第4幕ー6 悲しみを捨てろ
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一瞬にして悪夢がフラッシュバックした。その日も、目の前で家族を惨殺された遺体を見るギラ。ギラは、立ち尽くしていた。母親も妹も父親も血まみれになり見るも無惨な遺体となっていた。家族は、滅多刺しにされ、首も取られており、誰が殺したのか分からない。
「母さん、父さん、、ルネ、目を覚ましてよ、、ねえ、、、、」
「ギラ、あなたは、人を憎むようなそういう大人になってはダメよ。私達は、あなたが尊い人生を送る事を、願ってる。お願い、、私達を殺した奴を必ずこの手で、、」
死ぬ前、ギラに対して母親は、こう残していた。母親だけでなく父親も正義感に満ち満ちていた。
ただ一つ言える物的証拠は、ギラの一族は、生まれつき特殊な能力を持つ種族であったという事だ。それは血清逆流。他人の血液をコントールする事や自身の血液を強化する事で、超人的な戦闘力を得られるという証である。バグミュダットの反乱軍は、その力を狙っていたのか。
「思い出したくない。ただ助けられない命のためだったら、俺は悪魔にでも魂を売ってやる。永遠の命なんてそんなもんはいらねえ。俺は、家族を殺した奴をぶっ潰すために、剣を握る!!それだけだ!!!!」
ギラが剣を握ったその瞬間、ギラの体内の血液が一瞬にして全身に回った。そして凄まじい量の血液が、剣を滴りたると、一気に高速で移動してゆく。燃え盛る炎の中、遂にギラは立ち上がったのであった。ギラの体内に滴りたる血液は、一瞬にして凄まじい量の熱を発生させたのであった。シェニキーシュは両手に持つ機関銃を構えると狂ったように叫び尽くしたのであった。
「家族をぶっ潰した奴を殺す??お前みたいな青二才に何が出来ると思ってんだよ??師匠の命を守る事もできねえクズが、、甘ったれた事ほざいてんじゃねえぞ!!お前ら人類は、生きる価値もねえゴミだ!!!さあ、、消えるんだよ!!!!!」
シェニキーシュの全身は一気に燃え始めたのであった。そして燃え盛ったシェニキーシュの機関銃から燃えるような炎の砲弾が一気に発射されてゆくのであった。シェニキーシュの姿は、全身が燃え盛る不死鳥のようであった。魔導陣を展開したシェニキーシュは、ギラの斬撃を交わし尽くすと口から炎を吐き出してゆきながら、もう片方の片手に所持する機関銃から弾丸を次々と放っていった。無数に放たれた弾丸は燃える炎の中で一気に集まると一気に巨大な鳥の姿へと変化をしたのであった。
「不死鳥の豪炎!!!俺の最後の力だ!!!!!!」
シェニキーシュが姿を変えた巨大な鳥の口から火球が猛スピードで発射されてゆくと、その火球は、周辺の木々に燃え移っていったのであった。燃え広がる悍ましい業火音と共に、火球は一気に木全体に燃え広がってゆくのであった。近くにあった、御神体と言われている菩提樹に火が燃え広がった時、シェニキーシュは、叫び尽くした。そして他の木々が燃え移り、ギラの足元に倒れ込んだがギラはその木々を回避するのであった。
「見ろ!!お前らが神と崇む菩提樹が燃える。どんなに長い年月をかけて、こんなに大きく成長した菩提樹ですらこのように燃えて一生を終える。これこそまさに終焉の菩提樹(メシアの菩提樹)だ!!!!!!メシアとは終焉の意!!!!」
激しく燃える菩提樹を背景にシェニキーシュは、叫んだ。シェニキーシュに対して、ギラは、瞬間移動をすると、剣で斬り付けていったのであった。シェニキーシュの身体から流れ出る凄まじい炎は、ギラの剣先へと、燃え移ってゆくのであった。ギラは凄まじい火と暑さに耐え抜くと、燃える火球の中を突き進んでいった。
「ふざけるな!!!メシアだと、、メシアとは救世主の事だ!!!!命を与え、救済する神こそがメシアだ!!!!滅ぼす事しかしない奴らが、メシアを名乗るんじゃねえ!!!!俺は悲しみを捨てた!!!」
凄まじい火球が渦を巻くように、ギラの身体を包み込む中、ギラは、血清逆流を発動した。血清逆流を発生させた事でギラの身体から発生した血液が剣を滴りたったのであった。そしてシェニキーシュの身体に剣が突き刺したのであった。
「おいおい、、、剣を刺した所で俺は、、、殺せな、、、、おい、、まさか!!!!!!!」
「残念だが、、終わりだぜ。鳥野郎!!!!!!!」
次の瞬間、シェニキーシュの身体の血液が一斉に逆流したのであった。そして次々とシェニキーシュの身体内にある血管は膨張していったのであった。ギラの刺した剣により、膨張した血管は一気にシェニキーシュの身体を破裂させたのであった。ギラは既に術式を習得したのであった。血清逆流の第一奥義、血流膨張を発動させた事により、メシアの菩提樹の中将であるシェニキーシュ・ノヴォサートの身体中の血液は、爆散するように散っていったのであった。
血液が、飛び散る中、シェニキーシュの身体は激しく燃えていったのであった。
ギラは傷を押さえながら、倒れ尽くすジョナサンに声を掛けた。
「師匠!!まだ間に合います!!!」
その時、ギラの元にソフュシアとデュオシュアが現れたのであった。ソフュシアは救護魔術を発動させると倒れ尽くすジョナサンに近寄るのであった。
「そこの少年私がそのお方を治癒致します。急いで逃げて下さい!!お父様の所へ!!!!」
「なんだ、、、あんた達は、まさか狗族、、こいつらの仲間か、、、師匠の命は助かるんだろうな???」
ギラは、デュオシュアらに激しく問い詰めたのであった。そんな中、巨大な航空機が上空に出現した。第421突撃隊が出撃したのであった。巨大な航空機からパラシュートで滑空したジャガーの獣人のマレク・ナダラーダルは、ギラを抱えるとそのまま一気に森の外へ移動しマレクは小型飛行機からギラを連れて逃げるように指示したのであった。
「私は人間であろうと助ける。絶対に止めたりはしないさ!!メシアの菩提樹の航空要塞はすぐそこに迫っている。さあ早く撃墜される前に、バグミュダットの航空基地まで運ぶぞ。
「教えてくれ!!メシアの菩提樹って一体なんなんだ??奴ら、鳥人族の目的は、、、、」
全ての真相をフェムシンムの長であるデュオシュアから聴いたマレクは鳥人族の恐るべき野望を遂に話し始めた。彼らが様々な星を渡っていた理由は、宇宙に眠る碑石を探す為であった。
「メシアの菩提樹って言うのは、奴らの故郷、ノーポジフェザードに生えている一本の大樹の事を指すんだ。遥か昔、宇宙神ジュラーセは、その菩提樹に巣を作り、その菩提樹から鳥人の祖を作り出したと言われているのさ。ジュラーセっていうのは、鳥人に限らず、様々な生命を生み出した不死鳥の事だ。そして鳥人達はその菩提樹を御神体として救世主の意味を込めてメシアと名付けた。その菩提樹の樹液には不死の生命を手にする力があった。しかしその菩提樹は、アルデバランの超新星爆発から発生する恒星フレアにより、焼けてしまった。そして菩提樹を失った鳥人族は永遠の命を手にする事ができなくなってしまった。そしてメシアの菩提樹は終末を意味する証として鳥人族の間で祀られるようになったのさ。
そして奴らは、様々な惑星を渡り碑石を探していた。碑石に封印されし3つの神が復活させる為にさ。結局碑石は他の星では見つからなかった。奴らは、星の生命を奪っていったのさ。自分達が長生きする為にね。
メシアの菩提樹の本当の目的は、この星に眠る碑石を使い、神を封印から解き、この星に菩提樹を蘇らせようとしているのさ。」
「ふざけんなよ。俺たちの住んでいるバグミュダットを火の海にするなんてそんなの絶対許さねえ。俺達の世界は、絶対にそいつらに破壊させるのだけは、なあ、、師匠の命は助かるのかよ、、」
ギラは心配になり、航空機を操縦するマレクに質問するのであった。マレクが眼下から見渡すと激しい炎の渦や業火と共に、バルトアの森一体は火の海に包まれていた。そしてメシアの菩提樹の航空要塞フィオクラシアから多数の爆撃機が姿を現すと、バグミュダット公国の街に次々とクラスター爆弾を放ってゆくのであった。やがてバグミュダットの航空機地に小型飛行機が到着するとギラの前に1人の男が現れたのであった。まるで巨大な髭を垂らすその男の年齢はかなり高齢に見えた。だが、それ以上に強大な魔力を持つ人間である事をギラは、感じ取ったのであった。
「あんたは??」
「私の名は、ローゼンホルンだ。初めましてだな、、ギラ。お前は親を失ったと聞いた。どうだ。私の元で剣客として働く気はないかね?人斬りとして。」
その男とギラの出会いこそが後にバグミュダットを震撼させる空前絶後の大事件へと繋がってゆくのである。
「人斬り???」
ギラは、ローゼンホルンに再び聞き返して尋ねるのであった。
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