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腹ぺこエルフの美食道~リルとルラの大冒険~  作者: さいとう みさき
第十四章:脈動
353/438

14-19完成?

故郷のエルフの村へとやっと帰って来たリルとルラ。

しかしその特有のチートスキルが危険視されてエルフの村の長老から修行してくることを言い渡される?

さあ、魔法学園ボヘーミャに留学する事になっちゃったけどこの後どうなるか?

そんなエルフの双子姉妹、リルとルラの物語です。


 エリリアさんの持って来てくれた伝説のマシンドールアイミを作成した以前の学園長、アンナなんとかさんの書により四大精霊の制御方法が分かりかけて来た。

 なので早速それを参考に新型の連結型魔晶石核を作成する。



「出来ましたわ、流石に連続ですとちょっと魔力がきついですわね……」


「アニシス様、ほら回復のポーションだよ。飲んでおきなよ」


 額の汗をぬぐいながら連結型魔晶石核を作成したアニシス様は流石に魔力が少なくなっていている様だ。

 すぐにミリンディアさんが回復ポーションを手渡し、アニシス様はそれを飲み干す。



「ぷはぁ~ですわ。完全回復はしなくても助かりますわぁ~」



 アニシス様はそれを一気に飲んで一息つく。

 そう言えば、回復ポーションって効くのかな?


「ソルミナ教授、前から気になっていたんですが回復ポーションって効くんですか?」


「ああ、あれね? 体内魔素を活性化する為に起因する要素が入っているから人によっては効かないかもね。魔力成分が豊富なモノも使っているから、飲めば多少は効くけどね」


 多少かぁ。

 じゃあその活性化要素ってのが一番重要なんだ。



「アニシス様の飲んでいるのって何が入っているのですか?」


「これですの? 基本的なものは同じですが、私のには恋人たちの雫が入っていますの♡ もうそれだけで私みなぎってきますわぁ~♡♡♡」



 いや何入れてんのぉっ!!!!

 と言うか、雫ってなに?

 恋人の雫ってなにぃーっ///////!?



「リル、あんたまた変な事考えているでしょう?」


「どきっ!? い、いえ、別に変な事なんてこれっぽっちも全く一切考えていませんよぉ~」


 アニシス様の回復ポーションの成分に思わずいろいろ考えてしまっていたらソルミナ教授に突っこみを喰らってしまった。

 べ、別にいやらしい事とか考えていないもん!!


 思い切り頭を振って話題を変える。



「そ、それでこれから精霊たちを起動させ共鳴を始めるんですね?」


「そうだよ。共鳴が始まって精霊たちが精霊力を膨張させ始めたら、君はすぐに言霊に魔力を載せて脅しをかけるんだ。そすれば彼らは君に従うはずさ」


 私のその言葉にエリリアさんはあの書をぺらぺらめくりながら答える。

 そしてヤリスもアニシス様も準備を始める。



「それじゃぁ、始めるわよ。アニシス様、覚醒したらお願いしますね」


「はいですわ。では呪文を唱え始めますからヤリスは力の解放をですわ」



 そう言ってアニシス様は難しい呪文詠唱を始める。 

 同時にヤリスは左右のこめかみの上にぴょこんと三つずつのトゲのような癖っ毛を生やし、瞳の色を金色に変えながら体全体をうっすらと輝き始めさせる。


 先祖返りらしいその女神の力を宿した覚醒状態は身体能力も魔力も大幅に上がる。

 

 アニシス様は呪文詠唱したままその手をヤリスの背中につける。

 そして魔力共有を始めてヤリスはあの連結型魔晶石核を手に取る。



「連結型魔晶石核起動ですわ! そして共鳴フルバースト!!」



 アニシス様は呪文を唱え終わると一気にその連結型魔晶石核から緑色のキラキラした光が放たれてこの部屋いっぱいに広がる。



 ぶわっ!



 それはとても暖かい光。

 不思議と不安はない。

 そしてみんなの思いが私の中に入って来る。



『これ終わったらたこ焼き食べたいなぁ~』


『くふふふふ、精霊と話しできるかしら?』


『アニシス様、今晩あたしの番だけど大丈夫かね?』


『アニシス様~♡』


『明日はあたしの番だよね? アニシス様♡』


『アニシス様と魔力共有出来るヤリスうらやましい……』


『ふむ、アニシス様のおもりも大変だな、そう言えばサ・コーンの奴この後の予定忘れてないか?』


『アニシス様、この後の予定が詰まっているのだが、このご様子ではすぐすぐ終わらんな。ウ・コーンに言って予定を変えねば』



 ……いや、伝わり過ぎでしょ!!

 と言うか、心の声そのまんま聞こえてますってば!!



「気にすることはない、リルはそのまま精霊たちに語りかけてくれ」


 私が思わずそんな事を思っているとエリリアさんは精霊たちに呼びかけるように言う。

 あ、私の考えがエリリアさんに筒抜けだったのか。


 とにかく私は言われた通りエルフ語に魔力を載せた言霊を発す。



「あなたたち、やめなさい! とにかく争うのはやめるのよ! でないとチートスキル『消し去る』であなたたちの存在自体消し去るわよ!?」



 私がそう言うとどんどん膨れ上がっていた精霊力に異変が起こる。

 全て精霊たちがこちらに気付いたように膨張する精霊力を止めた。



『ナンヤワレ、ワシニインネンツケルンカイ?』


『クチヲダサンデオクレヤス、コノイナカモノニキッチリトオシエテアゲマスドスエ』


『シタッケ、ナンバイウダナヤ! オタカクトマルンジャナカ!!』


『ジョウチャンハダマッテイルダンベ、ナッカラモチャツカイレンチュウワカラセテカラダンベ!!』



 ……いや、なにこれ?

 精霊たちの言葉が頭に入って来る??


 と言うか、何語よこれ!?



『うわぁ~、精霊ってこんな分かりにくい言語だったの??』


『あ~お姉ちゃんとソルミナ教授が変な顔してる~』



 精霊たちの答えに戸惑っていたらエルフ語が分かるソルミナ教授とルラがそんな事を思っているらしい。

 この光の中、お互いの意思が分かり合えるので考えている事が頭に入って来る。


 あれ?

 そうするとエルフ語とか関係なくみんなにも聞こえているのかな?


 そう思ってみんなを見ると首を縦に振っている。


 ですよね~。

 考え筒抜けだもんね~。



『はっ!? リル、魔力どんどん使ってるんだから早くやってよ! こいつらの言葉分かりにくいけどこっちの言葉は通じてるのでしょ?』


『言葉というより考えですわね~。リルさん、お願いしますわ~』


 うん、ヤリスもアニシス様にもしっかり聞こえていたのね。

 私は気を引き締め、すぐに精霊たちにもう一度言う。



「いいから私の言う事を聞きなさい! でないとこうなるわよ!! 『消し去る』!!」



 ひゅんっ!



 私は近くにあった魔晶石を消し去る。

 すると精霊たちはその精霊力を一気に委縮して大騒ぎする。



『ソレアカンヤツヤ! キク、イウコトキクワァ!!』


『ソンザイジタイガキエテオリマスエ、コレハアキマヘンドスエ!』


『セイレイカイニカエルンチガウンカイ! キク、イウコトキクワ』


『ハア、オドロイタベエ。ダメダイナァ、オレモイウコトキクンベ』



 その様子を見た精霊たちは慌てて精霊力を引っ込める。

 それを確認して私は言う。


「今後この連結型魔晶石核を使うけど、協力してね。でないと……」


 そう言うと一斉に精霊たちが同意の意思を伝えて来る。

 そしてその連結型魔晶石核は四大精霊の輝く血管のような模様を表面に安定させて浮かび上がらせる。



「成功……しましたの?」


「ううぅん、アニシス様もういい? 流石にこれきついよ」


 連結型魔晶石核が落ち着いたようで稼働を続けている。

 アニシス様は共鳴を止めてあの緑色の光も消える。

 そしてヤリスの背から手を放し、その連結型魔晶石核を手に取る。



「やりましたわ…… やりましたわよぉっ!!」




 

アニシス様は連結型魔晶石核を掲げて大喜びをするのだった。 

  


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