バレンタインデー特別編:チョコって
バレンタインの特別書き下ろしです。
時間的には少し戻ってリルとルラがジュメルにまだ操られて、ユーベルトの女神神殿のを襲う直前です。
この世界には何処かの女神様のせいで、あちらの世界の食べ物が広められている場所がある。
ここユーベルトの街でもそんなものがあった。
「なんで私が料理しようとするとみんな嫌がるのよ!」
そう文句を言いながら持ってきてもらったチョコレートの箱を開ける。
そして小粒のチョコレートを、ポイっと口に放り込む。
「あむっ! カリッ! ん、アーモンドが入っているんだ? 香ばしくローストされていてミルクチョコレートによく合う」
正直驚いた。
以前シーナ商会で手に入れたチョコレートより数段美味しい。
しかもアーモンドのローストが絶妙で、香ばしさと歯応えがたまらない。
「あ〜、お姉ちゃんずるい! 私もチョコ欲しい‼︎」
ぶつぶつ文句を言いながら三つ目のチョコを口に放り込もうとしたら、ルラがやって来た。
「何よ、私が料理しようとしたら嫌がってたじゃない?」
「あれはいつものお姉ちゃんの料理と違いすぎるからだよ! それよりあたしもチョコ欲しい!」
そう言ってルラはあーんと口を開く。
なんなのよ、とか思いながら一粒ルラの口に放り込む。
ぽいっ
ぱくっ!
カリこり......
「うん、甘くて美味しい! アーモンドカリカリ〜」
美味しそうにルラは食べるので、私はもう一個ルラの口に放り込みながら自分の口にも放り込む。
ひょいっ
ぱくっ!
カリこりカリこり......
「うん、やっぱり美味しい〜。これってあっちの世界のにも負けない美味しさだよね?」
正直かなりのレベルだった。
この世界のチョコレートと言ったら駄菓子屋のチョコみたいで風味も何も薄い感じがする。
それに安い油でも使っているようにやたらと脂っこいと言うか、とにかく美味しいとは言えない。
しかしここユーベルトのチョコは違う。
ベルギーチョコに負けないくらい美味しい。
なのでついつい口に運んでしまう。
「あ、無くなっちゃった」
「え〜、もう無いの?」
二人してチョコを食べていたらもうなくなってしまった。
美味しいのだから仕方ない。
名残惜しさを感じながら箱を裏返しても何も出てこない。
「残念、もうなくなっちゃった」
「え〜、あたしもっと食べたい!」
「そんなこと言っても、仕方ないよ。お願いしてもらって来たのはこれだけだし......」
ここユーベルトのジュメルのアジトでは私が欲しいと言えばある程度のものをアリーリアが準備してくれる。
さっきのチョコレートもそうだ。
しかし、すぐに用意できるものばかりでは無い。
「一応、アリーリアに聞いてみるけど、すぐには手に入らないかもよ?」
「え〜、お姉ちゃんがたくさん食べるからだよ!」
「な、何よ! ルラだってパクパク食べたじゃ無い!」
たとえ仲の良い姉妹でも食べ物がらみはそうでは無い。
昔っからルラはちょっとでも美味しいものを私が多くてべているとすぐに文句言ってくる。
このチョコだって、料理に使おうとしたらアリーリアが間違えてそのまま食べる方のチョコレートを用意した。
本当はソーセージのチュコレートソースでも作ろうと思ったのに!
ドイツではそう言った郷土料理があるらしい。
チョコの風味はあるけど味自体はデミグラソース見たいらしい。
レシピはうろ覚えだけど、多分大丈夫だと思う。
前に作ったハンバーグはほら、調子が悪かったのよ!
だから今度は思い出したレシピ通りに作れば大丈夫なはず。
「とは言え、アーモンド入りのチョコレートは確かに美味しかったなぁ〜。とりあえずアリーリアにもう一度お願いして来ようか?」
ルラと睨み合っていても仕方ないので私はため息を吐いてそう言う。
そしてアリーリアの元へ向かうのだった。
* * *
「アリーリア? さあ何処へ行ったかわからないわねぇ〜」
アジトの中をアリーリアを探してみたけど何処にもいない。
なので、イリカに聞いてみる。
だがアリーリアが何処にいるか分からなかった。
「何処行ってんだろう? はぁ〜またチョコレート頼もうと思っていたのにぃ〜」
ぴぴくっ!
私がそう諦めかけていると、やたらとイリかが反応する。
「何? チョコレートが欲しいの??」
「え? あ、ああっ、もらったやつルラと食べたらすぐなくなっちゃったんで」
私がイリカにそう言うと、イリカははしばしきょとんとしてにまぁ〜っと笑う。
「そうなんだぁ〜、姉妹して...... なんなら私のあげましょうか?」
そう言ってイリカは奥の棚から箱を持ってくる。
そして蓋を開けるとチョコレートの粒がぎっしりと詰まっていた。
さっきのアーモンド入りより小粒。
多分中には何も無いチョコレートだと思う。
「良いの?」
「ええ、私は今の所使う予定がありませんからねぇ〜」
そう言って箱を渡して来てくれる。
まあ、くれるって言うなら遠慮なくもらっておこう。
何せ明日は女神神殿の強襲をするのだから、先に自分にご褒美貰っても良いだろう。
「じゃあ、遠慮無く貰うわね、ありがとう」
「いえいえ、楽しんでね〜」
イリカはそう言ってニヤニヤしながら手を振っている。
相変わらずよく分からないやつだ。
私はその箱を持ってルラにいる部屋へと向かうのだった。
* * *
「やった! チョコレートだ‼︎」
「はいはい、今度はちゃんと同じ数で分けるから文句言わないでよ?」
ルラにそう言いながらハンカチの上に一旦全部出してから同じ数に分ける。
そして二人して確認してから食べ始める。
カリこり
カリこり
「うーん、甘くて美味しい〜」
「うん。美味しいね♪ あ、でもさっきのとちょっと風味というか味も違うかな?」
ちょっとビターテイストだけど、美味しいのには変わらない。
イリカのやつ、これひとりで楽しもうとしたのかな?
となんか体がほてってきた。
もしかしてチョコレートの食べ過ぎかな?
チョコレートって食べすぎると強いから鼻血が出ちゃったりもするもんね。
「ねえルラ、チョコ一度に食べると強くって鼻血とか出るから程々に......」
そう言いながらルラを見ると、上着を脱いで肌着になっていた。
「ちょ、ルラ?」
「うーん、なんか暑いヨォ〜」
そう言ってホットパンツも脱ぎ出して下着姿になる。
私は慌ててそれをやめさせようとするも、ルラが抱きついてきてどきりとする。
「エヘヘヘヘ〜、なんか気分いいね〜? そうだ、お姉ちゃんにもイリカがしてくれる気持ちいい事あたしがしてあげるぅ〜♪」
「え、ちょっとルラぁ⁉︎」
ルラはそう言って私の服を脱がそうとする。
「やめなさいって、コラァ、ルラぁっ!」
それでもルラは私の服に手をかける。
と、胸の先端にその手が触れるとやたらと敏感に反応してしまう?
さわっ!
びくんっ!
「んっ⁉︎ なにっ?」
なんかやたらと一部が固くなってしまっている。
当然そうなれば相当敏感にもなっているわけだ。
「あれぇ? なんかお姉ちゃん胸に入れてる? あ、分かった! お姉ちゃんあたしより多くチョコ取ったでしょ? そして胸のところ隠してるんだ! ずっるぅ〜いぃ!」
ルラはそう言って私の胸の先端を摘む。
「ひんッ♡」
これはダメッ!
特に敏感になっている時にそんなことされちゃったら、いくら幼いエルフの肉体でも反応しちゃう!
「ずぅ〜るぃ〜いぃ〜! お姉ちゃんずるいよぃ!」
キュゥ〜
くりくり!
「ヒャンっ! ちょちょとルラ本当にやめてよぉ、そんなにされたら私ぃッ♡」
やばい。
私ものすごく反応しちゃってる。
つままれて痛いはずなのに、すっごく反応しちゃってる‼︎
「ん〜、なんだろ? チョコが大きくなった? あ、でもなんかチョコとは違う格好みたいな?」
くりっ!
「ひゃぁんっ♡!」
ビクビクッ!
思い切り体が反応してしまった。
それでもルラは離してくれない。
「あら、あなたたちこんなところに居たの? 明日のことなんだけど......」
私が思い切りビクビクとしているとアリーリアが来た。
そして私たちを見てジト目になる。
「あんたら何やってんのよ? ってその箱⁉︎ イリカの媚薬入りチョコじゃない‼︎」
アリーリアはテーブルの上に置いてあった箱に気づく。
そしてとんでもないことを言い始める。
「び、媚薬入り?」
「ユーベルトには夜の為のチョコも売ってるのよ! イリカはしょっちゅうそれを買っていたけど、耐性の無い者がそんなモノ一度に大量に食べたらおかしくなちゃうわよ⁉︎」
なんと、そんな危ないモノだったなんて!
「くぅうう、び、媚薬成分を『消し去る』!」
私は慌ててルラと私の中にある媚薬成分を「消し去る」をした。
途端に火照りが収まり、頭もスッキリとする。
「あれ? 私なんでお姉ちゃんのおっぱいつまんでるんだろ?」
「い、いいから離れなさいぃッ!」
つままれた先端をルラは手放すけど、服の上からもしっかりわかるほど出っ張ってしまった。
「まったく、二人して何してるのよ? それともリルはそう言うことして欲しいの? 足裏のツボ押しマッサージじゃ足りないのかしら?」
「無いわよ、そんなことぉ////////!」
思わずそう叫ぶと扉の向こうでイリカがニヤニヤしていた。
「美しい姉妹愛ですねぇ〜」
「イ、イリカぁッ‼︎‼︎」
ここジュメルのアジトに私の本気の叫びがこだまするのだった。
面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。
<業務連絡>
只今広島出張で帰宅中の新幹線の中です。
とりあえずスマホで書いたので誤字脱字有りましたらご指摘お願いします。
チョコレートって昔は媚薬だったんですってねぇ〜w




