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エスポル旅行記~夢幻の園~  作者: アリナス
第2章 最後の希望
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第3幕ー9 夢の世界へ

涼しくなってきましたね。


 はっと目を覚ますと雨が降り続いていた。辺りは火の海と化しており、上空には、巨大な戦闘機の数々が飛行していた。ギラは、猛烈な痛みを感じたのであった。自身の身体から滴る血液に全身の痛みを感じたギラにジョナサン・ヴェードは声を掛けた。


「侵略戦争だ。アルデバラン連合会に属していたノーポジフェザードのメシアの菩提樹って呼ばれている鳥人族の奴らがエスポルアースに攻めて来ちまった。俺達の仕事は、この世界を脅かす者と剣を交えて世界を救う事だ。それがこの世界における剣客であり魔道士としての宿命だ。見ろ朽ち果て焼き尽くされてゆく俺達人類の世界を。これほどまでに哀れで無慈悲だ。」


その日ノーポジフェザードの鳥人族の侵略により、バグミュダットの街は、壊滅的な被害を受けた。鳥人族のメシアの菩提樹は、ルズトゥンベルトを空襲後、メーデル高原にてエルフの軍隊と大激闘を繰り広げ多くの市民が虐殺された。ギラは戦闘の記憶がなかった。血清逆流の能力を解放してから、ジョナサンと激しく戦闘していたが、ジョナサンに不意を突かれバランスを崩した。


「まだ負けない!!俺は仇を取るんだ。絶対必ず!!」


「お前みたいに復讐を願って魔道士とか剣士になるものもいる。それだけじゃねえ。己自身に何が欠けているのかを完璧に模索するのが大事なんだ。そうやって俺の弟子は偉大な剣士、剣聖へと育っていったぜ。」


そんな時、ルズトゥンベルトからサミュエルを連れて逃げてきた、ジョナサンの一番弟子であるジェームズ・バーターは、ジョナサンの前に現れた。


「ジョナサン師匠!!ただ今戻りました。ルズトゥンベルトは既に空襲により壊滅状態の中、、1人女の子を保護しました。母親と逃げていたのですが、母親はもう鳥人族によって、、、、、」


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーんんんん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


サミュエルは母親を失った苦しみと目の前で大勢の人が殺された絶望からただひたすらに涙を流した。たった1人と自分を育ててくれた両親を失った苦しみが心の内面を抉り取るようにサミュエルを襲った。辛い。もう孤独だ。まだ10歳の彼女にとって両親の死は余りにも重すぎた。


「嬢ちゃん、、、辛い苦しみはわかる。この世界で親を失った子供を俺は何人も見てきた。どうだ俺の元に付いてこないか。俺は、バグミュダット旧政府軍のジョナサン・ヴェード!!こいつは一番弟子のジェームズ・バーターだ。こいつはギラ、、遂に先日入ったばっかりの新入りってとこだ。」


ジョナサンはギラが自分の元に修行に来てくれた事が相当嬉しかったのか己の判断で冗談めいて言うのであった。それに対してギラは恥ずかしそうに反論した。本人曰く、勝手に決められたと判断したのだ。


「って俺はまだ入るとは言ってねえよ!!」


「でもな、、俺の元にいれば衣食住は保証されるぜ。その代わり朝から晩まで剣術稽古に付き合ってやる。これでも、俺は魔道士だ。修行すればお前だってきっと素晴らしい魔術を手に入れられるぞ。」


ジョナサンはギラとサミュエルを引き取る覚悟であった。そしてのちにこの2人がジョナサンの元へで居住する事で魔術を解放して、バグミュダットの煉獄の七眷属になるのである。

 鳥人族のメシアの菩提樹の巨大な戦闘機が4機程バグミュダットの上空に現れた。戦闘機にはメシアの菩提樹の中将であるコンドルの鳥人のシェニキーシュ・ノヴォサートと鷹の鳥人のイミーグレム・ネプラッシュの2人が、指揮を取っていた。イミーグレム・ネプラッシュは、アルデバラン連合会に対して氾濫を起こした貴族の一味である「ネルディーバード」の一味であった。2匹は眼下の街が燃えていく様子を観察すると自分達の軍勢を肯定していた。シェニキーシュは、イミーグレムに話しかけた。


「見ろ!!イミーグレム!!馬鹿な人間共は既にご覧の有様だ。我がメシアの菩提樹による攻撃に手も足も出ていない。無力なものだ。俺達の技術力の極みであるこの航空要塞、フィオクラシアはきっと爆撃にもすんとも言わないのでろう。」


「落ち着け、、シェニキーシュ!!!既に第2981ノーポジフェザード爆撃航空隊は、ルズトゥンベルトを爆撃した。既にバグミュダット公国は壊滅的な被害状況だ。それにこの航空要塞フィオクラシアは丈夫に出来ているからなあ。俺達の技術の結晶だ。さてと会議の時間だぜ。」


2匹は席を立つと軍用会議が行われている中央会議室へと向かったのであった。

 2匹は機関銃の名手としてその名は有名であった。メシアの菩提樹の中でも、群を抜いていた。メシアの菩提樹のメンバー達が搭乗する航空要塞フィオクラシアに鳥人族の中将、准将らが集まり一同に軍用会議を行っていた。

航空要塞フィオクラシアには、鳥人族の兵士達が200名近く搭乗している。それ程、事態は混乱していたのであった。ヴォージスの命令では、1ヶ月以内に人類を壊滅させる恐ろしい神々の復活である。神々が集うバルトアの森にて死の神とされているデドアラ神の首を生捕りとして、アルデバラン連合会に献上する計画をメシアの菩提樹は計画していた。


「ええい、、ネプラッシュ!!メーデル高原にてエルフの部隊と激突したそうではないか。この星は、、エスポルアースは開拓に相応しいのか、我々の惑星は猛烈な熱気により壊滅の危機を迎えたのだぞ。共和国連合による銀河帝国戦争が勃発した事で既に我々は窮地に立たされたのだぞ。」


イミーグレムは、元老院長であるヴォージス・サークスが急に自分に対して辛辣な言い方をされたので顔を顰めた。まるで責任放棄ではないか。思わず強い言い方をしてしまった。


「ヴォージス元老院長!!共和国連合は我々を指名手配したのですぞ。そうなってしまっては後の祭りなのです。そうなれば次は地底の別の大陸に攻め込むしかないのですぞ。次なる都市は、レオンハルト、、そして海の向こうの国、リヒュテインも、既に開拓が間に合っていないのです。我々も移民の民として2989航空部隊を、リヒュテインに向かわせるべきではないでしょうかね。」


イミーグレムは、次なる目的地をリヒュテイン公国を標的としていた。リヒュテイン公国にはバルトアの森が存在する。バルトアの森を焼き尽くして神々を怒らせるだけでなく、大量のクラスター爆弾を投下して街を空襲する大規模な軍事計画も実行に移そうと考えていたのだった。

その意見に賛成したのか、トキの鳥人で准将のトマーシュ・スヴィーチルは、席を立ち上がると新たな侵略計画を目論んでいたのか自らの意見を口にするのであった。


「既にリヒュテイン公国、エリュレヘン公国、バグミュダット公国の二国はヘルヒュート大陸に居住する魔族や獣人達と貿易を結んでいる現状です。現在もリヒュテイン政府は、最新の武器、そして魔法鉱石に全てを注いでいるのです。リヒュテインには魔導鉱石として知られるバグミュアストライトの鉱山が存在します。我々の襲撃する場所はまずその鉱山という事で宜しいのではないでしょうか?」


トマーシュ・スヴィーチルは、既にリヒュテイン公国の情報を入手していた。情報通であるトマーシュはイミーグレム同様アルデバラン連合会を憎んでいたのだ。アルデバラン連合会に対して不服を申し立てており、貴族のネルディーバード出身であった彼は、連合会に反発したのであった。メシアの菩提樹の創設に携わっていたのである。


「鉱山??なんて鉱山だ。もしかすれば大量の金が埋まっているかもしれんぞ。我がノーポジフェザードの金輸出と金輸入、銀輸出、銀輸入の株が上がるかも知れん。まずはバグミュダット陥落だ。バグミュダットを手始めに抑えたら、次はリヒュテイン公国だ。ヘルヒュート大陸。獣人の国か。面白い。」


 ヘルヒュート大陸には、獣人の国が存在する。そこには狼系獣人の狗族や犬系獣人、猫系獣人、そして爬虫類系獣人など数多くの獣人が生息している。彼らは人間より優れた知能を持ち、高度な科学文明を築き上げるだけでなく巨額な富を得ている。一つは石炭や石油などの鉱物が取れやすい環境にあるという事。環境破壊をする事で自然を脅かす人類に対して、獣人族は環境保護を推進していたのだ。獣人族の王、

フリードリヒ・フォン・ヴィッテルスバッハが統治するディール王国である。このディール王国においてヴィッテルスバッハ家が先祖代々王国を統治していたのだ。ディール歴785年に憲法が統一されると君主性国家による、王は象徴であるという考え方が根本から否定された。先代の王による独裁政治の幕が下された。


「ヴィッテルスバッハ家、、、莫大な資産を抱えた獣人族の王家か、、ライオン系獣人だったわね。奴を王家から引きずり下ろす、、ふふふ、、完璧な計画よ。」


元老院副委員長のエスティーナ・クラウディオは、薄笑いを浮かべた。ヴォージスと共に計画した完璧なる侵略戦争。既に共和国連合の支配下に渡ってしまった祖星は既にない。星の領地を巡って、鳥人族は様々な星へと移民してきた。数々の星の生物を殺戮し尽くした悪魔のような一族。共和国国連合は、生命体殺戮種族として、鳥人族を殲滅の対象としたのであった。鳥人族により殺戮された獣人族、獅子座のレグルスの第一惑星エウレカは、既に多くの種族を殺害された。虎、ライオン、豹、ジャガーなどの猫系獣人族が居住するエウレカからの使者は既にアルデバラン連合会に対して戦線布告を申し出ていた。牡牛座のアルデバラン自体が後の銀河戦争の勃発に繋がってゆくのである。

鳥人族の侵略は止まらない。

読んで頂きありがとうございます。

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