表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エスポル旅行記~夢幻の園~  作者: アリナス
第2章 最後の希望
68/135

第2幕ー5 失った物


ギラは少年時代、家族を惨殺された。旧政府に恨みを持つ反乱軍の攻撃を受け、ギラの家族は死んだ。そんな今日は、ギラの家族の命日だった。1人墓に、花を手向けに来たギラ。ギラは手を合わせた。


「親父、お袋、ルネ。国は崩壊を辿る一方だ。反乱軍の奴らは、戦争を起こし、旧政府を転覆させようとしている。俺があの日、皆を守っていれば、こんなことにはな。」


そう、あの日、ギラは、道場へ通っていた。剣の腕を極めるために、師匠の元、必死に努力を重ねた。そんな何気ない1日が壊された。たった1回の事で。

その日、ギラは稽古へ出かけていた。いつも通り自宅から歩いてすぐのところへある街。

いつもと変わらない街、ギラは、起きて身支度を整えていた。


「お兄ちゃん、おはよう!!寝坊したんだね。今日も稽古??」


「ルネ。おはよう。別に寝坊したわけじゃないよ。今日も元気に特訓さ。1ヶ月後に剣術学校に入るんだ。それに向けて、親方に特訓して貰っているんだよ!」


「お兄ちゃん、かっこいいなぁ。ルネも、かっこよく剣術が使えるようになりたいよー。兵隊さんかっこいいもん。毎日戦争で怖いよ。」


まだ小さい妹ルネは、連日の戦争が恐怖でしかなかった。なぜ国が争っているのか、なぜバグミュダットがここまで荒廃してしまったのか、考えたくもなかったが。

ルネは泣き出した。

するとギラはルネの頭を撫でて、抱きしめた。


「ルネ、心配するな。お兄ちゃんが守ってやる。こんな怖い世の中を俺が変えるんだ。だから、泣くな!!

よしいい子だ。元気にお留守番してるんだぞ。」


そこへ母と父もやってきた。父は剣を打つ職人であり、母は父を手伝いながら家計を支えていた。父から特訓を受け、稽古のために、父は、剣を打ってくれた。それほど父は、ギラの為に尽くしてくれた。


「ギラ、いよいよ試験も近いんだな。頑張れよ。今日は最終特訓の日だろ。」


「父さん、ありがとう。行ってくるよ。」


「気をつけてね。帰ってきたらおいしいご飯作って待っているからね。」


ギラの母は優しかった。毎日、畑で農作を行っていた。美味しく取れる野菜やお米などの食材を作り、絵に書いたような貧しいけど幸せな家族であった。そんな幸せな家族はたった1日で壊された。その日の帰り道、ギラが家に帰ると、家族は死んでいた。

ルネも父も母も、斬り殺され、首も切り取られていた。

家の中は、血で溢れかえり、物色された形跡もなかった。しかし、この家だけではない、ギラを除く村人全員がたった一日で惨殺された。


「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

父さん、母さん、、、ルネ!!!!!!!!!!!」


ギラは絶望した。もう喜んでくれる家族も仲間もいない。自分は天涯孤独な身なのだと悟った。


「一体、、、、誰が、、、こんな事を???くそ、、、他の人達は???」


ギラは他の家を探した。誰か1人でも生き残っている人はいないのか、必死に探し回った。しかし、他の家にもあるのは、首が斬り殺され無惨に死んだ人々の命。ギラは絶望した。


「ふざけるなあああ、、、、、、、、、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


自分も殺されていたかもしれない。憎しみに心を打ったギラは、泣き続けた。外で、声を出す限り大声で泣いた。地面を叩きつけた泥だらけになりながら、雨が降り出した。

雨は2時間降り続けた。泣き果てたギラは家族の死体を抱え山奥へ歩いた。ここなら誰も見つからずに家族を弔うことができる。

穴を掘り、そこに死体を埋める事にした。


「父さん、母さん、ここで安全に弔ってあげるからな。せめて、俺が。俺が。」


そこへ、1人の剣客が現れた。長髪な髪の毛に腰に掛ける二つの剣。男は、剣を出すと、ギラへ近づいた。


「誰だ??」


ギラは、人の気配に気づき、声を出した。

すると男は、剣を抜くと、ギラの正面に突き出した。剣先はギラの首の直前にまで来る。


「坊主、名は???」


「ギラ、、、あんたは?」


「家族の弔いか。優しい目をしてるな。剣客には似合わない目だ。その男に世話になったものだ。ジョナサン・ヴェード!!俺の剣を作ってもらった剣術師だ。坊主、一つの村が反乱軍によって壊滅した。村人は全員、首を斬られ、惨殺された。酷い死に方だ。俺は人斬りだ。」


「まさか、、、、あんたが、、、、俺の家族を村の人たちを殺したのか?????

この人殺しが!!!!!!」


ギラは剣を握ると男へ斬りかかった。父親の打った剣を使い、男へ襲いかかる。しかし男は当然それを避ける。そして剣を抜くと、ギラの剣をはたき落とした。


「その異常なまでの復讐心。お前には、人斬りとしての素質が感じられる。ギラとか言ったな。家族の恨みを晴らしたいか??

俺についてこい!!」


「あんたについてこれば、俺は、恨みを晴らせるのか。この腐った世界を変えられるのか?」


男は、ギラを連れて行くと、一つの役所までやってきた。そうその役所へ行った事こそが、ギラの人生全ての始まりだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ