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腹ぺこエルフの美食道~リルとルラの大冒険~  作者: さいとう みさき
第十三章:魔法学園の日々
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13-8ファイナス長老

故郷のエルフの村へとやっと帰って来たリルとルラ。

しかしその特有のチートスキルが危険視されてエルフの村の長老から修行してくることを言い渡される?

さあ、魔法学園ボヘーミャに留学する事になっちゃったけどこの後どうなるか?

そんなエルフの双子姉妹、リルとルラの物語です。


 なんだかんだ言ってガレント王国とティナの国に遊びに行くお許しをもらえた。



「そっか、じゃあ十日間くらい行ってくるのね?」


「はい、せっかくのお誘いでしたし、ユカ父さんも許可してくれたので。ただ、これからファイナス長老が来るみたいでガレント王国までは一緒に行く事になるらしいんですよね~」


 マーヤ母さんに早速ガレント王国とティナの国に遊びに行く事を伝える。

 するとマーヤ母さんは眉間にしわを寄せて聞き返して来る。


「遊びに行くのは良いとして、ファイナス長老がガレント王国に行くですって?」


「はい、そう聞いてます。ソルミナ教授も知っていた様で、護衛のソルガさんに会うのを楽しみにしているようですね」


 それを聞いてマーヤ母さんは苦笑を浮かべる。


「ソルガ、ソルミナに襲われないかしら? ソルミナってまだソルガの事諦めていないのでしょう?」


「いや諦めるも何も、その前に兄妹なんですが……」


 エルフは近親婚があるらしく、兄妹は勿論、親子でつがいになることもまれにあるらしい。

 これは性質が植物に近いからと言われているらしいけど、やはり倫理的に問題があると思うんだけど……


「でも、ティナの国に行くならリルたちにお金渡すから下着を何着か買って来てもらえないかしら? サイズと希望デザインはメモ用紙に書いて渡すから」


「下着、ですか?」


 マーヤ母さんが下着を欲しがるとは。

 下着なんて普通に街で買えると思うけどな?


 私が不思議そうにしているとちょっとだけルラを見てコソコソと話し始める。


「お願いしたいのは普通の下着じゃなくて、夜用のよ。リルには分かるでしょ? ユカと一緒に夜に使うやつよ」


「なっ///////!」


 にんまりとしながらそう言うマーヤ母さん。

 仲がいいのは良いとして、相変わらずお盛んなんだもんなぁ……


「わ、分かりました。これはルラには内密で///////」


「うん、お願い。代わりにお小遣いあげるからね~」


 そうマーヤ母さんはにこにこしながら言うのであった。


 

 * * * * *



「駄目だぁ~全然大きくならなかったぁ~」


「いや、無理でしょあれじゃぁ……」



 翌日ソルミナ教授の研究室にガレント王国とティナの国に遊びに行く事を伝える為に行くと朝から机に突っ伏している。

 そして向こうの机の上にはいくつもの育乳器具が……



「おかしいですわねぇ? これやこれも効果があったとお付きの者は言っていましたの」


「いや、どう考えても無理でしょう?」


 アニシス様は首をかしげながらそう言いつつ、そのうちの一つを取り上げる。


「前に私のお付きだったメイドにはこれでしっかりと協力したら見事に胸が大きくなりましたのに。勿論その後美味しくいただきましたけど、ですわ」


 そう言ってその道具を私に向ける。

 そして「リルさんもやってみます?」とか言う。

 無論丁重にお断りしたけど、ソルミナ教授が涙目でこっちを見ている。



「リルやってみない? 同じエルフでも差異があるか確認したいんだけど……」


「やりません!」


 はっきりきっぱりと答えるとソルミナ教授は今度はルラに言う。


「ルラ、あんたはやってみない?」


「う~ん、おっぱい大きくなってお姉ちゃんが喜ぶならやるぅ~」


 いや、妹の胸が大きくなるのは悪い事じゃないけど、私が喜ぶかと言うと微妙だ。

 自分も大きくなっているなら別だけど、ルラだけ大きくなるのじゃずるいもんね。


「やめときなさい、またアニシス様が使い方教えるとか言って胸触られるわよ?」


「ん~、少しぐらいなら良いけど~」


 おいこらルラ、変な事に目覚めたんじゃないでしょうね?

 とにかくやめるように念を押しておく。



「で、結局リルとルラはうちとアニシス様の所へ遊び行く事が決まったの?」


「はい、お世話になりますよヤリス、アニシス様」


 ヤリスは育乳器具を触りながら私に確認をしてくる。

 ちゃんとユカ父さんの許可も貰えたし、ティナの国にはマーヤ母さんのお使いもある。

 私がそう言うとヤリスもアニシス様も大喜びになる。



「よっしぃ! これでリルとルラを落城するチャンスが増えた!」


「うふっ、私のお部屋に来ればきっとその気になりますわよ~」



 なんかやたらとやる気になっている二人。

 しかしソルミナ教授はそうでもなかった。



「浮かれるのは良いけど、ファイナス長老も一緒に行くのでしょう? あんたたち大丈夫なの?」


「はい? ガレント王国までは一緒に行きますけど、その後は別行動ですよ?」


 ソルミナ教授のその質問に私はそう答えると、眉間にしわを寄せて言う。


「今回ファイナス長老がガレント王国に行のはガレント王国のカムリグラシア王と話があるからよ? あなたたちにもかかわる話のはずだから一緒に行動する必要があるはずなんだけど」



「はいっ?」



 何それ?

 初耳なんですけど??


 首をかしげてソルミナ教授を見るとため息をついて言う。


「マーヤのやつ、知らせを受けていないのかしら? エルフのネットワークで連絡があったはずなのに。まあ、リルやルラはまだネットワークに接続できないから保護者のマーヤから話が行っているとばかり思ったのに」


 ソルミナ教授はそう言って立ち上がり、私たちの所まで来て言う。


「南方のスィーフで『鋼鉄の鎧騎士』が何者かによって破壊されたの。普通なら気にも留めないのだけどその操縦者の話が気になるわ。そして同時に渡りのエルフの情報だとまたあのジュメルが動き出しているとの情報もあるの。だからファイナス長老はその事についてガレント王国へ行きカムリグラシア王と会談をする必要があるの」


 ソルミナ教授がそう言うと私より先にヤリスが驚きの声をあげる。


「スィーフの『鋼鉄の鎧騎士』って、うちの国の中古品じゃないの! いくらスィーフに渡ったからと言っても元ガレント王国の『鋼鉄の鎧騎士』が破壊されるだなんて!」


「それは聞き捨てなりませんわね。ガレント王国へ納入している『鋼鉄の鎧騎士』の素体は我がティナの国産の物、それがたとえ旧型とは言え破壊されるだなんてですわ。それに『ジュメル』と言いましたわね、ソルミナ教授?」


 アニシス様も珍しく目を細め、ソルミナ教授に聞く。


「そうよ、だからファイナス長老が動いた。この事を早急にガレント王国と共有し、そして連合軍に通達しなければならないわ。そして、リルとルラ。あなたたちもこの件には関係があるのよ」



「え”っ?」




 そのソルミナ教授の言葉に思わず変な声が出てしまう私だったのだ。



面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

誤字脱字等ございましたらご指摘いただけますようお願い致します。


<業務連絡>

*申し訳ございませんが、海外出張が確定となりました。

2023年6月17日から24日まで上海に行く事となってしまいました。

こちらなろう様は中国からのアクセスが出来ませんので、その間更新はお休みさせていただきます。

不便な国ですよね~中国って……

こんな物語を読んでいただいている読者様には申し訳ございませんが、どうぞご理解の上よろしくお願い致します。

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― 新着の感想 ―
[一言] >またあのジュメルが動き出しているとの情報もあるの >「そうよ、だからファイナス長老が動いた。この事を早急にガレント王国と共有し、そして連合軍に通達しなければならないわ。そして、リルとルラ。…
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