4-27またやってしまったぁ
エルフのマズ飯は鉄板!
ひょんなことからそんなエルフに転生した二人はひょんなことから知らない場所へと転移で飛ばされます。
そして美味しいものを探しながら故郷のエルフの村へと旅を始めるのですが……
エルフの双子姉妹、リルとルラの物語です。
カリナさんっ!!(リル談)
「うーん……」
なんか頭痛い。
えーと、私は何をしていたんだっけ?
窓の外からは既に日の光が差し込んでいる。
頭痛がする頭を押さえながら起き上がろうとして違和感を感じる。
ふにゅ。
「んぁっ、え?」
なんか胸を揉まれた感じがすると同時にこのよく知っている感覚に急激に覚醒をしてくる。
「カ、カリナさんっ!!」
私は慌てて後ろを振り向くとそこには気持ちよさそうに眠っているルラがいた。
ふにゅふにゅ
「んはぁっ! ちょ、ちょっとルラっ!!」
思わず変な声が出てしまったけど、今私の後ろから抱き着いていて胸を揉んでいるのはルラだった。
「う~ん、お姉ちゃぁ~ん……」
ふにゅふにゅふにゅ……
「あんっ♡ こ、こらルラ! 目を覚ましなさい!!」
抱き着くルラを引っぺがし起き上がると裸だった。
勿論私も裸。
「う~ん、なぁにぃ~? 騒がしいわよ~?」
声のした方を見ると隣のベッドでカリナさんも裸で眠っていた。
大人のエルフなので私たちよりは女性らしいフォルムだけどやっぱりエルフ。
人間に比べると凹凸に乏しいスレンダーな体形。
それでも胸は私より大きい。
そしてずきずきする頭で昨日の事を必死に思い出そうとする。
確か雰囲気で乾杯が始まって……
「ああっ! そうだ、またお酒飲まされたんだったっ! いつつつぅ……」
頭を押さえつつカリナさんを見るとのっそりと起き上がり大きく伸びをする。
「んん~っ! よく寝たぁ~。おはよリル」
「……お、おはようございますカリナさん。すいません、頭痛くて。あまり大きな声出さないでくれますか?」
「なに? 二日酔い?」
カリナさんはケロッとしている。
あれだけ飲んでいたのに。
「んんぅ~、なんか頭痛いぃ~」
私とカリナさんがそんな話をしているとルラも起きた様だ。
しかし私と同じく頭を押さえている。
「うーん、やっぱりあなたたちにお酒は早かったかしら?」
「分かって飲ませたんですか?」
恨めしそうにカリナさんを見るとにんまりと笑って言う。
「背伸びしすぎの悪い子にお仕置きよ? これに懲りてお酒はまだ当分飲まない事ね」
そう言ってけらけらと笑う。
そして立ち上がり惜しげもなくその裸を私に見せる。
「さてと、体は昨日の夜拭いてあげたから着替えて朝食食べ行きましょ」
「昨日の夜拭いたって、私たちも拭いてくれたんですか?」
「勿論よ。ついでにちょっと感度も確かめたけど、リルって感じやすいのね?」
「なっ//////!?」
まさか寝ている間に襲われた!?
真っ赤になってカリナさんに抗議しようとするとけらけら笑って手を振る。
「冗談だって。まさかあなたたちの様な若木に手を出す程私だって酔狂じゃないわよ」
「カ、カリナさん//////!!」
朝から頭痛なのにカリナさんは私をからかいながらけらけらと笑うのだった。
* * *
「お早う!」
「おう、おはようさん」
「お早う」」
「おはようございます」
着替え終わり部屋を出て下の階に行くと既にトーイさんやザラスさん、ネッドさんもテーブルについて朝食を食べていた。
カリナさんは皆さんに挨拶しながらその席に行く。
「おはようございます……」
「おはようぅ~」
げっそりとして私とルラも皆さんに挨拶しながらテーブルに着く。
二日酔いって結構きついのね……
「なんだ? リルもルラも元気ないな??」
「ふむ、もしかして二日酔いですか? だから飲ませるのはまずいって言ったんですよカリナ?」
「何言ってるのよ、これも経験! 背伸びする二人には良いお灸よ!!」
カリナさんはそう言いながら又けらけらと笑う。
そしてポーチから小さな二つぶの丸い黒いものを取り出す。
「飲んでおきなさい、二日酔いに効く薬よ」
そう言って私たちに手渡してくれる。
私たちはそれをもらいとにかく飲むのだった。
* * *
「それで今日は必要なもの買い出して明日ジマの国を出ようと思うの。みんなはそれで好いかしら?」
カリナさんは食事をしながら今後の予定について話始める。
ジマの国からユエバの町まで近いとは言え、数日はかかる。
途中野宿とかするからそう言った準備もしないといけない訳でジマの国で買い出しとかもしておく必要がある。
「それじゃぁ、私たちは食材を買っておきますね。昨日のお料理でここの食材がとてもいいのは分かってますし」
カリナさんからもらった二日酔いの薬のお陰でもうすっかりと良くなった私はそう言う。
するとカリナさんはにっこりと笑て言う。
「道中またリルのご飯食べられるのね! しかもジマの国の食材だからユエバの町に戻る間はちょっと楽しみね!!」
「お姉ちゃんのご飯も美味しいもんねぇ~」
ルラもそう言ってサラダを食べ終わる。
確かにジマの国の素材は良いみたい。
さっき食べたサラダだってとても新鮮でいい野菜だった。
そう言えば海の魚もあるって言っていたから市場にも行ってみようかな?
どんな魚が有るのかな?
「うっし、じゃあカリナの言う通り今日は買い出しだな。後は……」
ザラスさんはそう言いながら短剣を一本取り出す。
「まあ、俺たちがいれば大丈夫だろうけどやっぱリルとルラにも短剣くらい持たせた方が良いと思うんだ。リル、ルラこの短剣を持ってみてくれ」
言われて私はその短剣を持ってみる。
ずっしりとしたそれは包丁とかとはやはり違う。
「意外と重いですね……」
「次あたし~。 あ、本当だ意外と重い!」
私とルラが短剣を持ってその感想を言うとザラスさんは顎に手を当て唸る。
「やっぱり重いか? カリナとは違いやはりまだまだ子供って事か。カリナでも短剣くらいは持てるから大丈夫だと思ったんだがな」
「エルフで女の子だからな。カリナと同じじゃないだろう?」
「どう言う意味よ?」
ザラスは短剣をしまいながら次にブーツに隠し持っていたナイフを取り出す。
余計な事を言ったトーイさんはカリナさんに胸元掴まれているけど、そんな二人を無視してザラスさんはそのナイフを私たちに手渡す。
「この位なら大丈夫か?」
「えっと、包丁よりは重いですけど大丈夫みたいです」
「あたしもあたしも~」
ルラにナイフを手渡しながらザラスさんに答えるとザラスさんは頷いて言う。
「だったらせめてリルもルラもナイフくらい買っておけ。身を守るにもこれから旅を続けるに護身用としてナイフくらいは持っておいた方が良い。ナイフは野営をするときにも使えるからな。何ならナイフ選びに付き合うぞ?」
ザラスさんにそう言われ私とルラは顔を見合わせる。
確かにナイフが有るといろいろ便利そうだしいくら私たちの秘密の力が有るからって万能ではない。
ちょっとした事とかには十分に役立つだろう。
「分かりました、ナイフを買いますから色々教えてください」
私はザラスさんにナイフを返しながらそう言うのだった。
そして買い出しに自分のナイフも加わることになるのだった。
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