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腹ぺこエルフの美食道~リルとルラの大冒険~  作者: さいとう みさき
第八章:ドドスでのエルフ料理?
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8-9お礼参り?

エルフのマズ飯は鉄板!

ひょんなことからそんなエルフに転生した二人はひょんなことから知らない場所へと転移で飛ばされます。

そして美味しいものを探しながら故郷のエルフの村へと旅を始めるのですが……

エルフの双子姉妹、リルとルラの物語です。


この恨み晴らさでおくかぁっ!!(アンダリヤ談)


「出たなエルフ! 貴様らに消された『賢者の石』の恨み今ここで晴らさせてもらおうじゃないか!!」



 アンダリヤはそう言って取り巻きの怪人たちをルラにけしかける。



「やっておしまい!!」



「あたしは『最強』! 行くぞ悪の秘密結社ジュメル!!」



 ルラはそう言って階段から飛び降りて一番近くにいた怪人に飛び蹴りをする。


「必殺きーっく!!」



 ばきっ!


 どがーん!!



 ルラに蹴られた怪人はあっさりと店の壁を突き抜けて路上へと蹴り飛ばされる。



「なっ!? お前たちなにをしてるのよ! とっととあのエルフをやっておしまい!!」



 アンダリヤのその命令を受けて残りの怪人も一斉にルラを襲い始める。


「ルラっ!」


「必殺見様見まねのドラゴン百裂掌!!」



 かっ!


 どがががががががッ!! 



 ルラに殺到する怪人たちは何とクロエさんの必殺技をまねしたルラに雨あられのように拳を受けて蹴散らされる。


 

「なっ!? そんな馬鹿な!! この魔怪人たちは双備型魔晶石核の怪人、それをいとも簡単に倒すなんて!!」



 アンダリヤはそう言って驚きに目を見張る。

 

「さあ、後はお前だけだ! 覚悟しろ!!」



 すちゃ!



 ルラはアンダリヤの前に立ちふさがり構える。


「くっ、こんな事認められない! 他の支部から魔怪人まで借り受けたってのになんでこうもあっさりとやられるのよ!? あんた一体何者よ!?」


「あたしはルラ! お前たち悪の秘密結社をやっつける正義の味方ルラだ!」



 びしっ!



 ルラはそう言って決めポーズでアンダリヤを指さす。

 うん、完全にヒーローものの主人公だね?


 私は階段をゆっくりと降りてアンダリヤに言う。



「いいかげん諦めたら? あなたたちが悪い事しているのは分かっている。大人しく捕まって牢屋で反省した方が良いわよ?」


「くっ! 貴様、『賢者の石』を消したエルフ!! 私の美貌を奪ったにっくき奴!!」


 いや、美貌も何も魔法でまやかしてただけじゃないの。

 それも「賢者の石」なんて人様の魂削って作るような危なっかしいもので。



「許せない、こうなったら!!」



 アンダリヤは懐から小さな何かを取り出しそれを飲み込む。

 するとアンダリヤの身体が一気に膨れ上がりその姿が化け物になる。

 まるで狼男のように体中に剛毛を生やし、筋肉が盛り上がり爪が伸び牙が長くなる。



『こうなったら【賢者の石】の欠片で作ったこの究極の身体強化薬で貴様らを血祭りにあげてくれる!!』



 アンダリヤはそう叫んでルラに飛び掛かる。


「あたしは『最強』! こいっ!!」


 しかしルラはチートスキル「最強」を使いアンダリヤの攻撃をいとも簡単に避ける。 

 そして怒涛の攻撃をかわし拳を打ち込む。



 ばきっ!



『ぐわっ!』


 アンダリヤは声を上げルラに殴り飛ばされ床に転げる。


『な、何故だ? こんなエルフの小娘如きに!!』


「あたしは『最強』なの。どんな奴にだって負けはしない! さあ覚悟しろ、必殺きーっく!」


 言いながらルラは飛び上がりアンダリヤに飛び蹴りを喰らわす。

 多分コンクリートの壁をも蹴破るほどの強力な蹴りだ、アンダリヤだってひとたまりもないだろう。



 どばきっ!



『ぐわぁっ!』


 ルラの必殺きーっくでアンダリヤは見事に蹴り飛ばされ壁を突き破って道路にまで転げる。

 ルラも私もすぐに外に出てアンダリヤを見る。


『ぐぅ、こ、こんなバカな…… 畜生、ちくしょうぅっ!!!!」



 ばたっ!


 どがーんっ!!!!



 最後にそう言ってアンダリヤは倒れそしてその場で爆発して奇麗に無くなってしまった。



「うそ、爆発するの!?」


「よしっ! 正義は勝つ!!」



 びしっと決めポーズを取るルラ。

 黒煙を残し消え去ったアンダリヤ。


 今一つの悪が倒された。

 しかし秘密結社ジュメルはまだまだあきらめない。

 

 行けルラ!

 悪の手から世界を守る為ジュメルの魔の手から人々を守るのだ!!



 じゃぁ~ん!



「って、ナレーションが聞こえそうだわ。でもまさか本当にアンダリヤが怪人になっちゃうなんて…… 秘密結社ジュメル、確かに関わり合いたくない連中だわ……」



 勝利にブイサインを出しているルラの元にぼろぼろになったメリーサさん他亭主さんやおかみさん、ウスターさんや常連のお客さんまで集まって来た。



「リルちゃん、ルラちゃん……」



「あ、メリーサさん! 悪いやつはあたしがやっつけたからもう安心だよ!」


「いやはや、まさか怪人が現れるとはですよね~」


 とりあえず怪我人はいなかった様だ。

 ほっと胸をなでおろすとなんだかメリーサさんたちが私たちを取り囲み始める。



「へっ?」



「リルちゃんルラちゃん! お店がめちゃくちゃになっちゃったじゃないの!?」


「何なんじゃあれは!? 嬢ちゃんたちの関係者かの!?」


「俺のスイーツどうしてくれるんだよ! 一番楽しみだったイチゴが消し飛んじまったぞ!?」


「俺なんかやっと限定のジェラート入りクレープだったんだ! どうしてくれんだよ!!」


「訳の分からねえ連中と喧嘩するなら外でやれよ!!」



 一斉に私たちに罵倒が飛び交う。

 いや、あれは秘密結社ジュメルのアンダリヤがやった事で……




「「「「なんとかしろよ(してよ)!!!!」」」」


 


「ひ、ひぇええええぇぇぇぇぇっ!!」




 皆さんが興奮する中、私の断末魔がこだまするのだった。 



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