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腹ぺこエルフの美食道~リルとルラの大冒険~  作者: さいとう みさき
第十二章:留学
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12-11学園生活

故郷のエルフの村へとやっと帰って来たリルとルラ。

しかしその特有のチートスキルが危険視されてエルフの村の長老から修行してくることを言い渡される?

さあ、魔法学園ボヘーミャに留学する事になっちゃったけどこの後どうなるか?

そんなエルフの双子姉妹、リルとルラの物語です。


ううぅ~、また負けたぁ~(ルラ談)


 受講が終わり一旦部屋に戻って荷物を置いてから試験場へと向かう。

 もうひと月近くあれをやらされているので流石に慣れてはきた。



「来ましたね、それでは始めましょう」


 私とルラはマーヤさんに手足にあの重りを付けられてあの稽古が始まる。

 流石にチートスキルで重りの重さを「消し去る」したのがばれた時には怒られたけど、ひと月近くこれをやらされると何とか【念動魔法】も上手く使えるようになってくる。

 あ、ルラも同じくチートスキルによる重りの軽減は禁止され、純粋に魔力を使って【念動魔法】で重りに対処しなさいと言われた。


 おかげで最初の二週間はすぐに魔力切れをおこし失神してしまうことがしばしばあった。


「「【念動魔法】!」」


 私とルラは【念動魔法】を発動させ手足の重りを操作する。

 そのうえで学園長の攻撃を避けなければならないのでかなりきつい。


「行きます!」


 そう言って学園長は【炎の矢】を数本発生させ私たちに向かって打ち出して来ると同時に刀を抜いて飛び込んできた。

 それを私はチートスキル「消し去る」で【炎の矢】を消し去り、ルラが「最強」スキルで学園長の攻撃を弾く。



 がきん!



「ふむ、【念動魔法】で重りを動かす以外はスキル使用を許可しましたが、良い連携です」


 そう言って学園長は今度は地面から【地槍】アーススパイクを発動させる。


「うわっっきゃーっ! いきなり!!」


「お姉ちゃん!」


 まさかいきなり足元から攻撃を喰らうとは思っていなかったので【念動魔法】の制御が切れてしまい、途端に動きが鈍る。

 それでも容赦なくアーススパイクは私に迫り来るのでルラがフォローで私を抱きかかえその場から飛び退く。


「わきが甘い!」


 びしっ!


 しかしそんな私たちの行動の隙を学園長が見逃すはずがない。

 すぐにルラの後ろに現れ手刀がルラの首の後ろに決まる。 

 

「かはっ!?」


「え? ル、ルラ!!」


 私を抱きかかえたままルラは学園長の手刀により意識を失う。

 でも今はまだ飛び退いて空中だよ!?


 このままでは私もルラも地面落ちてぶつかってしまう! 


「くぅっ! 【念動魔法】!!」


 私は慌てて私たち二人に【念動魔法】をかけて落下速度を少しでも落とす。


 どすん!!


「いったぁーっ! お尻打ったっ!!」


 ルラの頭を守った体勢で地面に落ちたらからお尻から落ちちゃった。

 結構減速は出来てたけど、流石に二人分の重さがかかるので痛い。



 とん



「ふむ、まだまだわきが甘いですね。しかしリルのその判断は悪くない。ダメージは最小限で済みましたね?」


「ううぅ、痛いですけど何とか。降参です、ルラが気を失ったらもう学園長の攻撃なんか避けられないですよ」


 私はルラを地面に寝かせながらお尻を押さえて降参宣言をする。

 すると学園長も刀を鞘に納めマーヤさんの方に向かって歩き出す。


「少々早いですが本日の鍛錬はここまでにしましょう。ルラが気付いたら私の部屋に来なさい」


 そう言って学園長はマーヤさんの差し出すお茶を飲んでから試験場から出て行ってしまった。

 後で部屋に来いって、今日の事また怒られるのかな?


「お疲れ様~、ルラ大丈夫かしら?」


「白目むいてますけど、しばらくすれば気がつくと思います。しかしあの体勢からルラの後ろに回り込むとは……」


 マーヤさんにタオルを渡されながらそう言うとマーヤさんは笑って言う。


「ユカがアーススパイクを放ってあなたたちが避けるだろう場所へ誘導したのよ。ものの見事に先回りしたユカにやられちゃったわね。あなたたちの連携は双子で息が合っているけど、逆に片方がダメになったとたんにもう片方も影響が出るのが問題ね。やはり個々で強く成らないとね」


 マーヤさんの指摘通りだ。

 【炎の矢】を消すのは私、防御はルラの『最強」。

 連携が取れていればきっちりと出来るけど、それが崩れると一気にこちらが不利になる。

 自分の身は自分で守れるようにならないといけないってことだよね~。


「でも、今更ながら魔力の無い学園長って何で魔法が使えるんですか?」


「あら、受講で魔法の原理は学んだのよね? この世界はマナで出来ている。そしてそのマナには魔力が潜み、その魔力は魔素によって生み出される。これが理。でもその理を十分に理解しそして操れれば? ユカは魔法を使っているのではなくその理をいじっているのよ。結果傍から見ればユカが魔法を使ったように見えるけど、実は周りのマナを操作しているだけなのよ」


「マナの操作って、そんな事出来るのですか?」


「それが『同調』の極意よ。魔力の流れを読み取り操作してマナを変質させる。空気の中にだってマナも魔力も存在するからその流れを操りマナを変えれば空気も炎の矢になるわ。分かるかな?」


 マーヤさんにそう言われ思わずため息を吐く。


「普通はそんな高等な事出来る訳無いじゃないですか~」


「ううぅん……」


 苦笑いしてマーヤさんにそう答えているとルラが気付いたようだ。

 それを見てマーヤさんは私とルラに向かって【浄化魔法】を使ってくれる。

 これは体が奇麗になり、服も洗い立ての様になるので女性冒険者には特に人気のある魔法だ。

 以前ユエバの町でネッドさんにかけてもらったけど、この学園でもその呪文が学べるらしい。


 これはしっかりと覚えておきたい魔法なんだよね、女の子としては!



「さて、それじゃぁユカの部屋に行きましょうか?」



 それを聞いて私はもう一度重いため息を吐くのだった。



 * * * * *



「はい? ソルミナ教授の研究室にですか?」


「そうです、彼女からあなたたちを是非にも研究の助手に欲しいとの事で話が来ています。どうしますか?」


 学園長の部屋に行って今日の鍛錬で駄目な所をまたチクチクとお小言を言われると思っていた。

 なので全く別の話だったのでちょっと驚く。



「ソルミナ教授って何の研究しているの?」


 私が首をかしげているとルラは学園長にそう聞く。

 すると学園長は少しためらってからおずおずと話を始める。


「それはその、女性として身体的に不足な部分を大きくすると言う研究で、特にエルフ族にはその効果が大きいと言われる物です///////」


 ん?

 なんか学園長にしては奥歯に何かが詰まったような物言い。

 私がそう感じ首をかしげていると、マーヤさんがにっこり顔で言う。


「そうねぇ、エルフには効果絶大だもんね。私もユカのせいで更に大きくなっちゃったしね~」


「さらに大きくなった?」


 マーヤさんはそう言ってエプロンを押し上げるエルフにしては珍しい巨乳を揺らす。


 って、大きくするってもしかして……



「やります! やらせてください是非にも!!」



 

 私はそう言って思わず学園長の前にのめりだすのだった。



面白かったらブックマークや評価、ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

誤字脱字等ございましたらご指摘いただけますようお願い致します。


*申し訳ございませんが、私生活がまだまだ忙しくなっておりまして更新はしばらく不定期とさせていただきます。

読んでいただいている方にはご理解いただけますようお願い申し上げます。


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