第3幕ー4 楽園
暑い。アイス食いたい。
楽園とは、エデンの園とも呼ばれる。
夢幻の園とは別に存在する世界。死した人間が辿り着くとされている世界。
そこに送られた人間は別の生き物として生まれ変わるか。それ以外にも別の生き物として産まれるのか。
それは全く分からない。
その楽園は地球の中では天国や極楽浄土と言われているのか。この楽園から再び人類として生まれる可能性は限りなく無に等しい。
「エヴァートン。父さんはな、楽園に行ってしまった人間達の仇を取りたいと考えているんだ。地球から送り込められた使徒から人類を守る為には地球人を殺すしかないのさ。」
幼少期にエヴァートンはレミュシーから夢の世界へと行けるカードの存在を教えてもらっていた。
持って寝るだけで、意識を不思議な世界へと飛ばせる道具。責めて楽園があるならば、この世界を癒す存在として夢幻の園を作る。
楽園を信じていた科学者と宗教者によって生み出された夢幻の園。人工的に極楽浄土へ行くことが出来るようにと最先端の技術を駆使して製作された。
レミュシー・ロズワルドの父は、科学者だった。地底防衛軍の科学者として、ドリームワールドを作り出していた。
「その世界は人工的に極楽浄土へ行ける世界なのだ。それも、人間が神になれる。その世界に行けば、人間は神になれる。俺はこれを使って、この世界の人間達を救いたい。」
レミュシーは生前そのような事を呟いていた。
ふと夢を見ていたエヴァートンはその事を思い出していた。なぜ父親は、ドリームバーチャルを使い、地球人を召喚するようになったのか。思い当たる記憶があった。
エヴァートンが10歳の頃、レミュシーの元に1人の科学者が訪ねてきた。その科学者の名は、ウルフェア・ポー・ヴィレンタ。後に地底防衛軍の第8支部部長となる地底防衛軍の科学者であった。
あの雨が降る夜、レミュシーは激怒していた。
(何故だ。ドリームバーチャルを使い地球人を殺す計画だと??ヴィレンタ支部長!!!
エスポルアースの人類は確かに地球から来た使徒によって、殺害された。だが、何故罪もない地球人を殺す必要があるのです。)
レミュシーはドリームアークに反対していた。エスポルアースにてドリームバーチャルを作り出していたのは、バクミュダット一の企業であったルーフェアであった。
ルーフェアは、ゲームシステムの一環としてドリームバーチャルを作り出した。
一般の市民にもそれが流通していた。
だが、地底防衛軍はそれに目をつけたのだ。
ドリームバーチャルを使い、地球人を殺す計画を建てたのだ。平和な世界を望んでいた地球防衛軍の一つの決断が全ての始まりだった。
地底防衛軍は、ドリームカードと呼ばれていたドリームバーチャルを買収しドリームパスを開発した。
夢の世界にて攻略が難しく必ず、体験者を死に至らしめる恐ろしいバーチャルワールドを作り出したのだ。
(レミュシー、、地球人は、、敵だ。
奴らが作り出した怪物のせいで多くの生き物が殺された。
ドリームアーク計画では、使徒の生贄を作るのだ。
そして地球人を喰いつくさせるのだ。お前が地底防衛軍に入れ。)
(ふざけるな!!俺の妻を、、、お前達は殺した!!俺の妻を殺した奴らの味方など俺は、、、、。)
地底防衛軍の女性パイロットであったレミュシーの妻は、航空遠征中に死亡した。
レミュシーは、地底防衛軍を憎んでいた。
妻を死に追いやった連中の味方をするなどうんざりであった。
だが、レミュシーは、家を出て行きそして地底防衛軍に入った。
あの日レミュシーの心の中で何かが変わった。
防衛軍に反対していたレミュシーが防衛軍に加入した。
エヴァートンが不治の病に侵されたのだ。
もう治らないかもしれない。
エヴァートンが死ねば、使徒の生贄にされるかもしれない。当時レミュシーは、職を失い無一文に近かった。
エヴァートンを助ける為に地底防衛軍に加入する。
エヴァートンが11歳の時に彼は白血病を患ってしまった。
余命が僅かである事を言い渡され、治療費にかかる莫大な額のお金。治療費は、4000万チェリーである。
このお金は、なんとしても払わなけばならない。その時、レミュシーの元に一本の電話が入る。
息子の治療を地底防衛軍の大病院で治療してくれるとの事だったのだ。その代わり地底防衛軍に入隊して、ドリームアーク計画に、加担するという条件があったのだ。
その事をエヴァートンは思い出す。
父は自分の病気を治す為に、地底防衛軍に入った。
しかし自らが唱えていた平和とは正反対にドリームアークは実行に移された。
ドリームアークの実態はこうだ。
テロリストのクローンを作り出しワープホールから地球に飛んでいる旅客機を襲撃するのだ。
そして催眠ガスをばら撒き、地球人をワープ空間から、エスポルアースの地底国へと勧誘し、地底旅行をさせる途中でドリームバーチャル内の夢幻の園へと魂を送らせる。
そして本当の目的は、人類を使徒ゼフィエルの生贄にする事。
それによってエスポルアースに送られ死亡した人類は10万人を超えた。
地球では一般的に飛行機が消えるという事件になっているが実際はエスポルアースに召喚され、多くの地球人が殺害された。
そんな中レミュシー・ロズワルドは地球人の中で唯一、巨人ファルマ聖騎士団の生き残りを発見する。
その人物こそが中山龍太郎だったのだ。
事の詳細を、エヴァートンは、アビトに伝えた。
アビトは激昂した。
持っていた拳銃を突きつけると、エヴァートンに向けた。
「まさか、、地球人を100万人召喚して殺すなんて、、そうやってお前らは、、ふざけるな!!!何が防衛軍だよ!!!100万もの罪もなき人の命を奪って、、楽園、、楽園ってなんだよ。
そんなもののために、人類を殺す兵器を作ったっていうのかよ!!エクシレムファルコンも、そいつの為に作ったのか??エクシレムファルコンって一体何の為に???おい答えろ!!!楽園って何なんだよ???」
「おっとこれ以上は、答えるわけにはいかねえな。アビト・オズヴェルール、お前は、エクシレムファルコンの操縦者として、ただ俺たちの指示に従ってれば良い。良いな。」
拳銃を向けられたエヴァートンは、アビトに拳銃を向けた。これ以上この餓鬼に色々知られてまずい。
何としてでもこいつを殺す。
アビトは平和な世界を理想としていた防衛軍を信じられなかった。
こいつらはまだ何かを隠している。
恐ろしい何かを。
まさか。だが鋭い銃弾が響くとアビトの背中に銃弾が貫通していた。
アビトを猛烈な激痛が襲うと銃口から赤黒い血液が流れていく。銃を構えた男2人と女2人がいた。地底防衛軍のバトラーと呼ばれている者たちだった。
「馬鹿な、ガキね。これ以上何をしろっていうのよ。あんたに話すことは何もない。
いい??平和とか腐った事言ってるけどね。
我々エスポルアースの人間は、侵略しようとしている悪い奴らと戦っているの。
そいつらが、私たちの祖先を滅ぼしたんだから。
仕返しに襲うのが当たり前でしょうが。さあ、あんたは眠っていなさい。馬鹿な餓鬼はそれまでにして、我々は、復讐するの。地球人に。」
女は、銃を構えると再びアビトを撃った。
エヴァートンは、意識を失ったアビトに対して、言い放った。
「楽園は、、、宇宙の果てにある世界だ。
銀河の果てにある死者の世界。だが、それは生前良い行いをしたものだけが行ける世界。
だがそんな楽園に行ける唯一の方法を我々は調査した。
不死鳥のジュラーセの存在だ。
ジュラーセは、地球人を300万人殺した時に訪れるとされる不死鳥、又の名をガールフェニックスと呼ぶ。
この鳥がエスポルアースを訪れれば、我々は永遠の命を手にできるのだ。
その為にドリームアークを得て俺たち地球防衛軍の計画は再び再始動する。地球人類の滅亡だ。
アビト。それまではお前も、俺たちの駒として動いてもらうぞ。」
エヴァートンによって放たれた一言こそが地底防衛軍の最終計画。
それは人工巨大隕石を放ち地球を滅ぼす恐ろしい計画である。その名を『プロジェクトユートピア』というのであった。
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