14-24新型連結型魔晶石核の行方
故郷のエルフの村へとやっと帰って来たリルとルラ。
しかしその特有のチートスキルが危険視されてエルフの村の長老から修行してくることを言い渡される?
さあ、魔法学園ボヘーミャに留学する事になっちゃったけどこの後どうなるか?
そんなエルフの双子姉妹、リルとルラの物語です。
盗難があって一晩が経った。
学園はこの件に関して大きく問題視して受講の一時休講を決定して、生徒及び教員の外出を禁止した。
「とは言え、めぼしもつかないのにどうやって犯人を捕まえる気かしら?」
「いやそれよりよくここへ来れましたね、ヤリスとアニシス様」
ヤリスとアニシス様はいま学園長の家に来ている。
まあ、ソルミナ教授もいるので当事者が学園長のもとへ来ると言うのはこの状況下でもあるだろう。
「まあまあ、とりあえずお茶でもどうぞ~」
マーヤ母さんはヤリスたちにお茶を配っている。
いつもの緑茶。
それをいただきながらお茶請けなんかも出される。
「しかし学園長はどんな方法で犯人を突き止める気なのですかしら?」
「うーん、とりあえずしらみつぶしに所持品検査で部屋に捜査に入る?」
「いや、そんなことしたらいくら時間と労力があっても足らないじゃないですか。この学園にどれだけの人がいると思ってるんですか?」
アニシス様もヤリスもお茶をすすりながらそんな事言ってるけど、無理やり全部調べるのなんか無理だろう。
だとするとユカ父さん華には秘策でもあるのだろうか?
「この学園で他の人の研究結果を横取りするのはご法度だからねぇ~。ユカも今回の件はかなり厳しく対処するつもりだと思うわ。だからエリリアの所へ行ったのよ」
「エリリアさん? なんでエリリアさんの所へ??」
「エリリアはこの学園で起こっている事を全て見ているのよ、千里眼の水晶でね」
「「「!!」」」
マーヤ母さんのその一言で私たちは思わず立ち上がりそうになった。
だってそれって当時の犯行をエリリアさんが見ていたって事になる訳だ。
とすれば、犯人は誰かエリリアさんに聞けばわかると言う事になる。
「マーヤ母さん、エリリアさんは何処にいるんですか!?」
思わず乗り出しマーヤ母さんに聞く。
しかしマーヤ母さんは大きくため息をついてから言う。
「エリリアは屋根裏部屋と言う場所にいるけど、ここ数百年で襲撃の恐れから彼女の特殊能力、『知識の塔の管理者』を使って居場所を隠しているわ。正直ユカでもそれを見つけ出すのは難しいわね。だから昨晩からエリリアに語り掛け彼女を探しているのよ」
「『知識の塔の管理者』って、それって私たちのスキルと同じなんですか?」
「いいえ少し違うみたいね。もともとエリリアは『知識の塔』の管理者としてその塔を守っていたわ。でもその塔の知識は女神の知識、人が扱うには過ぎたるものよ。だから彼女はノージム大陸にある塔を隠し、ここへ逃げてきたわけよ。『知識の塔』は鍵である彼女がいなければ誰も見つけ出す事は出来ないのよ」
マーヤ母さんはそう言って上を見る。
「そしてその特殊能力は自分の居場所も隠せるの。彼女は学園に滞在して協力的だけど、全部が全部協力してくれるわけじゃない。だから用事が無いと何年も姿を見せないのよ」
いや、でも先日は向こうから出て来て……
「ちょっと待ってください、先日は暴走しそうな連結型魔晶石核について『もう少しでこの辺一帯がクレーターになる所だったじゃないか。そうすると僕のいる屋根裏部屋も影響があって困るんだけど』って言ってました。とすると、エリリアさんがいる場所って……」
「あっ、そうかエリリアに被害が及ぶとなると、研究棟!!」
私がその事に気付きそう言うと真っ先にソルミナ教授がそれに気付く。
つまり、四大精霊大爆発の影響を最も受ける研究棟の屋根裏部屋にエリリアさんがいる公算が高いのだ。
「じゃあ、研究棟の屋根裏部屋に行けばいいわけね!!」
ヤリスはそう言って立ち上がる。
そしてアニシス様も。
「行って見る価値はあるわね。マーヤ、学園長に連絡して。私たちは先に研究棟に行くわ」
「う~ん、まあエリリアに会いに行くだけなら危なく無いから良いか。分かったわ、ユカには私から連絡するわね。でもリルにルラ、絶対に危ない事しちゃだめよ?」
「分かってます、ルラ行くよ!」
「うん、お姉ちゃん!!」
私もルラも立ち上がり早速ヤリスとアニシス様、ソルミナ教授とで研究室棟に向かうのだった。
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<業務連絡>
*申し訳ございませんが、海外出張が確定となりました。
2023年9月15日から24日まで上海に行く事となってしまいました。
こちらなろう様は中国からのアクセスが出来ませんので、その間更新はお休みさせていただきます。
不便な国ですよね~中国って……
こんな物語を読んでいただいている読者様には申し訳ございませんが、どうぞご理解の上よろしくお願い致します。




