第2幕ー6 剣客への道
役所には代官がいた。その男、ジョナサン・ヴェードを雇っているであろう代官らしき男にジョナサンは会釈した。
「ジョナサン・ヴェード、、そのガキは誰だ??」
「村の生き残りです。親を反乱軍に殺害された模様なのです。私めがこの男を剣客に育てあげようと思いましたね。その為に剣客なる資格を与えて頂きたく存じましたね。代官様いかがでしょうか。」
剣客として雇われるには、代官に届け出をしなければならない。それにより、剣客許可証を授かるのだが、その為には一流の剣客の元で3年以上の修行が必要なのだ。そうすることで、剣客としても、一流にならなければならない。それほど甘くない道である。
「だがそう簡単に私の許可が降りるとでも思っているのか。その者は身寄りのない子供だぞ。
親を殺されているのかも知れんが、、お金は誰が払うのだ。収入がなければ、、食べてはいけんぞ。そんなに甘くないことくらいはお前も知っている筈だ。」
「奴には剣客としての素質があるのです。それは私が、見出してみせます。これほど、、人を殺すような目つき。これこそ、、私が求めていた。男の目つきで。全ての責任は、私が追いますので。デェークス卿にもその都度お知らせくださいませ。」
ジョナサン・ヴェードは、会釈をする。そして完全にジョナサン・ヴェードの元で剣客としての修行が決まったギラは、次の日からジョナサンの道場に住み込みで働く事となった。ギラは炊事などは得意であった。また母親が、農業を営んでいた為か、農業についてもある程度の知識をわきまえていた。父親は、剣を磨く、天才剣磨師。そのような家庭で育ったギラは、、剣の知識はジョナサンに劣らずであった。
「ギラ、、人を生かす剣、そんな甘い志があるのなら少しでも捨てろ。大事なのは、、人を殺す剣だ。正義の腐った心を捨ててこそ、剣客にふさわしい。特訓だ。見せてみろ。お前の腕を」
そう言うと、ジョナサン・ヴェードは2本の剣を抜きそのうちの1本をギラへと渡した。
「これは、、」
「斬血剣だ。お前には素質がある。魔道士に相応しい、、魔力を使えば、、完璧な、剣客になれるのだ。」
するとギラはその剣を握ると、ジョナサンへと斬りかかった。それをジョナサンは、交わしていく。前方から、または後方へとさまざまな周囲から剣を回していくと、ギラはその攻撃を見切った。そしてジョナサンは、ギラの剣を振り落として、ギラを足から押さえつけた。
「そんな甘い剣ではお前は無理なようだな。
現実はそんな甘くはないということはお前も
知っているだろう。復讐か、それとも野心なのか。お前にあるのはどっちだ。」
「俺は野心などない!!!復讐がしたいだけだ!!!」
ギラは押さえつけるジョナサンの脚を無理矢理、振り払おうとした。だが圧倒的に強力なジョナサンの脚力は、一気にギラを押さえつけた。そしてギラを蹴り飛ばした。蹴り飛ばされたギラは剣を持った。その瞬間、、一気にギラの中の何かが変わった。
(なんだ、、この剣は、、俺の身体に包み込むような圧倒的な力。血だ。この剣は血を欲している。)
一気にギラの眼光が赤く光り出した。ギラは睨みつけるように、立つと剣を握り、一気にジョナサンへと斬りかかった。凄まじい勢いで身体能力が上がっていく。そしてジョナサンも再び、剣を握ると両者の剣は激しくぶつかっていく。
「ようやく、、解放したようだなあ。その心を俺にぶつけるのだ。これが、、お前の力、、血清逆流だ。」
竹が舞う竹林の中で、ギラとジョナサンは激しくぶつかり合う。ジョナサンはギラの頭部に向けて剣を振るいながらもそれをギラは避けていく。そしてジョナサンの剣先がギラの身体に激しくぶつかっていくと先手を取られたギラは蹴り飛ばされた。
「はぁぁぁぁぁぁ!!!!」
一気にギラの身体能力が向上すると、ジョナサンに再び立ち向かっていく。何とかしてでもジョナサンに勝ちたいと言う思いが加速していくが、、そんなに甘くはなかった。その勢いが加速して行くに連れて、剣の腕と素早さが一気に上昇して行く。全身の血液が、凄まじい勢いで逆流するとギラの身体は俊足の如く加速して行き、ジョナサンが居るあたりの木々を斬り散らした。
「無駄だ。木々を斬りつける。その時間が無駄な時間だ。お前の血清逆流は、使用者のスピードを迅速にあげるという反面。暴走のリスクが高いということだ。お前は、その力をコントロール出来ない限り、俺には勝てんぞ。そこまで奥義を取得したいのか、殺したい程憎い相手を思い浮かばているのか、だがなその限りない力。まだ足りないようだ。見せてつけてやる。
本当の血清逆流の力を」
ジョナサンはギラの身体に剣を刺した。すると、一気にギラの身体から血液が放射されていく。そしてジョナサンの剣へ次々と纏わり付くと、触手のように剣先へとまとわりつく。
「これは、血翔龍、、、完璧なる力。
さあ、、そろそろ俺の本気を見せつけてやろう。」
雨が降り続く中、ジョナサンは、剣を構えた。




