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エスポル旅行記~夢幻の園~  作者: アリナス
第2章 最後の希望
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第3幕ー6 暗殺者

最近ゲームやりたくなって来たなあ。


 アビトは弾丸の摘出手術を受け病院を退院した。だが、猛烈な痛みを押し殺した状態でエスシアの任務を引き受けるのはとても重荷であった。自分が暗殺稼業を手伝わなければならない。人を殺すという事をした事がなかったので誰かがミラを殺してくれるのではないかと考えると気が楽になった。車に乗せられ連れて行かれるとそこは地底防衛軍の航空支部の本部であった。


「さあ着いたぞ。降りろ。シャーリー中尉がお待ちだ。いいか、来い。」


黒服を着た男と共に建物の中に連れられてゆく。建物の外観は30階以上はあるであろう超高層ビルである。高層ビルの最上階へと通じるであろうそのエレベーターに乗せられるとアビトは一気に不安は押し寄せた。もしかしたらこの男に拳銃を向けられるのではないかと考えた。アビトは外国映画を観た時にエレベーターで急に拳銃を向けられるシーンがあったのを思い出した。やがてエレベーターが51階へと到着した。そこから、エレベーターフロアから、奥のフロアへ向かうと広い部屋が見えて来た。


「ここに入れば良いのですか?」


アビトは、男に連れられて広い部屋に入った。そこには航空服に身を包んだ女性達が何人もいたのであった。彼女達こそエリュレヘン公国で目撃した使徒殲滅の女性部隊のバトラーであった。エクシレムファルコンに乗り込みロボットを操縦して巨大な使徒と闘う、アビトとは対照的であった。


「始めまして、あなたがアビト・オズヴェルールね。私は地底防衛軍の航空支部中佐のピシェフィーヌ・スコットよ。貴方の事は、エリュレンから聴いているわ。私達がどういう組織か、エスシアから聞いているわね。」


ピシェフィーヌは長髪の金髪の容姿であった。身長は、170センチ越えでかなりの美女であった。年齢も30代前半であろうか。次に隣にいた165センチくらいの身長の赤髪の女性が口を開いた。


「私の名はエイリーク・ヴィータ。バトラー第1小隊の少佐よ。我々航空支部には実際に戦闘機に操縦して対空砲を放ち使徒を殲滅する者と、航空スーツを装着してマキシマムハイパーフェイスと呼ばれる武器を生成して闘う者に分かれるのよ。でも戦闘機操縦のライセンスがなければバトラーになる事は物理的に不可能だわ。」


エイリークはパソコンを起動するとハイグラフィックにマキシマムハイパーフェイスと呼ばれた戦闘用モジュールのデバイスが映し出された。マキシマムハイパーフェイスは最新科学の力によって生み出され、恐ろしい破壊力を誇る機関銃やミサイルも作り出す事である。機関銃の弾丸のスピードを使えばベツレヘムクラスの使徒の殲滅が可能となる。現に第2ファンダルフォ海域にて使徒の殲滅をバトラーが行った。


「使徒は恐ろしさを増している。これならばリヒュテイン公国も奴らの支配下に置かれる筈だわ。リヒュテインの神聖なる法皇はそれを許さない筈なのよ。エリュレヘン公国のスパイであったミラは暗殺を行うつもりなの。ミラというのも偽名であった。奴は恐らくエリュレヘン公国の命令の元、立憲君主制国家であるリヒュテインの政府へと攻撃を仕掛けてくるでしょうね。」

エイリークは事情を説明した。貴族が政権を握っているリヒュテイン公国は、ヨハン・ネポムク・リヒュテインが首相として公国を統一している。そしてリヒュテイン公国を統治している裏ではヘスタック教徒の弾圧を行なっているのであった。ヘスタック教徒の地底防衛軍のメンバーは使徒を信仰していた。その為に使徒の核を破壊するという概念自体が宗派に存在していなかった。


「あの女は間違いないわ。国籍はリヒュテインでしょうね。ヘスタック教徒の弾圧の復讐って事かしらね。とにかく奴がリヒュテインの首相を暗殺する前に私達であの女を殺害しなければならないって事よ。そこで貴方に協力して欲しいのよ。あの女がもちだしたのはドリームアークに関する事だったの。政府上層部にその秘密がばれれば防衛軍らはデーベルト帝国軍の餌食となってしまう。何としてもそれだけは避けたい。あの女は国外へ逃亡した。今すぐに追わなければならないわ。」

シューネットがアビトに対して問い掛けると、アビトは重い口を開いた。


「それでその女の暗殺稼業を俺にやれと?冗談じゃない。俺は暗殺をする為にここに来たんじゃないんだ。あんたらはそれを理解しているのか?ヘスタック教徒がどうだなんてそんなのはリヒュテイン政府がやる仕事だろう。俺は使徒と戦うだけで背一杯だっていうのに。暗殺稼業は俺達の仕事じゃないんだ。」


アビトは、机を叩いた。無茶苦茶な要求に終始怒りが止まらなかった。その瞬間アビトに女は暴行を加えたのだった。シューネットがアビトを殴りつけていた。


「ごちゃごちゃごちゃごちゃうっせえんだよ!!くそ餓鬼が、、、ああああ???

女に歯向かえるとか思ったら大間違いだかんな。てめえは、所詮下層貧民の屑だろうが?上流階級に立ち向かう事もできねえ能無しが図に乗ってんじゃねえぞ?おいおい坊やよぉ??」


シューネットはアビトの髪を引っ張ると床に抑えつけた。暴走したように逆上しているシューネットを宥めるように、ピシェフィーヌは言った。


「シューネット、駄目よ。いくら教えてやると言ってもこの子は高校生よ。貴方の怒りをぶつけるのは駄目。理性を抑えないと。」


「ピシェフィーヌ!!!こんな奴が、、エクシレムファルコンの搭乗者なんて私は納得できない。15年前私は家族を使徒に皆殺しにされた。なんでこんな奴の味方をすんのよ。」


「アビト君!!ごめんね。急にシューネットがこんな事を言ってしまって、私もシューネットも使徒が憎いのよ。使徒を殲滅しても失った命は戻って来ないもの。公国主義の力でどうにかできるっていうのなら何とかしたいものよ。」


ピシェフィーヌはシューネットを制するように言った。アビトは痛みを堪えてその場を立ち上がるとピシェフィーヌにこう言った。


「わかりました。そこまで言うなら引き受けます。でも、、協力して下さい。俺は俺のやり方があります。命令は従います。でも自由な時間を確保させて欲しいのです。国の為とかじゃないのです。俺に銃撃を教えて下さい。」


アビトは、頭を下げたのだった。やがてピシェフィーヌはアビトに銃を手渡した。この銃を使いミラの暗殺を実施する。そしてエクシレムファルコンに搭乗しながら、ミラの行方を追うと言う大事な任務である。この重要な任務の中で決して仲間割れだけは起こしたくはなかったのであった。


「ついて来なさい。貴方の銃撃の腕を確かめたいの。これから貴方にはターゲット2人の暗殺を命じるわ。バーチャルの世界で、我々が対象として選んだ敵を暗殺するのよ。さあこれに着替えて、制限時間は2時間。さあこれから銃撃の世界へ貴方を連れ込むわ。」


そう言うと、ピシェフィーヌは奥にある部屋にアビトを案内した。そこには、ドリームバーチャルの世界へと行けるのであろうか専用の機械が置かれていた。アビトは専用のゴーグルを付けられた。ここはバーチャルの世界で銃撃のトレーニングを行う場所であるようだ。


「さあこれを付けて。貴方が先程体験した夢の世界とはまた違った世界へとさあ行くがいいわ。」


ピシェフィーヌが言うとゴーグルを装着したアビトの頭上に凄まじい電流が流れるのであった。そして一気に意識が朦朧とする中意識は飛ばされていったのであった。

凄まじい銃撃音が響く中アビトは目を覚ました。


「ここは??もしかしてバーチャルの世界。これはまさかエンドオブワールドか??」


エンドオブワールドとは文明が崩壊した世界で銃撃により敵を暗殺してゆくゲームのような世界である。地面に転がる銃を取ると銃撃を行うためにその場から立ち上がるのであった。

読んで頂いてありがとうございます。

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