13-2再確認
故郷のエルフの村へとやっと帰って来たリルとルラ。
しかしその特有のチートスキルが危険視されてエルフの村の長老から修行してくることを言い渡される?
さあ、魔法学園ボヘーミャに留学する事になっちゃったけどこの後どうなるか?
そんなエルフの双子姉妹、リルとルラの物語です。
ガレント王国へうちのファイナス長老が用事があっていく事になったらしい。
当然と言うか何と言うかここボヘーミャにも立ち寄るとの事。
そう言えばお父さんやお母さん、シャルさんとか元気にしているだろうか?
もしファイナス長老に会ったら聞いてみよう。
「ぐふふふふふ、兄さん今度こそは覚悟してください。兄さんを襲って私もしっかりと既成事実を作り子供を身ごもってあげますからね!」
何時になくやる気のソルミナ教授。
私とルラは上半身裸にされて胸囲の測定をされた。
「何も脱がして計らなくたっていいじゃないですか……」
「正確な数値を見る為よ!」
ぶつぶつ文句言いながら服を着る。
ちゃっかり服を脱がされる時にはアニシス様に胸を触られたけど、その時に「まぁ、なんて小ぶりな! これでは先端以外よくわかりませんわ」とか言われて思い切り先端をいじられた。
「それで、今後どうするつもりなんですソルミナ教授」
「そうね、精神的な影響と物理的な影響の両方を同時に試し、その変化の観察をまずはしようかと思うの」
そう言ってまた黒板に何か書いている。
真ん中に線を引き、左に人型を、右側に樹木の絵を描く。
「分かっているのはあっちの世界にある『命の木』に想像力を使って刺激する方法とこちらの世界の肉体に刺激を与える事による方法の二つがある程度の有効性があった。しかしその効果は誤差範囲程度なので確実性に欠ける」
カツカツと黒板にそんな事を書きながら薄い本を取り出す。
「事実上、手段が無くなったと思っていた時に秘蔵の書でこんな事を書かれているのを思いださしたのよ、曰く『もう身も心もあなた無しでは生きられない』という描写ね」
いや、どんな描写だよ!?
いきなりやばそうなセリフを言い出すソルミナ教授。
しかしその台詞をそのまま黒板に書き、重要な部分に線を引く。
「つまり、『身も心も』という所ね、ここにヒントがあると思うの。実際にマーヤやアレッタは何故あそこまで胸が大きくなったか? それは愛する人と思い切り乳繰り合って双方一度に刺激があったからよ!!」
どーんっ!
ソルミナ教授はそんな事を言いながら左側の人の絵の胸に二つの大きな丸を書く。
もうマーヤさんやアレッタさんを思い出すようなものを。
「あの、でもそうするとシェルさんってそれほど大きく無いんじゃないんですか? エルハイミさんと散々乳繰り合ってるんじゃないんですか? 『女神の伴侶』とも言われているし……」
「そうね、シェルは昔からエルハイミさんと一緒にいるわ。しかもシェルは熱烈にエルハイミさんにアタックをかけている。しかし当のエルハイミさんはシェルにまだ手を出していないのよ!」
「はっ?」
えーと、私子供だから何言ってるか分からない。
女の子同士で手を出すとか出さないとか何の事?
そう本気で現実逃避を始める。
おかしいよこの世界。
なんで同性同士で乳繰り合う?
「シェルはまだ乙女だもの、刺激が少ないのよ!」
「どこから出た情報ッ!?」
思わず絶句する私。
というか生々しいからやめて!
「うーんシェルさんって乙女って、みんな乙女じゃないの?」」
「ルラ、あなたは向こうへ行こうね、これあげるからあっちで大人しくしてなさい」
そう言いながらルラにポーチからフランクフルトを取り出して渡す。
「わーい、あたしこれ好き~」
すぐに私から受け取りあっちに行って美味しそうに食べ始める。
なめたり、かぽっと咥えて……
「とにかくソルミナ教授、ルラはまだ何も知らないのですからそう言う事はもっと言い方に気を付けてください!」
「あら? リルは良く知っているってことなのね?」
ぐっ。
いや、知識だけはあるけど、こういった話はもっとオブラートに包んで話してもらわないと。
「でもソルミナ教授、リルとルラの胸を大きくするのって具体的にはどうしたらいいんです?」
ヤリスは私とルラを交互に見ながらソルミナ教授に聞く。
するとソルミナ教授はごそごそと懐から本を取り出して親指立ててにこやかに言う。
「そこなんだけど、この薄い本を見ながら自分でマッサージをして見て!」
「出来るかぁーっ///////!!!!」
私の叫びがこだまするのだった。
* * * * *
「はぁ~」
「あら、どうしたのリル。ため息なんかついちゃって?」
家に戻り晩御飯作りの手伝いをしている。
マーヤさんと並んでお味噌汁を作る手伝いをしているけど、今日の事を思い出し思わずため息をついてしまう。
「いえ、その、ソルミナ教授の研究でエルフの胸を大きくする方法を探しているんですけど……」
「胸? おっぱいの事よね?」
「ま、まそうなんですが…… あの、マーヤさんってどうやってそこまで大きくなったんですか?」
悩んでいても仕方ない。
ここは目の前の巨乳のマーヤさんに直接聞くのが速い。
「うーん、どうって言われてもねぇ…… この胸は前の旦那さんに大きくされたのよ。ユカと一緒になる前にある人と外の世界、ああ、エルフの村の外ってことね。そこで出会った彼と一緒に冒険をしていたのだけど、その頃からかなだんだん胸が大きくなったのは」
「ま、前の旦那様ですか……」
なんかまずいこと聞いちゃったかな?
私が言い淀んでいるとマーヤさんはあっけらかんと言う。
「子作りしたせいかしら?」
「ちょっ! ま、マーヤさん///////!!」
いやダイレクトすぎ!
生々し過ぎ!!
「でもそのくらいしか思い当たらないのよねぇ~。その後エルフの村にしばらくいたけどシェルにもよく胸触られたなぁ~、泉で」
「シェルさん、エルハイミさん一筋じゃなかったんですか?」
「まだエルハイミさんに出会う前よ。私としてはもし子供が生まれていたらシェルくらいになっているかな~って思っていたから好きにさせてたけど。私とあの人の子供は流産しちゃったからね……」
「え?」
なんか重い話になって来た。
というか、そもそもその前の旦那さんって今はどうなったのだろう?
聞きにくくはあっても私は好奇心に負けてしまった。
「その、前の旦那さんは今は?」
「もうとうの昔に死んじゃったわよ。彼、人族だから。本当は『時の指輪』をあげたんだけど色々あって指輪は外したの。そして親友だったユカにその指輪を預かっていてもらったんだけど、いろいろ有って私もユカの事好きになっちゃってね。だから今はユカの奥さんしてるの♡」
ちょと寂しそうに、でも学園長の話をする時は嬉しそうに。
マーヤさんは軽く二千歳を超えている。
私なんかが知らない沢山の過去を持っているのだろう。
私はちょっと下を向きながら言う。
「すみません、なんか余計なこと聞いちゃって……」
「ううぅん、いいのよ。だって今はユカがいてリルとルラがいて、毎日が楽しいのだから」
マーヤさんはそう言ってにっこりと笑う。
保護者として学園長とマーヤさんは私とルラをこの家においてくれる。
それはお母さんの親友というのもあるだろうけど、子供を欲しがっている学園長とマーヤさんにとっては願っても無い機会だったらしい。
「その、ありがとうございます。マ、マーヤ母さん///////」
私がそう恥ずかしそうに言うとマーヤさんは途端に「ぱぁっ」と明るい笑顔になって抱き着いてくる。
「嬉しぃ! リルがやっと私の事お母さんって呼んでくれた!! もう、リルったらっ!!」
え、ええぇとぉ。
マーヤさん本気で喜んでいる。
ルラにはよくマーヤ母さんって言われてたけど、私が言ったらここまで喜んでくれるとは。
「これはユカに自慢しなきゃ!」
「いえ、それは学園長……ユカ父さんの為にやめておいた方が良いのでは?」
私がそう言うとマーヤさんは更に笑顔になって、耳まで少し赤くして笑う。
「そうね、ユカ父さんに自慢するのやめようね。うふっ、うふふふふふふふっ!」
「は、ははははははは……」
そんな事を言って台所で笑いあう私たちだったのだ。
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