第4幕-1碑石とヴィッテルスバッハ
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「倒すべきはフリードリッヒ・フォン・ヴィッテルスバッハだ。今の時間、奴は至福の時間を送っている筈だ。寝室で好きなクラシック音楽か、ジャズでもかけているのであろう。」
ファンセンドルフに連れられソフュシアはガイヤール城の門の前までやってきた。辺りは真っ暗であり、獣人の気配すらなかった。門の前には、関所があり役人と思わしき男達が3人程立っていた。
「ヴィッテルスバッハ陛下に面会致すべく、やって参った。通せ。」
「この時間に面会ですか。大変珍しいですな。陛下は現在、ヘルデューク共和国の貴族の方々と会食の最中です。ファンセンドルフ・ローシィート卿が何の御用です。サブディレイズ政策の事については陛下は、ご反対されておったのです。」
関所の役人は疑いぶっていたが、そこへ、ファンセンドルフに面識のあったもう1人の役人が現れると、ファンセンドルフに対して会釈をするのであった。
「狗族の客人だ。偉大なるフェムシンムの民のお客様だ。ローシィート卿である。ヴィッテルスバッハ陛下とは面識のあるお方だ。大変失礼致しました。」
門が開けられると、ガイヤール城の凱旋門が開けられたのであった。凱旋門の右脇と左脇には、黄金のライオンの巨大な彫像が建築されていた。その彫像こそは、ヴィッテルスバッハの父親であるウェルネス・フォン・ヴィッテルスである。
「国民からかき集めた税金でやりたい放題やりやがったのですよ。奴の首を刎ねたい気分ですぞ。良いですか。税金を使って、贅沢をしているのはフリードリッヒの妃であるマリア・ブリーゼマイスターです。全くあの馬鹿王妃のせいで。市民は貧困に晒されておるのです。暗殺計画では、市民革命を起こすのです。市民に呼びかけるのですぞ。碑石の神々を呼び起こす事であります。フリードリッヒ王に面会致しますぞ。」
城郭の凱旋門からガイヤール城の中へと入ったソフュシアは驚愕したのであった。民衆を導く女性を中心とした絵画が飾られている。上流貴族を潰すべく民衆を導く様にと考えたのか。
「地球という惑星からの産物でしてね。民衆を導く自由の女神という名前らしいのですよ。なんでも名前をドラクロワというらしくですね。まるであの絵画に市民達は導かれているようですよ。何千年も昔の話です。今現在の王国歴3680年ですから、2000年も昔に地球という惑星では既にこの様な文明が築かれていたのですな。女神は美しい人間の姿をしていて決して天使ではないのです。苦しみから解放される人類人類という生命体が文明を築き上げ、生命の反映を推進したのです。」
ファンセンドルフはソフュシアに分かりやすく説明するのであった。
「天使とは、羽が生えた神様ですよね。神話では、苦行に紛れた生き物を救い、楽園へと導く存在だと書かれています。やはり女神とは違うのですね。私は、狗族の血を引くフェムシンムの民であります。エスポルアースの地上の文明が崩壊して人類や魔族が絶滅して、文明を作ったデドアラ神が文明の祖であるならば、女神アーリアが天使であると思ったのです。それほどまでに女神は美しく天使のようで有らなければならないのです。しかしこの女神は天使には相応しくないようですね。このような争いを導くのは女神とは呼べないのではないでしょうか??」
ソフュシアが不意にそう呟いた時、奥の広間から、ハープの音色が聴こえてきたのであった。その美しいハープの音色に一瞬ソフュシアは心を奪われそうになってしまった。ハープの音色が静まると、ハープを弾くヴィッテルスバッハの姿があった。
「父上からの産物でしてね。まあ惑星と惑星の間でずっと取引を重ねていましたから。絵画などがっぷりありますよ。愚かなる父上でしたね。本当に。私は信じていませんよ。これはファンセンドルフ殿、私の城に何の御用ですかね。まさかそのフェムシンムの女を使い謀反でも起こそうなどと考えているのではないですかね。」
フリードリッヒ・フォン・ヴィッテルスバッハは、王としての威厳に満ち満ちていた。ライオン系獣人であり王を象徴とする立派な立髪は、己に楯突く者を全て排除してきたような恐ろしい眼差しであった。
「陛下!!そんな訳がないのでしょう。さあ、、私目も一緒に会食に参加させて頂きたい限りです。さあソフュシア殿もご一緒に。」
「私は、、、別に構わないです。そんな客人とも決して言える身分ではございませんのです。」
「しかし、ローシィート卿お見事ですね。貴方がお連れした客人は、大変お美しいお方だ。そして、私に対して控えめな姿勢である事が更に美しいですね。」
ヴィッテルスバッハはソフュシアに囁くように話しかけた。ヴィッテルスバッハはソフュシアの肩に手を掛けようとしているのであった。qそれに対してソフュシアはまるで嫌がらせのように捉えたのか激昂しヴィッテルスバッハの頬を叩いたのであった。
「ちょっと良い加減に、、辞めて下さい!!私は陛下の事は確かに偉大なる王として尊敬はしていますが、フェムシンムの民を王政から引きずり下ろして下民の身分にまで落とした事は、私にとって許される事ではないのです。私は決して陛下の元に行く身分ではございません。」
「失礼な態度を取る女である事だ。まあご案内しよう。客人の中には枢機卿レジナルド・ポール様も来ておられるのでね。あまりそういう態度をすると枢機卿のお怒りを喰らう事になるぞ。」
ファンセンドルフと、ソフュシア、そしてヴィッテルスバッハの3人は、城郭内にある客人をもてなす部屋へと案内された。その部屋にはエルフの貴族らや他の諸国からの使いが一堂に会食していたのであった。そんな中にバグミュダット公国の枢機卿であるレジナルド・ポールも来ていた。レジナルドは、バグミュダット新政府軍の幹部であり、今回は、メシアの菩提樹による反乱の詳細を伝えに来たのであった。
「ヴィッテルスバッハ陛下。我がバグミュダット公国は、メシアの菩提樹の侵攻により空爆が実施されて、街は火の海と化しました。ノーポジフェザードの鳥人族の軍隊は恐怖の対象です。その為には碑石が必要です。今こそヴィッテルスバッハ家に伝わりし神の力を目覚めさせるべきではないのではないでしょうか?」
「レジナルド枢機卿、、碑石は渡さんぞ。ヴィッテルスバッハ家には高度な魔術を使う騎士団の力が存在するのだ。それに我が国の軍事力を舐めてはいかんのだ。神に誓ってでも、王国の秩序を乱す神の復活は許さんのだ。偉大なる神デュークがヘルヒュート大陸を作ったのだ。もし神が復活すれば、神は怒り狂い、この世界を壊すのだろう。」
「陛下。我が国はバグミュダットの未来の為です。碑石を我が国に。」
その時であった。ヴィテルスバッハの飲むコーヒーに毒が盛られていたのか、ヴィッテルスバッハはもがき苦しんだ。青酸カリがコーヒーに入れられていたのだ。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ、、、、、、苦しい。。。くそ苦しい。。。。一体誰が、、、、、まさか、、、!!!!!!うわぁぁぁぁ!!!!!!貴様、、、レジナルド、、、、」
「さあ、、、宴の時間はお終いだ。民衆を欺いた罪だ。公国貴族は貴様を王座から引きずり下ろす事しか考えていないようだ。貴様の部下もこの城郭に居住する全ての獣人族が貴様の失脚を狙っている。デュール革命を起こすのさ。財政を悪化させた状態で貴様から王座を奪い取る事こそが、我がバグミュダットの策略なのだ。哀れな王よ、セルディール監獄の武器弾薬庫は制圧したぞ。奴の一族も含めてセルディールに送り込みだ。」
ヴィッテルスバッハは悔し紛れに口から血を吐き息を引き取ったのであった。そして、レジナルド枢機卿は狼の姿へと身体を変化させた。レジナルドはフェムシンムの末裔であったのだ。
「レジナルド様、私目の為に、」
「ソフュシア、暫くだな。こんなに大きくなったか。デュオシュアとは長らく会っていないのだが。さあいよいよだ。碑石は、王の部屋に存在する。概略図を持っているのだろう。私についてくるのだ。」
そしてレジナルドに連れられて、王室の奥の部屋に立ち入った。そこには、煌びやかな金の首飾りやネックレス、そして金杖も置かれいた。黒曜石の如く、光沢に磨かれた石が、置かれていた。
「これこそが碑石だ。そして、この碑石には、生の神デュークが祀られている。」
レジナルドはそう言うと碑石を差し出すのであった。
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