来上がりテーブルに並べるとエレーナとリザーナはすぐさま食べ始めたのだ。


「熱ッ!! ミックス、エール!エール!!これは酒に合うわ! 」


「ミックス!私はブドウジュースで!!」


「ちゃんと『いただきます』してから食えって言ってるだろうが!!ったく、しゃーねぇヤツらだなぁ・・・」


「ミックスは~ん、エール飲みながら報告するわ~」


魔核収納(コア・ガレージ)からそれぞれの魔鉱石で作った冷えたまま飲めるジョッキを人数分取り出して樽に入ったエールとリザーナ用の瓶のブドウジュースを開けて注いでそれぞれに渡した。


このままのペースで食べると確実に足りなくなる為に作りながら話を聞くことになりそうだ。


ドラッグが疲弊している理由はフェンナト王国周辺にいた魔物や魔獣が強くなり得意な戦法が効かなかった為にガーベラらの強力があってやっと倒せるレベルになっていた為に並みの冒険者パーティーや騎士団では太刀打ちする事が出来ない。


そして、リザーナとあった遺跡が消えてしまっていてその場所に新たに五つの台座が備わった宮殿が出来ておりそこにはロック・ゴーレムが居座っていたというのだ。


ロック・ゴーレムは本来は魔核(コア)が硬い岩石の中に閉じ込められている為に倒すのに普通は時間が掛かってしまう。


だが、リザーナがいうには台座には丸い窪みがあったというのだ。


「つまりはあれか?ラビュリンティスへの入り口になっていたという事か?」


「まぁ、あの遺跡は長年何の為に作られた遺跡か分からへんかったからな。

けど、仮説を立てるとしたら『ラビュリンティスは強力な魔物や魔獣を封じ込める場』として一度は使用する事が出来て選ばれた者しか挑めん様になっとるのかも知れんな~」


「その辺は良いんじゃねぇ?アタシらが結局は30階層以上の迷宮(ダンジョン)を踏破してメダルと集めて挑めば良いだけの話だろ?」


「大丈夫だよ!ミックスとメルディア、エレーナがいるし、その間に私がリリスの力を解放して女魔王リザーナ様とその配下がこの地に覇を唱えるのだ~」


本気で言ってるのか分からないが、少なくとも普通の魔物使い(テイマー)の契約とは違うために『魔王に忠誠を誓った配下の魔物や魔獣』のがしっくり来る為にリザーナがリリスの力を暴走させたらと思うと頭が痛くなってきた。


少なくともダメ女魔王と愉快な仲間達程度にしかならないだろうと言葉にするとリザーナは頬を赤くし笑みを見せたのだ。


どうにも様子がおかしいと想い、ブドウジュースの香りを嗅いでみるとアルコールの匂いがしてきた。

どうやら間違えてブドウ酒を飲ませてしまった様だ。

元々、リザーナ自身はエルフであり、等の昔に子どもではないがアルテミスから呪いを受けた切っ掛けでもある為に酒は控えさせてジュースを飲ませていたが間違えて飲ませてしまった。


前にドラッグらとブロンテス討伐とエレーナのパーティー加入時にもエールを飲ませた事があるが悪酔いしてしまったのだ。が、その後は嘔吐して爆睡と手の掛かる始末であった。


「やらかした。メルディア、飲み水作ってくれ」


「何や?リザーナはん酒に弱いんか?」


「目茶苦茶弱い癖に飲みたがるんだよ。ただ嘔吐するからな・・・」


「ああ、あれはスゴかったな。リザーナのヤツ酔うとスゲェ胸触ってくるし、顔埋めてくるぞ?」


以前の醜態を覚えていたエレーナがリザーナを呼び寄せると胸に顔を埋めてセクハラを始めたのだ。復活したドラッグが立ち上がって状況を把握し、懐から二日酔いの薬を出してくれた。


それからリザーナはメルディア、ガーベラ、フェローラにも同じことをして小一時間ほど、美女の胸を堪能して最終的に吐いてしまった。

水を飲ませて背中を擦りどうしようもない主人に使えてしまった事にため息がでてしまった。


それからリザーナの体調が整うまでにそれぞれができる事をやりついにポートフォリオンを旅立ち時がやってきた。


冒険者ギルドの面々やリゼット、エデンの街で屋敷をくれたダリル伯爵も見送りに来てくれたのだ。最初の目的地はクロニアス王国にある迷宮(ダンジョン)踏破と米の調達である。


ガーベラの転移魔法をメルディアが調整した圧縮転移魔法陣盤ポータブル・ワープ・ゲートが作られた為に何かあればガーベラを通してポートフォリオンに戻ってこられるようになってた。


ラビュリンティス宛もなく地上に向かった先で偶然にもリザーナと地上に出てから様々な事があったが、リザーナの使い魔としての大冒険が今始まったのであった。

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