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腹ぺこエルフの美食道~リルとルラの大冒険~  作者: さいとう みさき
第十二章:留学
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12-18イメージトレーニング

故郷のエルフの村へとやっと帰って来たリルとルラ。

しかしその特有のチートスキルが危険視されてエルフの村の長老から修行してくることを言い渡される?

さあ、魔法学園ボヘーミャに留学する事になっちゃったけどこの後どうなるか?

そんなエルフの双子姉妹、リルとルラの物語です。


 ソルミナ教授の秘蔵のお宝本はやたらとヤリスとアニシス様に好評だった。

 ヒーローと悪の女幹部の薄い本は何とかルラの手から奪い取り、代わりに英雄譚の小説を図書館から借りて来て与えておいた。

 

 ルラは漫画の方がいいとか言っていたけど、必殺技から女幹部の衣服を完全パージさせ肉体的にいろいろ分からせちゃうような内容をルラに見せる訳にはいかない。

 勿論他のも危険なモノばかりなので絶対にルラには見せられない。



「リル、あなたの『命の木』なんだけど最近やたらと生き生きしていない? それになんか瑞々しいと言うか……」


「き、気のせいです///////」



 ソルミナ教授に例の機械で私の「命の木」を水晶に映し出してもらっている。

 確かに最近の私の「命の木」は瑞々しい。

 何が原因かは言わないけど、活性化しているのは事実だった。



「うーん、お姉ちゃんの木ってこんなにも葉っぱが瑞々しいんだ~」


「ううぅ、べ、別にいいでしょ///////」



 なんかみんなに覗き込まれていて恥ずかしい。

 ヤリスやアニシス様は首をかしげているけど、エルフには何となくわかってしまうその艶やかさ。

 ソルミナ教授なんかにま~っとか笑って「やりすぎは体に毒だからほどほどにね」とか言っている。


「ん~、健康で良いのは好いけど、やはりこれだけではだめね。そろそろ次の実験を始めましょうかしら?」


 そう言ってソルミナJ教授は私から例の機械を取り外し言う。


「イメージトレーニングも始めましょうか。特にリルはやりやすいと思うから」


 そう言って黒板にかつかつと今までの事を書き出す。

 そして線で分割した左側に人の姿を、右側に木の姿を描く。



「今確定した事はこっちの世界では刺激を与えても肉体の変化は少ない。でも高揚したりそう言ったモノを読んであっちの世界の『命の木』に影響が出る事は分かったわ。想定通りではあるけどね」


 そう言って人側から線を越えて木の方へ矢印を二本書く。

 一つは物理的刺激、もう一つは精神的刺激。

 そのうち物理的刺激に関してはバツ印が書かれる。



「私たちエルフは肉体的刺激だけではダメと言う事は確証できたわ。勿論それも必要だけど、自分だけでやっても効果が無いのはリルを見ればわかるわよね?」



「効果がない?」


「リルさんを見ればわかる、ですの?」


「お姉ちゃん何かしてたの??」



 ぐっ!

 これって公開死刑じゃないの!!

 なに私でそう言った事を暴露する!?



「ソ、ソルミナ教授ぅ~///////」


 思わず真っ赤になりながら抗議の声を上げる私。

 ソルミナ教授はそれでもうんうん頷きながら言う。


「正常な事よ? 女の子だってそう言った気分の時はあるんだし、リルやルラはまだ早いかなぁ~って感じはあるけど反応しない訳じゃないからね。女の子は早熟だもんね」


 いや、そういう事は言わなくていいから!

 アワアワと手を振りソルミナ教授のその言葉をかき消そうとするもしっかりとヤリスとアニシス様に聞かれた。



「ふぅ~ん、リルって意外なのね? 奥手とばかり思ってたけど、いっそのこと私にその身をゆだねて見ない?」


「あらあらあら~、経験では私の方がきっと満足させてあげられますわ。リルさんどうですか、私の所へ来ませんか? どうしてもエルフの方が欲しいのですわ♡」



 いややいや、何二人とも言ってるの!?

 私はいたって健全でノーマルです!

 女性同士でどうのこうのなんて絶対にありえません。



「え~、ヤリスもアニシス様もだめだよ~。お姉ちゃんはあたしのだもん。連れてっちゃダメ~」



 何故かルラはそう言って私に抱き着いて来てギュっとする。

 心配してくれているのかな?

 うれしいのだけど、何故ヤリスとアニシス様がうっとりとしてこちらを見る?



「いいですわぁ~、可愛らしいエルフの双子が抱き合っているだなんてですわぁ~♡」


「い、いいわね、二人同時で面倒見たくなっちゃうわよ! 左右にリルとルラ、もうたまんない!!」



 駄目だこいつら、早く何とかしないと……



「はいはい、リルにその気が無いのなら無理させちゃだめよ? 無理矢理しても大きくならないからね」


「いや、それ以前の問題ですってば。それでソルミナ教授、具体的には?」


 話が進まなくなってきたのでソルミナ教授が口を挟んできた。

 とは言え、もともとはソルミナ教授がヤリスやアニシス様が興味を引くような事言うからいけないんだけど……



「精神的にあちらの『命の木』に刺激を与えるには、恋人を作ってやる事やって刺激するのが一番いいみたいだけど、リルには無理そうなので別の方法で試したいの。うまく行けば全てのエルフの女性たちに希望を持たせられるわ!」


 全てって、そりゃぁ人間の世界とか来ちゃえば実態を知ってみんな気にはすると思うけど、カリナさんみたいにあまり気にしない人もいるしなぁ。

 でもまあ、ある程度大きくなりたいのは女の本音。

 揺れない程度じゃ女性としての魅力は半減だもんね。

 エルフは外観が美男美女ぞろいだけど、女性は皆スレンダーだらけで下手すると男か女か分からない人もいるもんね。


「精神的に刺激ってどうやるんですか?」


「イメージよ。胸を大きくしたいって願うだけじゃなく、自分の胸が大きくなった状況を想像するの。そして『命の木』も幹が太く成ったり、凹凸が出るようなイメージをするの。これをしばらくやりながらこっちの水晶でその辺の変化を確認するの」


 ソルミナ教授はそう言って黒板の矢印で精神的刺激に丸印を書く。


「と言う訳で、リルとルラには自分の胸が大きくなるイメージをしてもらいます」


 こっちを向いてソルミナ教授はそう言う。

 私もルラも顔を見合わせてからイメージをして見る。


 お饅頭がふくれて行って肉まんくらいになるイメージをして見る。

 生前は揺れるくらいはあったから私はイメージがしやすい。

 

 胸が張っていき、先端がやたらと敏感になる成長期を思い出し、こすれると痛いんだよなぁ~とか当時の事も思い出す。

 そしてそのイメージと同時に「命の木」も幹が太くなるイメージをする。



「う~ん、おっぱい大きくなるのって分からないや~。お姉ちゃん出来る?」


「お饅頭から肉まん、お饅頭から肉まん…… ん? イメージできないなら自分の胸に肉まんがくっついているイメージすればいいのよ?」



 やっぱりルラにはピンとこないみたい。

 まあ、生前は男の子で小学一年生になったばかり。

 異性についてだって特に意識した事はないだろうし、女性の胸にだって普通は興味がない年頃だろう。

 小学一年生って言ったらまだお母さんと一緒にお風呂入っている子もいそうだし。


 ちなみに私はお父さんとお風呂入るのは小学二年生までだった。

 お兄ちゃんともそれくらいまでだったかな?


 ああいうのって家族だと異性として意識しないから三年生になる頃にお母さんが一緒に入るの止めてなかったら結構大きくなるまで一緒に入っていたかも……

 恐ろしや習慣。


 いや、エルフになってからは十五歳になっても平気で村のみんなやお父さんと一緒に泉で水浴びしてたけど、今は無理だなぁ。

 意識しまくっちゃうもんね。



「ううぅ~ん、肉まん食べたくなってきた~。一口かじってそこにマーガリン少し塗って食べるのが好き~」


「あ、それ分かる。あんまんでもいけるのよね~」


 ルラのその発言で私もあんまんにマーガリン塗ったやつを思い出す。

 あれって何とも言えない美味しさなのよね~。

 ほんの少しのマーガリンの塩っ気が好いアクセントになって、じゅわっととろけたマーガリンが絡むと周りの皮も美味しくいただけて……



「ちょっとリル、イメージするのは好いけどよだれ垂らす程の凄いのはひかえた方がいいわよ? ヤリスとアニシスがリルの顔見て興奮しているから」


「へっ?」



 言われて見てそちらを見るとヤリスとアニシス様が興奮して私を見ている。



「い、一体どんな凄いこと考えているのリル? もしかしてこっちの本のこう言うのとか!?」


「いえいえ、ここはやはり妄想だけなら何されてもいいですからこう言ったモノでしょうですわ! ああ、高貴な身柄が無理矢理にと、ですわ!!」



 はぁはぁ……



 そんな二人にを見て私は思わず叫んでしまった。



「カレーまんでも食べて正気に戻ってください!!」





 ほんとこいつらは早く何とかしないと。

  

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