第4幕ー3 王妃の首飾り
凄まじい吐血をした豚の神のナハトは碑石に戻された。ヴィッテルスバッハ家に祀られている3つの碑石の一つにデュークは封印されていなかったのだ。何とも言えない事実にゲオルグは怒り狂うのであった。後宮は派手に燃え広がり火の海と化した。ソフュシア、デュオシュア、エマニュエル、ゲオルグらバグミュダット公国の王と部下達は、シューティアンヴェルダ後宮の外に避難していた。
「ナハト、、何故あの化け物なのだ。レジナルド、、貴様ちゃんと調査したのか。まるで外れ籤を引いてしまった気分だ。貴様は、ガイヤール城の事実を隠蔽したのだとしたら、仕事の出来ない奴だ。」
レジナルドは帽子を被ると、通信魔法を繋げながら、ゲオルグへと頭を下げた。プライドが許せなかった。ここまで、自信がありとあらゆる収集した情報を元に、調査してきた文書に記されている碑石の所在が違っていた事実を受け入れられなかった。
「申し訳ございません。ヴィッテルスバッハの記載した文書には、確かに書いてあったのですが、ヘルヒュート大陸には、確かに残りの碑石は存在しているとの事です。もしメシアの菩提樹の手にでも渡ったりする前に確実に手を打たなければ、碑石の2つは、一体??」
その時、ソフュシアは、先程ナハトと心を通わせた際に、言っていた事を思い出したのか、ヴィッテルスバッハに対して口を開いた。
「知っています。さっきナハト様と意識が繋がった時に、薄らと、バルトアの森と言ってたのです。バルトアの森に真実が隠されている筈です。あそここそ生き物の祖と呼ばれる森です。彼処には神がいるとするならば、彼処には、デュークがいる筈です。枢機卿、バルトアの森を調査するべきなのでは?」
「ソフュシア、、バルトアの森は今の状況でメシアの菩提樹による空爆で酷い有様だぞ。彼処に1人で向かうのは、やめた方が良い。彼処は、、今や奴らに占領されたのだ。あの森は、火の海と化した。山火事が起きて、マグマの大変流が起きた。それとも、デュオシュアと私と向かうか。」
レジナルドが問う中ソフュシアは否定的な気持ちになったが、決意を新たにすると答えた。
ソフュシアはナハトの炎を受けた際も、治癒魔術の能力で無効化したお陰で、負傷しなかった。それが役に立つかもしれないのだ。
「私には古から伝わりし、治癒魔術があります。その魔術の力が役に立つので有れば、私は、今回の計画に乗らせて頂きたいんです。しかし、鳥人族は危険な種族だというのは承知の上で行かせて頂きたいと存じます。負傷者の救護にあたるならば、それでお願い致します。」
「私が、加勢するよ。あんたの力を信じてみたい。バグミュダットが壊滅的な状態でわたしにも人類を助けたいって言う気持ちは強いんだ。死んでしまった兄さんの為にも。奴らに殺されたんだ。これ以上、星を取られちゃ溜まったもんじゃないからね。その碑石とやらも探す手立てを見つけるのだったらね。」
そこへ現れたのは獣人族の航空隊の隊員であるジャガーの獣人のマレク・ナダタールであった。マレクは、第421爆撃隊のパイロットとしてその名を轟かさせていた存在である。今回のメシアの菩提樹の反乱に伴い、銀河連合からの使者として、獅子座のレグルスの第一惑星であるエウレカに居住する獅子の獣人のケープ・ルーフェルト・ナスティンと、虎の獣人のモーゲルマン・ユーぺザート・アーキスも参加を表明した。
「俺も参加したい。俺、鳥人族憎い。あいつらに星を破壊された。俺の名前、ケープ・ルーフェルト・ナスティン、機関銃の名手。早撃ちの名人。デュール王国も憎い。とりあえずぶっ潰さなければ、気が済まない。世界の破壊ばかりは、どうしても避けたい。」
「僕はモーゲルマン。僕達は、反ネーデルモーゲン帝国国軍の中でも航空隊の『リュオデンフィークスの慈悲』のメンバーで構成されているんだ。舐めないで欲しいなあ。僕なんか、鳥共を焼き鳥にして喰わないと気が済まなくなっている事態なのにね。」
モーゲルマンは、第21突撃隊の隊員であると同時に、デュール王国のヴィッテルスバッハ家の政策に対して否定的でありデュール革命の勃発させるのもエスポルアースに来た目的であった。
「メシアの菩提樹の最終的な目標はデュール王国の王妃が持つ首飾りを手に入れる事だ。デュール王国の首飾りを手に入れそれを闇の商業組合に高く売りつけるんだよ。デュール王国原産の金で出来た首飾り程美しく、売れる宝物は無いからね。デュール革命の動乱に向けて動き出すかもしれないね。」
そしてデュール王国のガイヤール城から、遥か、40kmの地点で、幾つもの16式機動戦車が立ち並びデュールの国民の意見は一つになった。それは絶対王政の廃止であり政治を民衆の為にするという事である。デュールの中心都市の一つであるシューテンベイ・ロワイアに国民の大群衆が集まると、6000人近い民衆が一斉に旗を掲げた。凄まじい音と共に、4機の戦闘機のモラーヌ・ソルニエ・406が地を飛び立った。そして革命の頂点に立つ男こそが、ファンセンドルフ・ローシィート卿であった。
「セルディール監獄は、占領した。王妃の首を討ち取るのだ。政権は王国ではない、、デュールは神聖帝国として生まれ変わるのだ。そして王権を要した国家こそが、皇帝としてその名を連ねてゆくのだ。」
ローシィート卿の叫び声と共に市民は遂に王国軍と激闘したのであった。デュール王国軍は、大多数の機関銃を所持していた。そして三万丁の小銃を使うと、セルディール監獄に捉えられていた犯罪者達は解放されたのであった。犯罪者の1人にジョルドア・セルディウスは今回の計画の詳細を監獄内の人間達から聴いており、セルディール監獄の頑丈な格子が破られた後も、入手した機関銃を王国軍に向けると撃ち尽くしてゆくのであった。
「「俺達は、解放されたんだ。ヴィッテルスバッハは死んだ。俺たちの自由だ。俺達は奴隷から解放される。万歳!!!!さあ、死ねよ!!!!ゴミ共が!!!!俺の家族を、ゴミみてぇに、、、、殺しやがって、、、、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」」
「くそ、、甘く見るなよ!!雑魚兵士の癖に!!!俺達義勇軍の活躍あるからこそ、王国の未来は期待されんだよ!!」
ジョルドアは、銃を使うと、怒りを爆発させながら国軍の兵士達を銃殺していった。恐るべき威力により王国軍の兵士達の頭部や腹部に銃撃痕が残りそこは死体の山とかしてゆく。既にソルシア共和国では連邦国家が崩壊して、共和国として、国家が出来上がっている。ジョルドアはソルシア共和国の妻と結婚して二児の父であり妻から様々な情報を入手していた。囚われていた時も妻の祖国の国家の崩壊。財政が崩れ始めると連邦は崩壊してゆく。
そんな中、デュール王国のガイヤール城では、1人の王妃がまさに処刑場へと連れて行かれようとしていた。王が毒殺された日の晩、王妃であるマリア・ブリーゼマイスターは城郭の地下室で投獄されていた。そして全ては、王妃の首飾りが関係していた。ガイヤール城の地下室で恐ろしい拷問の数々に繋がってゆくのだ。
「王妃、、お前の侍女は、拷問しても首飾りの所在を一才、、吐かんぞ!!!!答えろ!!!!侍女13名は、串刺しにした末、鋸でバラバラに切り裂いた。獣人族の餌にするのがもってこいのようだ!!!首飾りはどこにある。言え!!」
義勇軍の役人達は、マリアに強く問いただすのであった。




