第1幕ー3 エクシレムファルコン003型
アビトとオズレインとリヒトの3人は、かつて中山龍太郎と峯岸が、渡ったレオンハルト港へ向かった。レオンハルト港は、バクミュダットの中でも特に大きな、港であり、あのセカンドインディペンデンスの被害を受けて、壊滅的な被害にあったが、長い年月の復興のおかげで昔と変わらぬ、港町へと変わりつつあった。
レオンハルトに泊まるフェリーは、エルリュヘンの首都、マルダット行きのフェリーであった。リヒュテイン公国へ行くフェリーもあったがそこは、かつて、ゼトが大爆発を起こした事もあり現在は立ち入り禁止区間となっている。
3人はフェリーの搭乗口へ進むと、係員にパスを見せた。しかしこのパスは使えないと係員は豪語した。
「おいおい使えねえじゃねえかよ。アビト。ほんとにこのパス見せりゃ、全部の乗り物乗り放題なのかよ?」
オズレインは、信じられなかったのか、アビトへ疑いの目を向けた。
「それがさあ、どうもそうはいかないみてえなんだ。どうする?行くのやめるか。」
アビト達が途方へくれてると1人の男が現れた。男の年齢は30歳ほどだったが見た目よりかなり若く見えた。
「坊や達乗せてってやろうか?」
男は、いきなり話しかけてきた。
「えっ?あんた誰よ?」
オズレインは確かに混同した様子だったが、男は、かなり気前が良さそうだったので、アビトへ言った。
「いやー、でも流石に、出してもらっちゃうのは悪いかなーって思いまして。」
アビトは笑いながら男へ言った。
「いいよ、いいよ、気にすんな。乗せてってやる。俺は君に用があって来たんだ。アビト君。」
男は、何故かアビトの名前を知っていた。
アビトは信じられなかった。かつて、アビトにとって面識があったとは思えず、何故この人は名前を知っているのかという疑問で頭がいっぱいだった。
しかし既にゲートからフェリーの汽笛が鳴った。いよいよ出発である。
「まずいなっちまったな。よしとりあえず乗ろうか。」
いきなり訳の分からぬ男にフェリー代を出してもらうのはあれだったのでアビトは断った。
「いいです。俺たち自分で払うんで。」
アビト達は財布からお金を出した。
流石にこの歳なのでお金くらいは自分達で払わなければならないのは認識していた。
「おおそうか。ではまたな」。
男はそう言うと船の中へ行ってしまった。
アビト達が無一文のヒッチハイカーに見えたのだろうか。
男の背中をオズレインは見つめていた。
「なんかあういう人の時って反応に困るよなー。いい人ではあるのは分かるんだけどさ。なあ、なんか、困るよな。」
オズレインの言葉に2人も同じように頷いた。
船は出航して1時間経つとラトルシュタイン海峡にたどり着いた。
ラトルシュタイン海峡は、バクミュダットとエルリュヘンの国境となる海峡である。
この海峡では嵐が吹き荒れる事で有名である。
「あー確かに噂通りのすげぇ風だな。」
オズレインは噂には聞いていた。だが、ふと何かがおかしい事に3人は気づき始めていた。
波が荒立ち始めると、突然、海面から巨大生物が現れた。
その生物は、全長が50メートル程もあり、かつて地底へ押し寄せたゼトと身体が類似していた。
「おい待てよ!!逃げろ!!!。」
「やべえぞ!!!あれが!!!」
緊急避難命令が下された。一斉に甲板から悲鳴が上がると、ゼトの身体から、猛烈な破壊光線が放たれた。
「あれってもしかしてゼト??」
悲鳴が上がると同時に、ゼトは、船に体当たりした。
船は傾き始め、船内にも水が押し寄せた。
甲板にも水が押し寄せた。
船長は非常無線を発した。しかし、その船長室もゼトの光撃砲により壊滅した。
「緊急事態発生、管制塔本部に次ぐ!!!かつてバグミュダットを震撼させたあの怪物が海に潜んでいました。ゼトです。それもブルファンゴ660X!!。」
「やっぱりな。ひそんでやがったか。目覚めろ
エクシレムファルコン003型。」
先程、アビト達へ話しかけた1人の男が現れた。男の名はエリュレン・ベンダー。地底防衛軍特別防衛省の役人だった。
すると海中から一体のロボットが現れた。そのロボットは全長が、60m近くあり、その姿はかつて国を救った英雄のファルマ聖騎士団に酷似していた。
「あれがゼトですか。あんたの言う通り、俺たちはもう助からないのですか。」
アビトは、傾きかける、船の上で絶望的な姿を見せながらエリュレンに聞いた。
「ゼトっていうのは、一般的な略称だ。奴らの本当の名前は、使徒ゼフィエル。なあアビト君逃げるなら今のうちだ。君があのロボットを操縦するんだよ。エクシレムファルコン003型をな。」
それは急激な任務だった。見ず知らずのロボットのコックピットに乗り、ロボットの操縦をすることになるとは。
「俺がまさかあいつと戦うのか。」
「これだ。これを持て!!。これを使ってあいつを倒すんだ!!。」
そう言って、エリュレンは、1つの機械をアビトへ渡した。




