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プロローグ

なろうにも投稿してみようかな、と思ったので投稿しました。

今、俺はVtuberとして、初配信をしようとしている。


事の始まりは一ヶ月ほど前。

大学二年の俺はいつものように配信を見ていた。


「それじゃー!おつぐるるー!」


俺の推しのワイバーン、空走(くうそう) (そら)だ。

Vtuberグループ【アナザーズー(another zoo)】の1期生で、男性が二人、女性が三人所属している。

【アナザーズー】は、別の世界の動物、生き物がいる公園というコンセプトが立てられたグループだ。

だから、ここのライバーは想像上の生物()または飼育員ポジの人が集まっているのだ。


彼女はその内の一人で、ボーイッシュな見た目で、背中にはとても大きな翼が生えている。笑顔はニカッって感じで、牙が覗く。そして男勝りな性格をしているが、可愛いところがとても多い。特にお化けや幽霊が苦手で、ホラゲをやったときは悲鳴が鳴り止まなかった。悲鳴本当に助かった。「わ"っ!」とか、「ぎゃっ」とか「う"がぁぁぁぁぁ」とかそりゃ切り抜きの悲鳴まとめも10万再生軽く行くわ。


デビューしてすぐに知り、初期の頃からずっと追って今や最推しだが、金銭的な余裕が無いためスパチャを投げたことはない。お金欲しい。


ああ、今日も面白かったなー!と思って配信画面を閉じようとすると、

「あ!ちょっと待って!お知らせ!お知らせ忘れてた!」


コメント:お知らせってなんや?

コメント:お知らせ楽しみ

コメント:思い出せてえらい!



「ふふっ、えらいでしょ、ってそうじゃなくて!」



コメント:かわいい

コメント:萌えた

コメント:それでお知らせってなにー?



「アナザーズー2期生!募集します!」



コメント:きちゃ!

コメント:ついに来たか

コメント:皆に会いたいので応募します

コメント:↑邪な気持ちを出すな、それはそれとして俺も応募する



「コメントありがとー!これから公式ツイターでリンクあげるから、今から息巻いてる兄貴も応募してね!でも、私が先輩になっちゃうなぁー!?」



コメント:受かったら姉貴って呼ぶことになる,,,。いいじゃん。

コメント:↑受かってから言え

コメント:妄想したって良いだろ!妄想して受かった時の喜びを大きくするんや!

コメント:確かに、俺も妄想しよ



「妄想は自由だけどね?もしかしたら落ちるかもだよ?」



コメント:現実を突き付けられた

コメント:所詮オタクは時代の敗北者じゃけぇ,,,。

コメント:取り消せよ!今の言葉!

コメント:そう、落ちなければいいんだ,,,。



「まあ、気軽に応募してくれていいからねー!後輩、待ってるよ!今度こそ、おつぐるるー!」



コメント:おつぐるるー!

コメント:おつぐるる

コメント:2期生応募するかー!

コメント:じゃあライバルだな!

コメント:よし、仲良く頑張ろうな!

コメント:や さ し い せ か い

コメント:や さ い せ い か つ



この配信は終了しました



「へえ、2期生か,,,。いいな。」

思い立ったら即行動。

すぐに自分の長所をまとめた動画を作った。

一応、多人数コラボは苦手と表記して。


俺は、地声が高い。

声変わりが来て、喉仏が出ても低くならなかった。

女性のような声でコンプレックスだ。

元の外見がちょっと威圧的なせいで、

会った人にはまず笑われる。

だが、それを武器に、かわいい声、ロリボも出せるようになった。

そして、声を低くする術も身につけた。

エッジボイス。《ref》声帯を閉じて「声帯閉鎖」の状態にし、声を出したときの「ガラガラ」とした(/ref)

これを習得したおかげで、かっこいい声も出せるようになった。

喉をうまく使って、別人のような声を出すことが出来る。これが俺の長所の内の一つだ。

また、俺は演じることが得意だ。

この声を最大限使いこなせる自信がある。

この声のおかげで、声域も広くなって、色んな歌も歌える。この声、日常生活には支障しか出ないんだけどね,,,。


なんてことをまとめた自己紹介動画を、個人情報と共に送った。

俺の名前は白井(しらい) 堺斗(かいと)

大学○年の20歳だとか書いて。

動画編集は得意だし、イラストもちょっとは描ける。

まあ、そんときは正直受からないだろうと。


受かっちゃった。

二次面接の書類が届いて、ホントにビビった。


ちゃんと面接に行った。


「君はここで、何がしたい。」

面接官にそう聞かれたので、


「このVの世界を、内側から支えたいです。

自分も見ていたその世界の中で、自分に出来る精一杯の演技をしたいです。」

と答えた。


受かった。

一次受かったときより驚いた。

ガッツポーズを取りながら椅子から転げ落ちる位には驚いた。


同期は3人いるらしい。


その後、会社に呼ばれて、本社の方に行ったら、マネージャーさんを紹介された。

「よろしくお願いします。あなたのマネージャーを務めさせて頂きます、紅彩(こうさい)綺花(あやか)と申します。まあ、これからはマネとかマネージャーとか個人情報が漏れないような呼び方をしてもらいますけどね!」

「よろしくお願いします!」

と返し、固く握手を交わした。


その後、自分のキャラを決めることになった。

マネージャーが男キャラの絵が並んだものを見せて、

「こちらが用意したこのキャラの中から選んで頂きます。役者や、騎士とか色々ありますけど、ピンとくるものや、気に入ったキャラはありますか?」


「いえ、他に役者に近くて、もう少し幻想的なキャラはありませんか?」


「そういえば、男性キャラしか見せていませんが、絵師さんがこれが合うんじゃないかと思い立って描いた力作があるそうですが、見ますか?」


「はい、でもなんで最初から見せないんですか?」


「いえ、女性キャラなので,,,。」


「え?」


「ほら、この通り,,,。」


そういって見せられたキャラは女だった。

黒髪ロングで眼鏡をかけ、頭にはアホ毛が。

眼は黒。八重歯。

髪には所々銀色の髪が混ざっている。

服は黒ブレザーの制服っぽい感じで、スカートをはいている。

胸元には赤色のリボンがついている。

足は白の靴下に、黒の革靴。

胸はちょっとある。


「このキャラの名前は黒翳(くろかざ) (おおい)

このキャラは幽霊で、憑依が出来る。この体は人形で、他にもいくつか体を持っている。憑依した対象の一部が銀色に輝く。性格は体に持った印象に引っ張られる。昔はアナザーズーの守護霊としてここを守っていたが、平和になって全力で守る必要がなくなったことで、自分の力を眼鏡で封印している。眼鏡を外して一日経つと、全盛期の力が全て戻る。といった設定になります。この絵師さんは、男の娘みたいなやつも一人は必要だろ!設定に合わせるために立ち絵はもう1つ描いてあるから使い分けてくれ!といった感じで、男の立ち絵も用意してきました。こちらです。」


見せられたキャラは、銀髪のイケメン。

銀色の眼で、クールな感じだ。

ちゃんと眼鏡をかけている。

右腕には銀色のタトゥーのようなものがある。

服は半袖の白のTシャツに、ジーンズだ。


「設定を作った絵師さんによれば、声の使い分けが出来て、演技力のある人にこのキャラを使って欲しいそうです。幽霊なので、前世や、引退などが他のライバーとは違う意味でデリケートな話題になります。この絵師さんにとって一番の力作で、白井さん以外にこのキャラを使いこなせる奴はいねぇだろ!と言っていました。あの絵師さん、白井さんの名前を聞いた瞬間に血相変えて設定練り上げ始めましたからね、もしかして知り合いだったりするんでしょうか?」


「ちなみに絵師さんの名前は?」


「ペンネームはくろくまですが、知っていますか?」


「高校の同級生の女友達にそういうペンネームでやってるのがいました。多分ソイツですね。口調がそうですもん。」

きっとこの絵師は黒橡(くろつるばみ)だろう。

ペンネームを一緒に考えた。

高校の同級生で、意気投合してコンビで動画投稿をしたことがある。


「そうですか、まあ別のキャラを選んでも大丈夫ですし、じっくり考えてください。」


「いえ、このキャラにします。

黒翳 覆、俺がなりますよ。

俺にしか出来ないんでしょう?」


「そうですが、大丈夫ですか?

女性キャラまで演じるなんて、きっとこれから自分の中のキャラも増えますよ?」


「俺がやります。決めました。

じゃあ、綺花さん改めマネージャー。

黒翳 覆をよろしく。」


「はい、分かりました。

それでは───。」




と、初配信の為の準備を行って今ここに至る。

ツイターで投稿もした。

反応は上々。

すごい設定だと少々話題になった。


それじゃ、黒翳覆の配信、始めるか!

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[一言] 黒翳群がなろうにキタ―――(゜∀゜)―――― !!
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