第1幕ー2 英雄の身体
地底防衛軍第2研究所の地下奥深くに、培養液が流れており、その奥深くに水槽が置かれていた。
そこに15年間眠り続けている英雄の身体がある。彼の名は中山龍太郎。そう。15年前あのセカンドインディペンデンス(滅亡の日)から、エスポルアースの国民を救った英雄。
彼が巨神兵、ファルマ聖騎士団となった事で、宇宙を滅ぼす超進化生命体ゼトは、倒されたのである。
「体の方はどうだ。既に15年何らかの変化がなければいいのだがな。」
地底防衛軍所属の科学者、ロイル・ウェルネス・ウェポンは、部下に質問した。
「ええ。不思議です。15年間たった今でも心臓は動き続けています。目立った感染も見られません。」
部下のアイネス・テルウェルは、モニターに移った龍太郎のデータを観察しながら心電図などを確認している。
「しかし、今宵はまたこの男が必要になるかもしれん。いわゆるサードインディペンデンスがまもなく起こるのだ。」
ロイルが危惧しているサードインディペンデンス。
それは兼ねてから地底防衛軍も危惧していたが15年前、バクミュダットとリヒュテインを壊滅的な被害へと追い込んだ、ゼト。
そうまだ15年しか経っていないのに、さらなるゼトの新型の接近を既に地底防衛軍は、予測していた。
「ブルファンゴ弐型630Xですか?それともブルファンゴ参型660Xですか?どちらなんですか?」
かつて龍太郎と戦ったゼトこそブルファンゴ壱型600Xである。
「いや、もっとだ。奴ら恐らく15体どころか、20体以上の、襲撃が予測される。それ以上のゼトの襲来が予測される。だって考えてみろ、地上の人類は死滅した。もう我々には手
の施しようがないのだ。メーティルフィールドを仮に張ったにしてもファルマ聖騎士団を復活させることは皆無だろうが。まさか開発段階のはずです。ファルマ聖騎士団を元に作り出した、人型ロボット兵器、エクシレム・ファルコン001型を使うおつもりですか。あれは、危険すぎる。」
アビトは、その会話を盗聴していた。
既に15年前のバグミュダット壊滅にあたり、密かに地底防衛軍では、対ロボット兵器が開発されていた。それこそがエクシレム・ファルコン。全てが13体開発されている。
大量ロボット兵器は、それぞれ地底防衛軍の基地で眠っていると噂されているが一体どこで眠っているのかは一切不明であった。
「おい、まさかゼトに対する兵器を既に防衛軍が開発していたなんて。だとしたら国民は、その事を知らされてない。畜生!!。隠してやがったのか。」
小声でアビトは、激昴していた。それがあれば、かつてのセカンドインディペンデンスも救えたかもしれなかった。
そう既にその段階ではロボット兵器は、まだ開発途中であった。
試作型としてエクシレム・ファルコン000型と名付けられた。
「流石だな。俺たちは能力者であったおかけで助かったぜ。お前のサイレントノベルの力のおかげだ。」
アビトの科学術式サイレントノベルは、120秒間、音と存在を消すことが出来るという能力である。
「おいあれが、中山龍太郎だよな。あれ死んでんのか??。」
アビトの友人は、培養液越しに眠る龍太郎の身体を見つめた。
「やっぱりな。英雄は死んでなかったんだ。死んでたらあんな風に眠り続けているはずが無い。」
「おい、なんか言ってるぞ。エクシレムファルコンの残りの居場所は、エルリュヘンのマルダットにあるらしいぞ。そこに地底防衛軍の基地があるって。」
科学者の言うにはエクシレム・ファルコンの004型と、005型が、エルリュヘン公国の首都、マルダットの地下基地に眠っているとの事だった。
「おいそこに行くのか。もしかして俺らだけで、地底旅行。おい、確か中山龍太郎も、旅行してたんだよな。これじゃ英雄と同じ運命辿るじゃん。今度は俺たちが英雄になったりして。」
アビト達は、考え抜いた末、エクシレム・ファルコンの新型を探す旅に出ることにした。
まずは、エルリュヘン公国に行くことにした。
「なあ、俺達でエルリュヘン公国へ行くのか?」
アビトの友人は、アビトへそう質問した。
「あー俺達が新しい英雄になるんだ。わかってると思うけど、そこに眠る、エクシレムファルコンの新型を見つける。それを誰もよりも先に発見するんだよ。」
アビト達は第2基地を離れると、港へ向かった。これから4人で、地底公国第3の国、エルリュヘン公国へ向かうのだった。
「しかし、どうやって行くんだよ?」
「英雄が使ったと言われているあのアイテム。オールマイティパスさ。ほら、闇ルートで入手したのさ。これ使えば夢の世界で好きにやりたい放題だぜ。」
アビトが入手したのは、地底防衛軍の基地から盗み出したドリームパスだった。15年前と同じように、夢の世界と現実世界を巡る地底旅行が再び、行われようとしている。




