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エスポル旅行記~夢幻の園~  作者: アリナス
第2章 最後の希望
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第3幕ー5 お見舞い

趣味なので軽い気持ちで読んでくださいね。


 アビトは目を覚ました。そこは病院であった。記憶がない。あれは夢だったのでだろうか。胸の部分に突如として激痛が襲った。包帯が巻かれている事から自分は、撃たれたのだと実感した。エヴァートンに撃たれた。俺は、秘密を知ってしまった。あの男は何か言っていた。だが何かを思い出そうとすると記憶が不鮮明になる。地底防衛軍は何かを隠している。アビトは病室から窓の外を見た。見るからに、平和な海である。この世界に使徒と呼ばれる存在とその使徒を作り出した地球という惑星。そして地球人類。エスポルアースの地上における文明は崩壊して、人類は地下へ逃げた。まさに文明の崩壊と進化である。


「楽園。もし死んだら俺の命はどこに行くのだろうか。もし、生命が再び、楽園から昇天して再び人間として生き物として生まれ変わるのなら。俺は、死にたくない。死ぬのは嫌だ。楽園なんか行きたくないよ。どうして俺は人類に生まれたんだ。人間はどうして知能を持ち、生きて、そして死ぬんだ。どうして??どうして??生きたい。俺も、、俺も、、。」


そこへエリュレンが入ってきた。エリュレン含めて既に地底防衛軍は信頼できなかった。

こいつらは昨日の奴らと同じだ。絶対何かを隠して何かを起こそうとしている。俺の敵だ。

そう本能的に感じたアビトは、エリュレンを睨みつけた。


「そう悲観するな。人生は長いさ。アビト。お前はまだ高校生だろ。それに俺たち防衛軍もいるし、使徒なんかに滅ぼさせはしない。なあ、その為にエクシレムファルコンがあるんじゃねえか??俺はお前の味方だ。な??」

アビトは、怒りを露わにした。産まれてこの方ここまで感情を剥き出しにした事はなかったかもしれない。


「違う!!あんたらは、、間違っている。殺して良い筈の命なんて、絶対無いはずだ。生き物は助け合いお互いに共存しあって生きるべきなんじゃ無いのか。どうして殺し合いなんか、、お互いに滅ぼそうとなんかするんだよ。そうなったって命は消えて世界は壊れるだけなのに。」

エリュレンは溜息をつくと、重い口を開いた。


「はぁぁ、、、。いいか。人類っていうのはなぁ、不死身の生き物じゃねえんだよ。人類だけじゃねえ、どの生き物だってそうだろ。鳥だって、犬だって、魚だって、虫だって、皆んな産まれていずれは死ぬんだよ。でもな、どんな生き物にだって避けられない壁がある。それがな、争いだ。

強い奴が勝って弱い奴が負ける。強い奴が生き残って弱い奴が死ぬ。この世の中は弱肉強食で成り立っているんだよ。だから俺たち人間だって偉い政治家が国を支配して一般市民達が働いて、そうやってこの世界は成り立っているのさ。だけどいつだって争いのない平和な世界だとは限らない。争いが生まれて平和になってまた争っては、平和になる。これの繰り返しだ。

お前はまだ弱い立場だ。いいか強くなれ。勝つには強くなるしかねえ。今お前は死ぬということに悲観して自分を恐れているんだろうな。

いいかアビト。俺たち防衛軍は間違ってなんかいねえ。そこまでして俺たちにはむかうなら今すぐ俺たちの前から消えるんだ。エクシレムファルコンは、俺たちの最後の希望なんだよ。」


最後の希望。その言葉がずっしりと襲いかかる。アビトの目からは涙が出てきた。それは死へとの恐怖だ。今後エクシレムファルコンに乗れば死ぬかもしれない。再び、悪夢のような光景や悪夢のような体験を味わうかもしれない。

どうしたら良いのだろうか。ここで逃げるのか。再び逃げれば俺は負け犬だ。


「どうしてあんたは、あんた達は、死ぬのが怖くないのか??どうして戦うんだ。どうして??」


「怖いさ。でもな死ぬのを怖がってたら人生うまく行かないさ。死ぬことより生きている事の方が何倍も楽しいからな。まあしばらく時間を置く、答えはいつでも待っているからさ。」


エリュレンの言葉がその時アビトの心に響いた。地底防衛軍にも正義がある。種族の為に死んで、生きて、そうやって繰り返して、自分は戦わなければならない。自分の正義の為に、どうすれば良いのか。アビトは病室で1人うな垂れていた。次の日、アビトの病室にオズレインと幼馴染みの女子がやってきた。彼女の名は、ミリアといった。ミリアは、傷を負っているアビトを心配した。


「ミリア???どうしてここがわかったんだ。まさかオズレイン。お前が知らせたのか??」


ミリアと呼ばれた少女は、青色の髪をしていた。昔から優しい性格であった。家が近所でよくアビトと一緒に遊んでいた。高校もアビトと同じ高校である。


「これはお見舞いにって私達で買ったんだよ。食べてね。アビトが防衛軍に入ってから心配だったの。ねえ、こんな傷を負わされるくらいならやめた方が良いよ。私は心配なの。あなたにもしも何があったら。」


ミリアはそういうと心配そうに言葉をかけた。

その答えにアビトは口にした。アビトは、その言葉に、笑顔を取り戻したが笑顔の裏には哀しい気持ちが湧き出ていた。それほど今回の計画に対して否定的であった。


「ミリア!!心配してくれて悪いな。俺は間違ってしまったのかもしれない。

防衛軍の奴らは、あいつらは地球人を沢山殺そうとしている。自分達がかつて地球人に殺されたからって、再び襲うとしている。そうなったら俺たちはどうすれば良い??何を信じて、なんのために戦えば良いのかわからなくなるよ。」


「相変わらず、お前は、もっとシャキッとしろよ。いいか。お前はヒーローなんだぞ。もっと自信持てぁ良いじゃねえかよ。なあまた行かないか。旅行にさぁ。どっか遠くにでも行けば良くなるんじゃねえか??そのよく分かんない思い込みみたいなやつをさ。無くそうぜ。昔のお前に戻れよ。ほら!!これ、忘れたか。俺たちで野球したろ。お前が貸してくれたグローブだよ。」


オズレインは茶色のグローブをアビトへ渡した。そういえば昔アビトの幼少期に母親の勧めで、野球を習い始めた時に良くキャッチボールをして遊んでいた。アビトと公園の土手でキャッチボールをした事もあった。小学校の時に地区の大会で闘った時にも、アビトは、オズレインにグローブを貸した事があった。


「これは俺のグローブ!お前こんな小さい奴まだ持ってたのかよ??これって俺が小学校の時の奴だぞ。」


アビトは懐かしそうにそのグローブを眺めると、オズレインはボールを出した。よく2人でキャッチボールをした


「お前の投げるストレートと俺の投げるフォークでどっちかが先に甲子園に行くか競い合おうって言ってた事もあったな。なあもう一度この怪我が治って闘いが終わって使徒が殲滅したらもう一度あのグランドに立ちたいんだ。中学の時みたいにホームランを打って、今度こそは甲子園に行きたいんだ。」


そんな事もあったもんだ。オズレインはアビトと一緒に甲子園に出場したかった。出来たらもう一度あのグランドで汗を沢山流したかった。

ミリアはアビトの側へ寄るとアビトの手を握った。


「アビト。私はあなたの夢を信じているよ。きっと私をマネージャーにしてくれたりしたらきっと、夢の果てに私を誘ってくれるだろうって。だからさ、お願い。もう私を置いて闘ったりしないで。」


ミリアはアビトの側へよるとアビトの唇にキスをしたのだった。アビトはミリアと付き合っている。この事はオズレインしか知らない。ミリアは恥ずかしがりで、公にアビトと付き合う事を公表されたくなかった。地底防衛軍の操縦者に決まった時もアビトの事を考えて心配した。

絶対にアビトを操縦者にはさせたくないという強い思いが募っていた。


「ミリア。もしお前に何か危害を加える奴がいたその時は俺が、お前が男に言い寄られたりしたらその時は、俺が絶対に許さねえから。」


「馬鹿、約束破ったりしたら許さないもん。アビトは私だけのものなんだから!!」


ミリアは、アビトとどうしても離れたくなかった。アビトの怪我が治るようにと、自分の手作りのお菓子を持ってきた。紙袋にはアビトへのお礼と書いてあった。そう今日はバレンタインデーである。アビトが喜ぶようにチョコを作ってくれたのだ。


「これはプレゼントだよ。忘れてた。今日はバレンタインデーだからね。これ食べてね。愛してるから。」


「うわあ!これ手作りか。美味しそうだなあ。」


アビトは嬉しかった。高校入って彼女と付き合う事が出来て、自分の人生が変わった気がしたのであった。そんな中でふとあの部屋に出てきた人造生命体に存在が気になった。再び地底防衛軍が何かを起こそうとしているのであれば地球はどうなってしまうのであろうか。


「うふん、、アビト君ちょっといいかね?」


病室に一人の男が入ってきた。地底防衛軍の男らしかった。地底防衛軍の反同盟軍である「帝国の影」通称エスシア所属の男であった。男はアビトを警戒しているようであった。アビトはその男に連れられて、病院の屋上に呼び出された。屋上で男はアビトに対して事情を話し始めた。


「誠に申し訳ない事だが、エリュレヘン公国に情報が漏れてしまったのだ。我々エスシアの中にエリュレヘン公国の内通者がいたのだ。その数は一人ではない。しかも奴らは、エクシレムファルコン以上のとんでもない威力を誇る凄まじい兵器を幾つも保有している。我々の軍隊では足元にも及ばないのであろう。エクシレムファルコンの搭乗者には上層部から任務が出たのだ。エリュレヘンのスパイを粛清しろとだ。スパイの名前はミラ・ヴェスティールだ。地底防衛軍の航空部隊の使徒殲滅隊バトラーに属していた女だ。オズヴェルール、君はファライト第宮殿にてこの女に接触しただろう。」


「この女、、確かに見覚えがあります。まさか俺がこの女を殺すのですか?俺にエスシアに入れという事ですか??バグミュダットの国軍がそれを望んでいたとしても俺はロボットのパイロットですよ。暗殺など、とても。」


「盗まれた文書には恐るべき陰謀が隠されているのだ。それは楽園と夢幻の園の決して知られてはならない秘密が隠されているのだ。」


アビトに対して突然課せられた命令それはスパイの暗殺。そしてこれからスパイの暗殺の為にバトラーと呼ばれる女性達と共にエスシアの暗殺計画に巻き込まれる事になるとは思いも寄らなかった。


読んで頂きありがとうございます。

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