13-1研究再会
故郷のエルフの村へとやっと帰って来たリルとルラ。
しかしその特有のチートスキルが危険視されてエルフの村の長老から修行してくることを言い渡される?
さあ、魔法学園ボヘーミャに留学する事になっちゃったけどこの後どうなるか?
そんなエルフの双子姉妹、リルとルラの物語です。
大魔導士杯が終わりまたいつもの日常が戻り始めていた。
「お姉ちゃん待ってよぉ~」
「ほらルラ、遅れるよ」
「行ってらっしゃい、二人とも」
玄関でマーヤさんに見送られながら学校へ向かう。
「「行ってきま~す」」
「はい、行ってらっしゃい」
マーヤさんに見送られながら学校へ行く。
途中ヤリスとも合流して教室へと。
「いや~、お姉さまにも褒められて国に帰ったら私の後宮作るの許してもらえるらしいの。ねえリルとルラも来てよ、私の後宮に!!」
「ヤリス、後宮の意味知ってるんですか……」
「お姉ちゃん、こうきゅうってなに?」
まさかと思うけどヤリスその意味ちゃんと知っているのかな?
「うーん、お父様はお母様に怒られて断念したけど、私好みの女の子をその部屋に住まわしてキャッキャウフフする所でしょ?」
「遠くは無いですが、後宮って世継ぎを産ませるための場所なのですけどね……」
私は知っている知識を披露するとヤリスは途端に驚いたような顔をする。
「じゃ、じゃぁリルとルラが私の後宮に来たら私ってリルとルラに妊娠させられるの!?」
「ちっがぁーうぅっ!!」
無いから、そんな事無いからぁッ!!
大体にして女の子同士でどうやったら妊娠する?
自然の摂理に反する。
無理だっての!!
「あらあらあら~、皆さんそろって登校ですの? おはようございますですわ」
私がヤリスに突っこみを入れていると後ろから声がして来た。
見ればアニシス様がスィーフの皆さんを従えて登校している所だった。
「アニシス様、後宮って私が妊娠させられる場所なの?」
「あらヤリス、どうしたのですの?」
「実はかくかくじかじか~」
朝から何の話をしているんだか……
あきれていると話し込んでいたヤリスが私たちの方を見て目を輝かせて言う。
「つまり私がリルとルラを孕ませるのね!!」
「無いから、そんな事女の子同士でないからっ!」
しっかりと否定をしておく私だったのだ。
* * * * *
「おはよう、リル、ルラ、ヤリス~」
「おはよう~」
「おはよう、凄かったね大魔導士杯!」
教室に行くとアリシスさんやシンシヤさん、ロミリアさんが挨拶をしてきてくれる。
「おはよう、みんな~」
「おはようございます」
「おはよう」
私たちも挨拶を返して何時もの会話が始まる。
大魔導士杯が凄かったとか、私の作った料理がおいしそうだから今度作ってくれだとかそんな日常的な当たり前の会話がされる。
ああ、なんか良いなぁ。
やっぱり友達と学園生活をエンジョイできるのって。
あっちの世界では花の女子高生を全うできずに終わってしまったもんなぁ。
種族は違うけど、ここボヘーミャにいるうちは平民も王族貴族もみんな平等で学べる。
そして彼女たちもそれをわきまえているので学生の間は普通に接してくれる。
同じ土俵に立っている者同士、そこにはクラスメートとしての友情も芽生える。
ちょっと不安はあったけど、私はこの魔法学園に来てよかったと思っている。
「はいはい、みんな受講を始めるわよ。席に着きなさい」
わいわいキャッキャウフフしていたらソルミナ教授が入って来て受講が始まる。
みんなも慌てて自分の席についてまた受講を受ける。
こんな当たり前だけど、幸せな時間がずっと続くと良いなぁ~。
私は本気でそう思うのだった。
* * * * *
「という訳で、研究再開よ! 噂では兄さんがガレント王国にファイナス長老の付き添いで行くらしいわ。当然ここボヘーミャでも何泊かするから夜這いをかけるチャンスよ!」
放課後研究室に呼ばれたので行って見ると鼻息荒いソルミナ教授がいた。
「ちょうどその頃は年に一度のアレが来る前。既成事実を作るには絶好のチャンス! 兄さん、今度こそ覚悟してください!!」
ぐっとこぶしを握るソルミナ教授だけど、ソルガさんやファイナス長老ってここへ来るの?
私はソルミナ教授に聞いてみる。
「あの、そんなにすぐにファイナス長老たちって来るんですか?」
「ええ、約六か月後に来るわ! それまでに何としてもリルたちに協力してもらって胸を大きくする方法を見つけ出すのよ!! 兄さんは胸の大きなエルフが好きなんだから!!」
いや、そんなソルガさんの個人情報要らないから。
それにすぐ来るってあと六カ月もあるじゃないですか。
とは言え、エルフの感覚だと六カ月ってすぐってことなのか……
「うーん、ソルミナ教授その頃ってちょうど夏休みですよね?」
「あら、そう言えば私もその頃は一旦ティナの国に帰らなければですわ」
一緒に来ていたヤリスもアニシス様もそんな事を言い出す。
私は生徒手帳を見ると、丁度夏休みになっている。
「学園長に許可取ってもらってゲートは使わせてもらえるから、リルとルラも一緒にガレントに来ない?」
「あら、それでしたら私のティナの国に来てほしいですわ。私のお部屋を見ていただきティナの国を見ていただければきっとリルさんやルラさんも考えが変わりますわ♪」
いや、何か行ったら余計に怖くなって二度と行きたくなくなりそうなんですけど……
「とにかく研究再開よ! リル、ルラまずは脱いで胸囲の測定よ!!」
「へ? え、あ、あのっ!」
「ヤリス、自分で脱げるよ~」
「うふふふうふっ、私に任せて~」
「あら、では私はリルさんのお手伝いをしましょうですわ♡」
お察しの通り私の悲鳴が上がるのだった。
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