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腹ぺこエルフの美食道~リルとルラの大冒険~  作者: さいとう みさき
第十二章:留学
263/438

12-16原理

故郷のエルフの村へとやっと帰って来たリルとルラ。

しかしその特有のチートスキルが危険視されてエルフの村の長老から修行してくることを言い渡される?

さあ、魔法学園ボヘーミャに留学する事になっちゃったけどこの後どうなるか?

そんなエルフの双子姉妹、リルとルラの物語です。


愛は勝つのよ!(ソルミナ談)


 ソルミナ教授は鉢植えのそれに水をやる。

 そして何やら精霊魔法を唱え始める。



「大地の精霊よ、その包み込む愛の優しさで新たな命を芽吹かせて」


 エルフ語でそう精霊魔法を唱えると途端に鉢植えのそれはもこもこと土を盛り上げ芽が吹いた。



「うわぁ~、もう芽が出た!」


「こんな精霊魔法もあるんですか…… でも土の精霊ノーム君に働きかけただけにしては植物の方も反応が良過ぎるような?」


「なになに、これって精霊魔法なの? リルたちも出来るの??」


「流石ソルミナ教授ですわ。お見事ですわ」



 わいのわいの



 鉢植えのそれは見事に芽を吹き葉を開く。


「さてと、準備は出来たわね。ねえあなたたち植物を育てるのに必要なものは何だと思う?」


 ソルミナ教授は鉢植えの出てきた芽を見ながら聞いてくる。

 植物を育てるのって言えば普通水とか太陽とか?



「うーん、水とか陽に当てるってのは普通よね?」


「後は肥料をしっかりやるとかですの?」



 ヤリスもアニシス様も芽吹いたそれを見ながら唸る。

 確かにそれだけやっていれば植物はすくすく大きくなるのじゃないだろうか?



「寒いとダメだから温かくしてあげるとか?」



 それでもルラは他に何が必要か真剣に考える。

 確かに温度も重要だって聞いた事もあるっけなぁ。

 

「そうね、一般的にはそうなんだけどね。今私がしたのは何だと思う?」


「土の精霊に手伝ってもらった様でしたけど?」


 私がそう言うとソルミナ教授がうんうんと頷く。


「私たちエルフは何故胸が大きくならないか? その理由は植物と同じく普通の状況ではただの幹にしかならないからなのよ。つまり、普通の生活とかしていては変わり映えがほとんど無いってことね」


 まあ、食生活もエルフのまず飯は知っている人には知っている栄養素も何もあまり好いものとは言い難い。

 でも稀にマーヤさんやアレッタさん、シェルさんみたいに胸が大きく成る人たちがいる。


 ん?


 そう言えばさっきの精霊への働きかけで聞いた事の無いような精霊へのアプローチだったけど……

 私がそんな事を思っているとソルミナ教授はぐっと握りこぶしを作って熱弁する。



「愛は偉大なのよ! 植物とは言え研究で愛情を注いで育てたモノとそうでないモノとでは発育状況が変わったわ。つまり、ただ機械的に必要な事を行っても植物は普通にしか育たない、でも愛があればその成長も何も全くと言うほど違うのよ!!」



「は、はぁ……」


 何を言いだすんだこの人?

 いきなり「愛」とか言い出すけど、そりゃぁ愛情があればお世話とかも良くなるだろうから植物だってちゃんと育つだろうけど……



「愛?」


「愛ですの?」


「あい??」



 ヤリスもアニシス様もルラも首をかしげる。

 そりゃぁ抽象的な表現じゃピンとんど来ない。


「あのぉ~ソルミナ教授、愛情が必要だってのは分かりますけど具体的には何するんですか?」


「具体的にはスキンシップを増やし、愛を囁き、事を成すのよ!」


 いや、そんな事を植物相手にやって効果なんか出るのかな?

 私は怪訝そうな顔をしてソルミナ教授を見る。

 するとそれに気付いたか、ソルミナ教授は静かに笑う。


「ふふふふ、信じていないようね? それじゃぁ聞くけど身近なマーヤはいつも学園長となにしているの? 精霊都市ユグリアのアレッタは? そしてあのシェルだって悔しいけど最後に見た時は胸が大きくなっていた、あの二人には及ばないけどエルフの中では大きい方よ?」


「そ、そう言えば…… はっ? ま、まさか普通じゃない程乳繰り合うと胸が大きくなるんですか!?」


 私は知っている胸の大きなエルフたちの共通点に思い当たった。

 みんな何だかんだ言って乳繰り合いまくっていた。

 あのシェルさんはエルハイミさんとどうなっているかは良く分からないけど、少なくともシェルさんからエルハイミさんへのアプローチは凄かった。



「ソ、ソルミナ教授まさかそれって言うのは……」


「そう、私たちエルフは外的刺激やら何やらより『命の木』に刺激を与えた方が胸の発育に有利なのよ!」



 どーんっ!



 まさか物理的に刺激したのがダメだったとは……

 道理であれだけ「育乳の女神式マッサージ」を受けても効果が少ないはずだ。

 いや、内緒で自分でも毎日豊胸の運動はしていたけど、一向に変化が無かった。

 あの毎晩合掌して力入れたり、腕組んで左右に上半身をひねったり、ルラに見えない所で自分でマッサージしたりしていたと言うのに!!


「あのぉ~、どうもよく分からないんですが、私がリルやルラを普通に愛でても胸が大きくならないと言うんですか?」


「そうね、もっと深い関係になって双方が愛し合えば効果が出るかもしれないわね」


 ヤリスがソルミナ教授にそう質問するとソルミナ教授は親指を立てながら良い笑顔でそう答える。 

 それを見たヤリスは目を光らせ猛禽類のようなまなざしで私とルラを見る。


「つまり、二人を私の恋人にすればいいのね! いや、愛人でもいいのか、これは萌えるわ!!」


「まぁ、エルフの方の胸を大きくするにはそんな事をする必要があったのですわね? なるほど、これはとても参考になりますわ!」


 い、いや、何を言い出すのヤリスもアニシス様も……

 何故か二人は私たちを見る目が変わっている。


「ただ、その実証例が無いのよ。だからリルとルラに手伝ってもらいたいのよね。あなたたちの発育中の『命の木』になんらかしらの刺激を与えてその成果が出るかどうか。リルについては胸を大きくしたいからこの話受けてくれるわよね?」


「え? ええぇ? いや、胸は大きくなりたいけど何させるつもりですか?」


「ちょうどエルハイミさんの血筋の二人がここに居るから、ちゃっちゃと二人と恋仲になってもらえれば研究も進むわね。どう?」


 いや、どうって言われても相手は同性よ?

 私たちに何をさせるつもりなの?

 私はいたってノーマルで、ヤリスは友人よ?

 アニシス様についてはさっき知り合ったばかりの人なのに??



「はぁはぁ、リルとルラが私のモノになる…… いいわぁっ、無敵の未来が見えるわっ!!」


「ちょうど私の部屋にもエルフの方が欲しいと思っていたのですわ。リルさんとルラさんが良ければ是非にでも。ティナの国のファムさんはあれだけアプローチしているのになかなか振り向いてもらえませんのですわ」


 いやちょっとまてぇーいぃっ!


 何この二人?

 もしかしてエルハイミさんの血筋ってみんなそっち系?


 目を輝かせ迫りくるヤリスとアニシス様に思わず私は悲鳴をあげる。




「にょへぇぇえええええぇぇぇぇぇえぇっ!!!!」

  




「うーん、そう言えばうちの長老メル様たちもおっぱい大きかったなぁ~。邪魔なのになぁ~」


 悲鳴を上げる私を無視してルラはそんな事言いながら鉢植えを日当たりの良い場所に移したりしていたのだった。



面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

誤字脱字等ございましたらご指摘いただけますようお願い致します。


<業務連絡>

*申し訳ございませんが、海外出張が確定となりました。

現在色々と手続き中ですが、2023年4月15日から22日まで上海に行く事となってしまいました。

こちらなろう様は中国からのアクセスが出来なかったと思いますので、その間更新はお休みさせていただきます。

いや、今現在もなんか忙しいので不定期ですが、この間完全に音信不通になりそうなので。

こんな物語を読んでいただいている読者様にはもうし訳ございませんが、どうぞご理解の上よろしくお願い致します。


はぁ~、三年も放置された事務所行きたくねぇ~。

絶対に面倒事しかないもんなぁ~。

あ、現地スタッフからあれやこれやお土産リクエストが……


んな暇あるかよっ!!

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― 新着の感想 ―
[一言] >「愛?」 >「愛ですの?」  お猿さんですか? >「そ、そう言えば…… はっ? ま、まさか普通じゃない程乳繰り合うと胸が大きくなるんですか!?」  お猿さんですね。 >もしかし…
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