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腹ぺこエルフの美食道~リルとルラの大冒険~  作者: さいとう みさき
第十四章:脈動
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14-23犯人捜し

故郷のエルフの村へとやっと帰って来たリルとルラ。

しかしその特有のチートスキルが危険視されてエルフの村の長老から修行してくることを言い渡される?

さあ、魔法学園ボヘーミャに留学する事になっちゃったけどこの後どうなるか?

そんなエルフの双子姉妹、リルとルラの物語です。


 ソルミナ教授の研究室から新型の連結型魔晶石核が盗みだされた。



「とにかく聞き込みをしましょう、何か手掛かりが欲しいわ!」


「はい、そうしましょう」


「うん!」


 ヤリスがそう言い私もルラもすぐに頷く。

 とにかく犯人を探し出して連結型魔晶石核を取り戻さなきゃ。


「とは言え、ルラの話だとその時間この辺は人が少なかったのよね? ルラ、話を聞いた人って何処?」


「えーと、あっちかな。一番教室が近い所の人」


 ルラのその答えに私たちはすぐにその教室へと向かうのだった。



 * * *



「え~、だからそんな人見てないってば。さっきも言ったけどあの時間帯って研究室棟には生徒はほとんどいないじゃん」


「それでも何か無かったかしら?」



 ルラが話を聞いたのは女生徒だった。

 他にもその時間帯にその近辺にいた人を聞いてみるけど、流石に受講も終り教室には数えるほどしか生徒が残っていない。


「何かって…… ごめん、何も無かったと思うよ」


「そう…… ありがとう」


 ヤリスはそう言ってその女生徒から離れる。

 目撃者と言うか、この辺にその時間帯に誰がいたかさえ分からない。



「あれ? そう言えばこの辺のクラスじゃない人ならこっちの廊下で見たけど?」


 諦めて他の人を当たろうとした時に別の子がそんな事を言う。

 私たちはすぐにその子に話を聞く。


「それどんな子か教えてもらえる?」


「え、良いけど、研究室棟とは別の廊下だよ?」


「かまわないわ」


 ヤリスのその勢いに少々たじろぐその女生徒。

 さっきの女生徒は彼女の横まで来て言う。


「あんまりこの子いじめないでよ。気が弱いんだから」


「いや、ごめん。いじめてるわけじゃないんだけど、とにかくその話聞かせて!」


 ヤリスのその勢いにタジタジしながら彼女は話を始めるのだった。



 * * *



「三人かぁ…… 特徴だけで見つけ出せるかどうか……」



 彼女たちの話ではその時間受講が終わってしばらくして廊下に出ると足早に歩く他の教室の生徒がいたらしい。

 あまりこの辺では見ない顔なので覚えていたらしいけど、ここは初級の魔術を習う教室ばかりだ。

 彼女の話では上級生、つまり中級の魔術を学ぶ生徒らしいと言う事だった。

 この学園では制服に入っているラインのカラーで初級か中級、もしくは研究を手伝う生徒か分かるようになっている。 


 それに、正直初級のクラスの子は前世で言う小学生くらいの子が多い。

 ほとんどが貴族とお金持ちの子供たちで、全く魔術が使えないでここへくる子も多い。

 なのでその時間こっちの廊下を歩いていた上級生は目立っていた。



「一人は書類を持った男の人って言うけど、特徴が茶髪でたくましい感じの人ってだけじゃねぇ……」


 一人目は男性で何やら沢山御書類を持って歩いていたそうな。

 本とか書類を持っていたらしいのでどこかの研究室のお手伝いかもしれない。


「後は緑髪の女生徒ととか、青髪の女生徒とかどこにでもいる感じの生徒よね……」


「ヤリスも青髪だもんね~」


 ヤリスのその言葉にルラはヤリスのその長い青髪を見る。

 確かに、こっちの世界ではいろいろな髪の毛の色の人がいる。

 青だったり、紫だったり、中にはピンク髪の人もいる。

 顔つきはほとんどが西洋的な顔つきなんだけど、中には中東系のような人もいるし、数少ない中にはアジア系の顔つきの人もいる。

 

 ユカ父さんみたいに黒髪の人は少ないってのが意外だけどね。


「とは言え、分かっているのは髪の毛の色位だとすると、その辺の人を洗いざらいしなきゃね……」


「沢山いそうだね~」


「でも手掛かりはそんな所しかないのでしょう? どうします、もうこの時間じゃ生徒たちはみんな学校からいなくなっちゃいますよ?」


「仕方ない、一旦ソルミナ教授の所へ戻ろう」


 いきなり聞き込みが困難になったので私たちは一旦ソルミナ教授のもとへ戻る事にするのだった。



 * * * * *



「リルにルラ、話は聞きました。ソルミナ教授の研究室に盗みがあったのですね?」


「はい、学園にも生徒会にも通報してます」


 結局あの後ソルミナ教授の所へ戻っても進展は無し。

 とりあえず現場は立ち入り禁止になってしばらく鑑識に回されるらしい。


 今日は仕方ないと言う事で家に戻って来た。

 そしてユカ父さんが帰って来て今の話だ。


「この学園で窃盗などほとんど無いのにここまで大胆に行うとはですね…… しかも研究室棟の研究室からとなると、場合によっては国がらみかもしれませんね…… リルとルラはこの件に関与しないようにしなさい」


「えっ? なんでですかユカ父さん!?」


「え~、なんでダメなの、ユカ父さん??」


「ぐっ、リル、ルラ、ユカ母さんでもいいのですよ…… この件はもしかしたら他国のエージェントによる強奪の可能性もあります。各国は和平を重んじていますが必ずとも一枚岩とは言えません。どこかの国が強大な力を得ればまた覇権を争う事もありうります。特に今は女神たちがいざこざで動けないという噂は広まりつつある。ともなれば愚行を考える所が出てこないとも限りませんからね。あなたたちは危ないですからこの件には関わらない様にするのです」


 ユカ父さんはそう言ってお茶をすする。

 とは言え、これはソルミナ教授の研究で私たちも沢山協力した件だ。

 

「ユカ父さん、それでも私たちにも出来る事は協力させてください。でないとせっかくみんなで作り上げた連結型魔晶石核が……」


「その件に関しては学園側も全力で捜査します。現在この学園の出入りは全て止めています。結界を越えて学園外に出る事は出来ません。ですから必ずその前には捕まえます。あなたたちは大人しくしてなさい」


 なおもユカ父さんに食いかかってもそう言われ手出しをするなと言われた。

 納得は行かないけど、学園の出入りは禁じられ学園内からはその犯人は出られないのなら大人しくユカ父さんの言う事を聞くしかない。


「絶対犯人を捕まえてくださいよ……」


「ええ、必ず捕まえてみせましょう」




 ユカ父さんはそう言って出かけると言って立ち上がるのだった。



面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

誤字脱字等ございましたらご指摘いただけますようお願い致します。


<業務連絡>

*申し訳ございませんが、海外出張が確定となりました。

2023年9月15日から24日まで上海に行く事となってしまいました。

こちらなろう様は中国からのアクセスが出来ませんので、その間更新はお休みさせていただきます。

不便な国ですよね~中国って……

こんな物語を読んでいただいている読者様には申し訳ございませんが、どうぞご理解の上よろしくお願い致します。

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― 新着の感想 ―
[一言] >研究室棟の研究室からとなると、場合によっては国がらみかもしれませんね……  活動がだいぶ大人しくなってるからと、考えを放り捨てたのかな?  リルとルラがジュメルに狙われてるって、つまり…
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