第2幕ー5 失った物
ギラは少年時代、家族を惨殺された。旧政府に恨みを持つ反乱軍の攻撃を受け、ギラの家族は死んだ。そんな今日は、ギラの家族の命日だった。1人墓に、花を手向けに来たギラ。ギラは手を合わせた。
「親父、お袋、ルネ。国は崩壊を辿る一方だ。反乱軍の奴らは、戦争を起こし、旧政府を転覆させようとしている。俺があの日、皆を守っていれば、こんなことにはな。」
そう、あの日、ギラは、道場へ通っていた。剣の腕を極めるために、師匠の元、必死に努力を重ねた。そんな何気ない1日が壊された。たった1回の事で。
その日、ギラは稽古へ出かけていた。いつも通り自宅から歩いてすぐのところへある街。
いつもと変わらない街、ギラは、起きて身支度を整えていた。
「お兄ちゃん、おはよう!!寝坊したんだね。今日も稽古??」
「ルネ。おはよう。別に寝坊したわけじゃないよ。今日も元気に特訓さ。1ヶ月後に剣術学校に入るんだ。それに向けて、親方に特訓して貰っているんだよ!」
「お兄ちゃん、かっこいいなぁ。ルネも、かっこよく剣術が使えるようになりたいよー。兵隊さんかっこいいもん。毎日戦争で怖いよ。」
まだ小さい妹ルネは、連日の戦争が恐怖でしかなかった。なぜ国が争っているのか、なぜバグミュダットがここまで荒廃してしまったのか、考えたくもなかったが。
ルネは泣き出した。
するとギラはルネの頭を撫でて、抱きしめた。
「ルネ、心配するな。お兄ちゃんが守ってやる。こんな怖い世の中を俺が変えるんだ。だから、泣くな!!
よしいい子だ。元気にお留守番してるんだぞ。」
そこへ母と父もやってきた。父は剣を打つ職人であり、母は父を手伝いながら家計を支えていた。父から特訓を受け、稽古のために、父は、剣を打ってくれた。それほど父は、ギラの為に尽くしてくれた。
「ギラ、いよいよ試験も近いんだな。頑張れよ。今日は最終特訓の日だろ。」
「父さん、ありがとう。行ってくるよ。」
「気をつけてね。帰ってきたらおいしいご飯作って待っているからね。」
ギラの母は優しかった。毎日、畑で農作を行っていた。美味しく取れる野菜やお米などの食材を作り、絵に書いたような貧しいけど幸せな家族であった。そんな幸せな家族はたった1日で壊された。その日の帰り道、ギラが家に帰ると、家族は死んでいた。
ルネも父も母も、斬り殺され、首も切り取られていた。
家の中は、血で溢れかえり、物色された形跡もなかった。しかし、この家だけではない、ギラを除く村人全員がたった一日で惨殺された。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
父さん、母さん、、、ルネ!!!!!!!!!!!」
ギラは絶望した。もう喜んでくれる家族も仲間もいない。自分は天涯孤独な身なのだと悟った。
「一体、、、、誰が、、、こんな事を???くそ、、、他の人達は???」
ギラは他の家を探した。誰か1人でも生き残っている人はいないのか、必死に探し回った。しかし、他の家にもあるのは、首が斬り殺され無惨に死んだ人々の命。ギラは絶望した。
「ふざけるなあああ、、、、、、、、、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
自分も殺されていたかもしれない。憎しみに心を打ったギラは、泣き続けた。外で、声を出す限り大声で泣いた。地面を叩きつけた泥だらけになりながら、雨が降り出した。
雨は2時間降り続けた。泣き果てたギラは家族の死体を抱え山奥へ歩いた。ここなら誰も見つからずに家族を弔うことができる。
穴を掘り、そこに死体を埋める事にした。
「父さん、母さん、ここで安全に弔ってあげるからな。せめて、俺が。俺が。」
そこへ、1人の剣客が現れた。長髪な髪の毛に腰に掛ける二つの剣。男は、剣を出すと、ギラへ近づいた。
「誰だ??」
ギラは、人の気配に気づき、声を出した。
すると男は、剣を抜くと、ギラの正面に突き出した。剣先はギラの首の直前にまで来る。
「坊主、名は???」
「ギラ、、、あんたは?」
「家族の弔いか。優しい目をしてるな。剣客には似合わない目だ。その男に世話になったものだ。ジョナサン・ヴェード!!俺の剣を作ってもらった剣術師だ。坊主、一つの村が反乱軍によって壊滅した。村人は全員、首を斬られ、惨殺された。酷い死に方だ。俺は人斬りだ。」
「まさか、、、、あんたが、、、、俺の家族を村の人たちを殺したのか?????
この人殺しが!!!!!!」
ギラは剣を握ると男へ斬りかかった。父親の打った剣を使い、男へ襲いかかる。しかし男は当然それを避ける。そして剣を抜くと、ギラの剣をはたき落とした。
「その異常なまでの復讐心。お前には、人斬りとしての素質が感じられる。ギラとか言ったな。家族の恨みを晴らしたいか??
俺についてこい!!」
「あんたについてこれば、俺は、恨みを晴らせるのか。この腐った世界を変えられるのか?」
男は、ギラを連れて行くと、一つの役所までやってきた。そうその役所へ行った事こそが、ギラの人生全ての始まりだった。




