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腹ぺこエルフの美食道~リルとルラの大冒険~  作者: さいとう みさき
第十七章:世界の為に
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17-3悪魔将軍

とうとう始まってしまった世界の崩壊。

女神エルハイミが崩壊の原因である「世界の壁」の修復へと向かう中、リルとルラは次元のひびから現れた異界の者、こちらの世界では悪魔であり魔人である者たちを迎撃する為に奮闘する。

果たして世界の崩壊は食い止められるのか?

そしてリルとルラの運命は!?


そんなエルフの双子姉妹、リルとルラの物語です。


 それは見た事の無い大きさだった。


 

 私の知る限り、通常この世界に出現する悪魔はレッサーデーモンが主流だ。

 召喚魔法の一種で、生贄を介して悪魔を召喚する。


 ただこのレッサーデーモンは魔法の武具があれば倒す事が出来る。

 勿論、魔法も有効だ。

 だけど、魔法の武具や魔法が無いとかなり苦戦する存在でもある。

 初心者冒険者ではほとんど歯が立たないとされている。


 しかし今目の前にいるのはレッサーデーモンやそれより厄介で強いアークデーモンの類ではない。


 魔人と呼ばれる世界を巻き込むほどの存在を更に凌駕した存在。

 ジェネラル級悪魔、悪魔将軍だ。



 見た感じ身長は十五、六メートルはあろうか?

 全身を漆黒の鎧に身を包み、魔人同様人型である。

 しかしその顔はオーガのように恐ろしく、大きな角を二本頭の左右から生やしている。

 大きな盾と剣を構えており、後ろにはどうやら尻尾もあるようだ。

 背中の蝙蝠の様な羽をばさりと羽ばたかせて折り畳み地面に降り立つ。



『くそ、魔法を使えるやつは防御魔法に徹しろ! ガレント流、操魔剣の剣士たちは免許皆伝以外の者はひっこめ! 戦える奴は俺に続け、行くぞ!!』

 


 アインさんはそう叫び「鋼鉄の鎧騎士」ごと炎の柱に包まれる。


『【紅蓮業火】! 行くぞぉっ!!』


 あれは確か炎系魔法での上級魔法。

 体を炎の柱で包み、攻撃力も防御も格段に上がる魔法。



『操魔剣! はぁっ、【爆炎拳】!!』



 アインさんの「鋼鉄の鎧騎士」は操魔剣での技で瞬間的に脚部の力を倍増させ、悪魔将軍に飛び込みながらその手の平を相手にぶつけようとする。

 しかし、寸での所で避けられ、手に持つ大楯で薙ぎ払われる。



 がんっ!



『ぐおっ! 早い!!』



 どッがぁ~んッ!!



 アインさんの「鋼鉄の鎧騎士」は弾きとばされ民家を崩しながら土煙でその姿が見えなくなる。



「先生っ! このぉっ、先生に何するのよ!! 槍技、流星一閃!!」



 ラーシアさんは構えていた槍を高速で突き出し、そのインパクトを光らせながら相手に飛ばす。

 それは正しく流星の如し!


  

 ガンっ!!



 しかしその高速で放たれた一閃の光はやはりあの大楯で弾かれてしまった。



「ガレント流剣技九の型、九頭閃光!」


「操魔剣、八方切り!!」


「はぁっ! 霞一文字切り!!」



 他の村の皆さんも次々と技を繰り出し、攻撃をするけど、大楯や鎧、剣でそのすべての攻撃は弾かれてしまった。



「下がって、いっけぇ! 【爆裂核魔法】エクスプローション!!」



 村の人の攻撃が全て弾かれたタイミングで長々と魔法を唱えていた女性が杖を悪魔将軍に向けて放つ。

 

 それは杖の前に赤い光が収束して行って小さな光のた球なった瞬間爆発するかのように爆風と灼熱の炎を相手に放つ。

 まるで竜の業火のようだ。



 きゅうぅ~

 カッ!


 どごぼがぉがぁああああああぁぁぁぁぁっんッ!!!!



「うひゃぁ、凄い!」


 思わずその熱気に顔を手で覆い隠す。

 流石にこんな大魔法を喰らったらひとたまりもないだろう。


 そう思って爆風と高熱が落ち着いた頃に手を退けてそれを見ると……



「うそ…… あれに耐えた……」


 目の前には大楯を構えた悪魔将軍が上半身を焼かれてぶすぶすと煙を上げていたが健在だった。



「あれを耐えきるの!? 私の最大魔法よ!?」



「いいから次の最大魔法行けぇ、時間は俺らが稼ぐ、はぁ、霞一文字切り!!」


「呪文唱える時間を作るよ、操魔剣!!」


「他の連中も大魔法の詠唱に入れ!」



 村の人たちはそれでも連携を崩さず次々と攻撃をしてゆく。



 びきっ!

 

 

「やった! 悪魔将軍の盾にひびが入った! もう少しよ!!」


 ラーシアさんは悪魔将軍の持つ大楯にひびが入ったのを確認して叫ぶ。

 が、その瞬間ラーシアさんの頭上に影が迫る。



「あたしは防御も『最強』!」



 どがぁああぁぁんっ!!



「くぅっ!」



 ぼごっ!



 ラーシアさんの頭上に現れた大剣をルラがスキル「最強」を使って両の手をクロスさせながら受け止めた。

 しかし、その威力はかなりのモノらしく、ルラの足元の石田畳を陥没させる。



「ルラちゃん! ありがとう!!」


「ラーシアは下がって、今度はあたしが相手だぁっ!」



 ルラはその大剣を弾き飛ばし、悪魔将軍に向かい合う。

 悪魔将軍は剣を引き、周りにバチバチと雷を伴う光の玉を沢山出す。

 そしてそれをルラに向かって放つ。



「ルラっ! 光の玉を『消し去る』!!」



 私は慌ててその光球を消し去る。



「ありがとお姉ちゃん! あいつの魔法は任せたよ! いっくぞぉ、あたしは『最強』!!」


「任せてルラ! 更に光の玉を『消し去る』!!」





 続けてルラに放たれる光球を消し去り、私とルラは悪魔将軍に向かって行くのだった。



面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

誤字脱字等ございましたらご指摘いただけますようお願い致します。


<業務連絡>

*申し訳ございませんが、海外出張が確定となりました。

2024年1月20日から28日まで上海に行く事となってしまいました。

こちらなろう様は中国からのアクセスが出来ませんので、その間更新はお休みさせていただきます。

不便な国ですよね~中国って……

こんな物語を読んでいただいている読者様には申し訳ございませんが、どうぞご理解の上よろしくお願い致します。

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― 新着の感想 ―
[一言] 返事の返事失礼します  いや、悪魔将軍ってどこかで見たな〜と検索したら、途中からスポーツ漫画からプロレス漫画になったキン肉なキャラが出て来ましたんで……つい(目逸らし)
[一言] >ジェネラル級悪魔、悪魔将軍だ。 >顔はオーガのように恐ろしく、大きな角を二本頭の左右から生やしている。 >大きな盾と剣を構えており、後ろにはどうやら尻尾もあるようだ。  これは……名前か…
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